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10番の離脱、2度のVAR、謝罪、チケット買い占め、奪還失敗…アジアカップで起きた14の出来事

2019.02.02

[写真]=Getty Images

 2月1日、AFCアジアカップUAE2019が閉幕した。UAEで開催された今大会もピッチ内外で様々なことが起こり連日大きな話題を呼んだ。

写真=ゲッティイメージズ

代表戦士の相次ぐ離脱


2018年12月12日、森保一監督はアジアカップに臨む23名を発表。テストマッチで起用した選手たちでチームを構成し、「サプライズ招集なし」と言われる面々となった。しかし、浅野拓磨の負傷離脱を皮切りに、“10番”を背負う中島翔哉や守田英正、青山敏弘が相次いで離脱を余儀なくされた。
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20歳77日で決めた“最年少ゴール”


決勝トーナメント1回戦で日本代表はサウジアラビア代表と対戦した。試合は20分、日本はCKを獲得すると、柴崎岳のパスに冨安健洋がヘディングで合わせ、先制に成功する。この1点を守り切り、1-0で勝利。準々決勝進出を果たした。さらに、決勝ゴールを決めた冨安の年齢は20歳77日で、アジアカップにおける日本代表史上最年少記録となった。
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“2度のVAR”の末、準決勝進出


ベトナム代表と対戦した準々決勝は、VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)が決勝点を生んだ。試合は24分、吉田麻也がCKからゴールネットを揺らすも、VARによってハンドの判定が下り、ゴールが取り消された。それでも、57分には堂安律がエリア内で倒されると、一度はプレー続行となるも、VARでPK判定に。これを堂安自らが決めて日本が先制点を挙げた。この1点を守り切り、1-0で勝利。準々決勝から導入されたVARによって、日本は2大会ぶりの準決勝進出を果たした。
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消化不良の準々決勝敗退


リーグ戦との強行日程を押して、ソン・フンミンがグループステージ第3節から出場するなど、韓国代表は59年ぶりのアジア制覇を目指していた。しかし、カタール代表に0-1で敗れ、準々決勝敗退となった。「消極的で果敢なパスもなければ、攻撃のパターンもない」など、母国のメディアから批判が相次いだ。
●準々決勝敗退で「夢は水の泡に」…韓国メディアは「消極的」な戦いぶりを嘆く

前回王者も準々決勝敗退


韓国と同じく、オーストラリア代表もベスト8で姿を消した。オーストラリアは準々決勝で、元日本代表監督のアルベルト・ザッケローニ率いる開催国・UAE代表と対戦。68分にミスから失点し、0-1で敗れた。初戦でヨルダンに敗戦、決勝トーナメント1回戦ではPK戦で辛勝と大会を通じて精彩を欠いた。
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“最強国”との一戦で見せた最高のパフォーマンス


決勝進出を懸けた準決勝、日本はイラン代表と対戦した。イランのFIFAランキングはアジア勢最高の29位(2月2日現在。日本は50位)。準々決勝までの5試合を12得点・無失点で勝ち抜き盤石の状態で準決勝を迎えていた。一方、日本は大迫勇也が初戦以来となるスタメン復帰を果たした。試合はスコアレスで迎えた後半、南野拓実のクロスに大迫が合わせて日本が先制。さらに、PKを獲得すると再び大迫が決めてリードは2点に。アディショナルタイムには原口元気がダメ押し点を流し込み3点目を記録。守っては、イランの強力攻撃陣を完封し、3-0で勝利を収めた。
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イランのエースが愚行を謝罪


日本が快勝した準決勝では試合終盤、イラン代表のエースFWサルダル・アズムンが大迫の足を踏みつけるラフプレーを行い、両チームが入り乱れる乱闘騒ぎとなった。試合終了後、アズムンは自身の公式インスタグラムを更新し、自らの行為を謝罪した。
●イランFWアズムン、敗戦後にSNSで謝罪「恥ずかしく思っています」
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開催国王子による“買い占め行為”


政治的問題から国交断絶中のカタールとUAE。両代表チームは大会を勝ち抜き、準決勝で対戦することとなった。この一戦を前に、UAEのナヒヤーン・ビン・ザーイド王子がチケットを買い占めて、「UAEに忠誠心を持つサポーターに無料でチケットを配布する」と宣言した。スタジアムをUAEサポーターで埋め尽くすことに加え、カタールサポーターを退けるという狙いもあったのではないかと伝えられたが、王子が代表を務めるアブダビスポーツ競技会にチケットを求めるサポーターが殺到する事態となった。なお、試合は4-0でカタールが圧勝し、決勝戦へ駒を進めた。
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日本代表監督が退任を示唆


カタールに敗戦後、元日本代表監督でUAEを率いるアルベルト・ザッケローニ監督は、「すべての責任は私にあり、選手を守る責任がある。UAEのファン、国民に謝りたい」と開催国ながら決勝進出を逃したことを謝罪。さらに、「我々の目標はアジアカップ優勝だった。契約はアジアカップ終了までになっている」と同代表監督退任を示唆した。
●ザック、UAE代表監督退任を示唆…4強止まりに「責任は私にある。国民に謝りたい」

拍手喝采の英語回答


決勝戦前日の1月31日、記者会見に森保一監督とキャプテンの吉田麻也が出席した。海外メディアからの質問に吉田は英語で回答すると、報道陣からは大きな拍手が沸き起こった。
●「フェアプレーの精神で100%の力を…」吉田の英語回答に拍手喝采!

失敗に終わった“王座奪還”


2011年大会以来、2大会ぶりの優勝へ日本は王手をかけたが、決勝戦でカタールに1-3で敗戦。アジア王座奪還は失敗に終わった。前半に2失点を喫すると、後半は南野の今大会初ゴールで1点差に迫るも、PKから3失点目を喫し勝負は決した。日本は決勝トーナメントから3試合連続無失点だったが、最終決戦で堅守が崩れた。
●日本、まさかの3失点完敗で王座奪還ならず…カタールがアジア杯初優勝

断交問題を乗越えた初優勝


決勝戦で日本を下し、アジアカップ初優勝を飾ったカタール。上述の『開催国王子による“買い占め行為”』の通り、開催国のUAEとは断交状態にあり、国境が遮断されていた。そのため、カタールサポーターはUAEに入国できず、常にアウェイの雰囲気の中での戦いだった。さらに、観客席からは物が投げ込まれたり、カタールの国歌斉唱の際にはブーイングが起きたりとスタジアムは異様な雰囲気に包まれた。
●日本破りアジア杯初優勝…カタール代表監督「我々は歴史を作った」
●日本を下し初のアジア制覇…カタールメディア「夢が現実に」「歴史的勝利」

アジアカップ新記録で初優勝に貢献


カタール代表FWアルモエズ・アリは決勝戦で先制点をマークし、大会9得点目を記録。1996年のUAE大会で元イラン代表FWアリ・ダエイ氏が残した一大会における最多得点記録(8得点)を更新した。試合後にはMVPにも選出され、得点王とのW受賞で初優勝に花を添えた。
●MVP&得点王…オーバーヘッド弾のカタール代表FW「いいゴールだった」

的中だらけだった“シャビの予想”


今大会ではカタールのアル・サッドに所属する元スペイン代表MFシャビの予想も大きな話題となった。シャビは大会開幕前に同国メディア『AL KASS』の番組内で大会の結果予想を実施し、まず決勝トーナメントに進む16チームを選んだ。その内13チームを当てると、その後も勝ち進むチームを予想し的中。最後は日本とカタールの決勝戦になること、カタールが初優勝することまで的中させた。
●日本敗北でシャビの予言が現実に…アジア杯開催前にカタールの初優勝を予想

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