名古屋グランパスでの6年間を回想したGKランゲラック [写真]=金田慎平
名古屋グランパスに所属するGKランゲラックが、同クラブで過ごす6年間を回想した。23日、オーストラリアメディア『KEEP UP』が伝えている。
20年に渡って“ロッソジャッロ”のゴールを守護した楢崎正剛氏から背番号『1』を継承してから早5年、名実とともに“新守護神”として君臨するランゲラックは今年8月に35歳の誕生日を迎えた。2007年にメルボルン・ビクトリーでプロキャリアを始め、その後はドルトムントとシュトゥットガルト、レバンテと渡り歩く。オーストラリア代表としてワールドカップにも出場した“ミッチ”のプレーする主戦場は常にヨーロッパだった。そのなかで、後に自身のプロキャリアにおける最長在籍クラブとなる名古屋グランパスに加入したのは2018年。当時の名古屋グランパスは、クラブ史上初のJ2リーグを戦い抜き、1年でJ1リーグに復帰したばかり。攻撃的なスタイルを標榜する反面、不安定さが伴っていた守備面を支える存在として迎え入れられた。
まずランゲラックは、名古屋グランパス加入当初を回想。2017年夏にレバンテに完全移籍し、その半年後には日本へと渡ることになった同選手は「オファーを受けたときは、どのクラブかは知らなかった。代理人に任せていたからね」と告白。続けて、「(バレンシアで)クラブディレクターやスポーツディレクターを含む5人の日本人に会った。彼らは、僕のためにすべてを用意してくれていたよ。ビデオを用いて、クラブや街について、期待すること、住む場所について教えてくれた…それは今までに見たなかで、最もプロフェッショナルなものだった」と名古屋からスペインにまで交渉に来たクラブ関係者の熱意に打たれたことを明かした。
今シーズンでクラブ在籍6年目を迎え、ここまでJ1リーグ通算204試合に出場しているランゲラック。この間、1シーズンの最多クリーンシート数を塗り替え、J1リーグのベストイレブンを受賞。そして今年5月、ドラガン・ストイコヴィッチ氏が保持していたクラブにおける外国籍選手のJ1リーグ通算出場試合数を上回り、歴代1位となった。日本で多くの実績を残してきたが「こんなにも長く、ここで過ごすことになるのは少し予想外だった。当時は1~2年日本でプレーし、その後ドイツに戻ることになるというのが想像していた旅路」と振り返った。
それでも、「ただ1年後、『ちょっと待てよ。ここはちゃんとしたところで、レベルも高い』と思ったんだ。対戦する選手も、日本のレベルも…。現日本代表の大半とは、彼らがヨーロッパへとステップアップする前に、J1リーグで対戦している。ミトマやフルハシとかね」と感銘を受けたようだ。
2008年から2013年まで続いたストイコヴィッチ政権下では、J1リーグ優勝(2010)、J1リーグ準優勝(2011)、AFCチャンピオンズリーグ4強(2009)、天皇杯準優勝(2009)、ゼロックス杯優勝(2011)と黄金時代を築いた。しかし栄華を極めたのはわずかで、2016年にはクラブ史上初のJ2降格。2017年からは“再建”を掲げ、風間八宏監督の下で1年でのJ1リーグ復帰を成し遂げたが、その同政権もJ1リーグでは振るわずに2年半で終焉を迎えた。
転機が訪れたのは2021年。就任3年目のマッシモ・フィカデンティ監督が植え付けた“ウノゼロ”のアイデンティティが、名古屋グランパスに“堅守”というスタイルを定着させた。クラブ史上初のルヴァン杯を獲得し、2シーズン連続でのトップ5フィニッシュ。翌2022年からチームを引き継いだ長谷川健太現監督も、試行錯誤を繰り返した1年目を経て、今シーズンは夏場まで優勝争いに加わった。風間政権下のJ1残留争い、マッシモ政権下のルヴァン杯優勝、長谷川政権下のJ1リーグ優勝争いと、その全てを経験しているランゲラックは「残念ながら6、7年前、クラブは困難な時期を迎えていた。だからこそ僕は、自分たちが立ち直り、クラブを本来あるべき位置…つまり順位表の頂点に戻すのに貢献していると言いたい」と強調した。
また、前述したクラブ外国籍選手のJ1リーグ通算出場記録を塗り替えたことについては「僕はピッチに立つこと、そしてレギュラーの座に定着することに重点を置いている。外国籍選手の記録についてはあまり考えていなかったけど、それを破れたことは本当に素晴らしいことだ。これからもこの記録を更新し続けられるといいね」と言及。続けて「プレーの安定感の秘訣? それはいろいろな要素が重なった結果だよ。自分に何ができて、何ができないのか、自分の能力に自信を持てる年齢に達した。得意なプレーも、弱点も自覚している。だから試合中は弱点を露呈させないように心がけている」と述べている。
すでに生ける伝説となっているランゲラックはこの先、名古屋グランパスにクラブ史上2度目の“シャーレ”をもたらすことになるのだろうか。在籍7年目となる来シーズン以降の活躍にも注目だ。
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By サッカーキング編集部
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