[写真]=J.LEAGUE
10月の『明治安田生命Jリーグ KONAMI月間ベストゴール』が発表され、J2は藤枝MYFCに所属するFW中川風希が受賞した。
受賞したのはJ2第40節・水戸ホーリーホック戦の32分に決まったゴール。敵陣でこぼれ球を拾うと迷わず右足を振り抜き、ロングシュートを突き刺した。「前向きでボールを持てたので、『打ってしまえ!』という気持ちで思い切り足を振りました」という見事なゴールを振り返ってもらった。
取材・文=三島大輔(サッカーキング編集部)
――まずは『明治安田生命Jリーグ KONAMI月間ベストゴール』受賞おめでとうございます!
中川 ありがとうございます! 受賞することができて非常に嬉しいです。試合後にたくさんのメッセージが届いていて、改めてすごいシュートを決めたんだなと感じました。
――水戸戦で決めたスーパーゴールを改めて振り返っていただけますか?
中川 矢村(健)選手のプレーがファウルだと思って、一度足を止めてしまったのですが、笛が鳴らなかったので前向きでこぼれ球を拾うことができました。この試合ではなかなかシュートを打つことができず、モヤモヤした気持ちでした。前向きでボールを持てたので、「打ってしまえ!」という気持ちで思い切り足を振りました。決めた自分が一番ビックリしています(笑)。
――ブレ球気味の素晴らしいシュートでした。ゴールへ向かっていく弾道は見えていましたか?
中川 自分ではあまり覚えていなくて、そういう時にこそ良いゴールが生まれるのかなと思いました。誰かは分からないのですが「入った!」という声が聞こえて、「マジ!?」と思ったことは覚えています(笑)。
――ちなみにゴールパフォーマンスは何のポーズだったのでしょうか?
中川 FC今治のラジオ番組でMCをしている金井龍生さんのポーズです。今治のファン・サポーターの方も喜んでもらえるかなと思ってやりました。
――このゴールを最後まで守り抜き、藤枝をJ2残留に導く勝利となりました。
中川 特に後半は攻め込まれて、苦しい時間帯もありました。全員で体を張って守った結果だと思うので、チームメイト全員に感謝したいと思います。
――今夏、今治から藤枝へ移籍しました。リリースでは「自分にもすごくフィットするのではないかなと敵ながら勝手に思っていました」とコメントしていましたが、改めて藤枝の印象を教えてください。
中川 伸び伸びと楽しそうにサッカーをやった上で、すごく強かったので「良いチームだな」という印象です。
――その中で10月は3試合3得点の大活躍でした。
中川 まだまだできると思っています。満足はしていないですが、試合に出場できなかった難しい時期もあったからこそ、今は結果が出ていると思います。継続していくことの大切さに気づきました。
――藤枝の須藤大輔監督が掲げるのは、“超攻撃的エンターテイメントサッカー”です。
中川 簡単に言えばたとえ得点を取られても、その倍の得点を取るスタイルです。得点を取って勝つ。やることはすごくハッキリしていると思います。
――そのサッカーを体現するため、日々どんな練習をしているのでしょうか?
中川 攻守の切り替えが激しいですし、守備の部分も口酸っぱく言われています。あとは練習の中でのルールが多いですね。タッチ数の制限や左右どちらの足で触るとか、体を動かしながら、頭も使うので疲れます。日頃から良いトレーニングができていると思います。
――このスタイルの可能性を中川選手はどう感じていますか?
中川 やっていても楽しいですし、得点がたくさん取れるイメージです。このサッカーで上に行けたら、もっともっと楽しくなると思います。このスタイルがJ1でどれだけ通用するのか、考えただけでもワクワクするので、来季はJ1昇格を目指していきます。
――2023年は中川選手にとって初めてのシーズン途中移籍や月間ベストゴール受賞など、多くのトピックスがありました。改めて今年を振り返るとどんな年でしたか?
中川 もともとは今治でJ3優勝・J2昇格を目指していましたが、この夏にステップアップ移籍のお話をいただき決断しました。どの道を選んでも正解にしていくのは自分自身だと思うので、振り返った時に『この移籍をして良かった』と思えるように来季以降もやっていくだけかなと思います。
――では、最後に藤枝と今治のファン・サポーターの皆さんへメッセージをお願いします。
中川 藤枝のファン・サポーターの皆さん、もっと活躍している姿を見せたかったのですが、なかなかうまくいかない時期もありました。そんな中でも約半年間たくさん応援していただき、熱いご声援をありがとうございました! 今治のファン・サポーターの皆さんには、急に移籍することになり、申し訳ない気持ちでした。SNSで温かいコメントをたくさんいただけて嬉しかったですし、藤枝への移籍後も今治の試合はチェックしていて、出場できなかった時期でも「今治が頑張っているから、自分も頑張らなきゃ!」と感じていました。そういった意味でも、今治には感謝の気持ちでいっぱいです。
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By 三島大輔
サッカーキング編集部



