今季はバックアッパーとしての日々を過ごすラムズデール [写真]=Getty Images
アーセナルに所属しているイングランド代表GKアーロン・ラムズデールの父がPodcast番組『ハイバリー・スカッド』に出演し、アーセナルの守護神争いについて語った。
現在25歳のラムズデールは2021年夏にシェフィールド・ユナイテッドからアーセナルへ完全移籍で加入すると、2021-22シーズン開幕直後に当時の正守護神だったドイツ代表GKベルント・レノ(現:フルアム)からポジションを奪取。レノにポジションを明け渡すことなくシーズンを終えると、昨季はプレミアリーグ全38試合でゴールマウスを守り、優勝争いを演じたアーセナルを最後尾から支えた。
しかし、今季に入ると状況が一変する。アーセナルは今夏の移籍市場で、ブレントフォードからスペイン代表GKダビド・ラヤを買い取りオプション付きレンタル移籍で獲得。今季の開幕戦から第4節マンチェスター・ユナイテッド戦(○3-1)まではラムズデールが出場していたものの、第5節エヴァートン戦(○1-0)ではラヤが起用された。以降、ラヤはプレミアリーグとチャンピオンズリーグ(CL)の全試合でゴールマウスを守っており、ラムズデールはカラバオ・カップ2試合のみの出場となっていた。
昨季の躍進に貢献し、今季も決して悪くないパフォーマンスを見せていたラムズデールがバックアッパーに“降格”したことについては、様々な意見が生じている。エヴァートン戦の後、アーセナルを率いるミケル・アルテタ監督は「私たちは10人プラス1人ではなく、11人でプレーしている」と話しており、フィールドプレイヤーと同様の考えでGKを変更したと語っていた。その後はラヤとラムズデールがポジションを争い、出番を分け合うような形になることも予想されたが、現時点ではラヤが正守護神、ラムズデールがバックアッパーのような立ち位置となっている。
ラムズデールがポジションを失ったことに驚いたのはファン・サポーターだけではない。ラムズデールの父は「知らなかった。私も、家族も、ましてやアーロン自身も、試合に出られなくなるなんて知らなかった。突然、彼はピッチに立つことができなくなってしまったんだ」と語っており、今後の出番は国内のカップ戦がメインになるとの予想を明かしている。
「この状況を見守り続けるしかない。言い過ぎかもしれないが、今後のアーロンは国内カップ戦限定のGKとなっていくだろう。ケガや出場停止といったアクシデントを除けば、基本的にはダビド・ラヤがゴールを守るはずだ。アーロンはそれを受け入れなければならない。誰かから事前にそのこと(ポジション変更)を告げられていたわけではないが、彼はこの決断をリスペクトしている」
ラムズデールの父は「チームは常に進化するもので、永遠に試合に出場できる選手など存在しない」とも認めている。一方で「できることならば、アーロンに少しでもチャンスを与えてやって欲しい。あくまで私個人の意見だが、これまでのやり方に則ったのだとしても、正直納得できるものではない」とも主張。「ダビド・ラヤは非常に素晴らしいGKで、彼を批判したいわけではない。GKとしてアーセナルにやって来ただけ。アーロンが入ってきて、ベルント・レノがプレーしていた時と同じだ」と付け加え、「アーロンはラヤのことを素敵な人だと言っている。詳しいことまではわからないが、共に切磋琢磨する存在で、アーロンは彼がチームに馴染むために尽くしているよ」と両者の関係が良好であるとも話した。
また。ラムズデールの父は家族の1人として「アーロンから笑顔が消えてしまった」と告白。「家族として、そんな彼を見ているのは辛いものだ。私たちは皆『笑顔を絶やさないように』と言い続けているが、今のところ、スタジアムで見る彼の中にその笑顔はない」とラムズデールの変化を明かした。
ラムズデールは今年5月にアーセナルと長期に渡る新契約を締結していたが、ラムズデールの父はクラブ、そしてアルテタ監督のこの決断には苦言を呈している。「私が問題だと思っているのは、アーロンが新契約を結ぶ前にアルテタ監督と電話で話す機会があり、そこで彼がアーロンは必要不可欠な存在だと話したことだ。しかし、夏にラヤが市場に出ると、彼はラヤを選択した」と発言。現時点では移籍の噂も生じているが、「わからない。アーロンは新契約にサインしたばかりなのだから」と話すにとどめた。
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By サッカーキング編集部
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