地元クラブのS広島Rと対戦したI神戸の桑原藍 [写真]=WE LEAGUE
INAC神戸レオネッサは18日、WEリーグ第15節でサンフレッチェ広島レジーナと対戦。相手の新スタジアム『エディオンピースウイング広島』に乗り込んで、2試合ぶりの勝利を目指したが、0-2で敗れて今季リーグ戦初黒星を喫した。
桑原藍が敵地で大きな歓声を受けた。広島県出身の19歳FWは2022年12月にAICJ高等学校からI神戸への入団が決定。プロになって初めて広島での試合に臨み、「地元なので『うまくやらなきゃ』っていうプレッシャーを自分自身で作ってしまった」と緊張感を抱いていた。
それでも、スタジアムに駆け付けたAICJ中学・高等学校の後輩たちから一際大きな声援を受け、「ベンチにいるときから(声援が)聞こえていたので、出たら自分のプレーをしたいと思っていたし、すごい力になりました」と背中を押されていた。
I神戸は前半のうちに2失点し、ジョルディ・フェロン監督は「流れを変えたかった」と44分に3人交代を敢行。ベンチスタートだった桑原はそのタイミングで途中出場し、「2点ビハインドで、自分たちが入ることでまずは流れを変えないといけなかったので、勢いをつけることを考えて入りました」と振り返った。
桑原は右サイドでプレーし、53分にはCKでヘディングシュートを放ったが、惜しくも枠には飛ばず。終盤には一時的に左サイドへポジションを移し、後輩たちの前で武器のドリブルを活かして相手ゴールへと迫ったが、相手の固い守備に阻まれて得点にはつながらなかった。
I神戸は2点差を追って最後まで得点を狙ったものの、S広島Rの好守に阻まれて0-2で敗戦。チームは2試合連続でノーゴールに終わり、1試合消化の多い首位の三菱重工浦和レッズレディースとの勝ち点差は「7」に開いた。
桑原は、「全体的にシュート数が少なかったし、自分もシュートを打てていないので、もっとゴールに貪欲にならないといけない」と話し、「家族とか同級生とか、小さい頃からお世話になっている方も来てくれていたので、やっぱり勝ちたかったです」と勝利を届けられずに悔しさを滲ませた。
デビューシーズンの今季はWEリーグ10試合に出場し、プレー時間が限られている中でも2ゴールを記録。だが、桑原は決して満足しておらず、「リーグ戦で2点取れたのも他の選手のおかげだし、もっと貪欲にいかないといけない。『楽しみながら貪欲に』っていうところをもっと追求していきたい」とシーズン終盤での活躍を意気込んだ。
取材・文=湊昂大
By 湊昂大