2012.09.13

【インタビュー】コウチーニョ「僕はあくまでインテルへの復帰だけを願っていた」

ワールドサッカーキング 0920号掲載]
今シーズンこそは、コウチーニョの真の実力が世界に知れ渡る1年になるかもしれない。スペインでの6カ月の修行を経て、少年は大きく成長を遂げ、再びミラノのピッチに降り立つ。プレシーズンに大ブレイクの予感を感じさせたコウチーニョが、自らの輝ける未来について語った。

<span style="color:#0000cd;"><strong>コウチーニョ</strong></span> インタビュー・文=アレッサンドロ・ボッチ 翻訳・構成=高山 港

 インテルがヴァスコ・ダ・ガマからコウチーニョを獲得したのは、彼がまだ16歳の時。しかしセリエAの規定上、18歳未満の選手は試合に出場できない。よってインテルは2010年6月までの2年間、彼がブラジル国内で成長するのを待った。その後、ようやく18歳になったコウチーニョはミラノの街に再上陸したが、スターぞろいのインテルで本領を発揮するのは容易ではなかった。

 だが、今シーズンのコウチーニョは、これまでの彼とは違う。今年1月からの半年間、スペインのエスパニョールで武者修行を経験。レギュラーとしてプレーして16試合5ゴールという好結果を残し、期待のヤングスターは再びインテルへと戻ってきた。プレー面でもメンタル面でも成熟したコウチーニョを、アンドレア・ストラマッチョーニ監督が見逃すわけがない。今夏のトレーニングキャンプでは、指揮官は迷うことなく彼に多くのチャンスを与えた。「すべてが良い方向に向かっている」キャリアを懸けたコウチーニョの再挑戦がいよいよ始まる。

僕はあくまでインテルへの復帰だけを願っていた

スペインでの半年間は君にとって大きな転機になったのかな?

コウチーニョ レンタル先のエスパニョールでは、僕は常時試合に出ることができた。チームの信頼も勝ち得たと思う。サッカー選手にとって周囲から信頼されるということはすごく大きな意味を持つんだ。エスパニョールでは、すべてが順調だったよ。ただ、僕はあくまでインテルへの復帰だけを願っていた。だから、こうしてミラノに戻って来ることができてすごくうれしいよ。

今年の1月、インテルが君をレンタル移籍させると決めた時、どう感じた?

コウチーニョ きれいごとを言うわけじゃないけど、クラブから見離されたという意識は全くなかった。僕はインテルで周囲の評価と信頼を感じていたからね。ただ、僕がインテルでプレーするチャンスはとても少なかったから、できるだけ多くのゲームに出て経験を積んでおきたかったんだ。だから、クラブからスペイン行きの話を持ち掛けられた時、それをすんなり受け入れた。結果的に良い判断だったと思うよ。

今シーズンのインテルでは多くのポジションで世代交代が進んでいる。これについてはどう思っている?

コウチーニョ それは今に始まったことじゃない。ここ数年、インテルは若手の育成にすごく力を入れている。インテルの下部組織は各年代のカテゴリーで毎年のように多くのタイトルを手にしているからね。未来あるチームに身を置くのは気分がいいものさ。

レンタル移籍を経て君のプレースタイルはどう変化した?

コウチーニョ プレースタイルは以前のままだよ。スペインに行って変わったと言えば、精神面かな。以前に比べて自信を持ってプレーできるようになった。僕のプレーを見てもらえれば、すぐに成長を感じてもらえるはずだよ。

チームに国籍なんて関係ない先輩たちには本当に感謝しているよ

今年の夏にルシオがチームを離れ、マイコンやジュリオ・セザルも世代交代の波にのみ込まれてしまった。その一方で、インテルには多くのアルゼンチン人選手が今なお主力として活躍している。ブラジル人の君にとっては肩身が狭いんじゃない?

コウチーニョ 全くそんなことないよ。ここの居心地は最高さ。ブラジルとアルゼンチンって言っても、ライバル意識は代表チームに戻った時だけ。インテルでは、みんなが協力し合っているんだ。特に、キャプテンの(ハビエル)サネッティや(エステバン)カンビアッソは偉大な選手であると同時に素晴らしい先輩でもある。彼らはいつも、僕たち若手に適切なアドバイスをくれるし、困っている時には手を差し伸べてくれるんだ。チームに国籍なんて関係ない。先輩たちには本当に感謝しているよ。

これまで司令塔としてインテルを支えてきたウェスレイ・スネイデルをどう見ている? ポジションが重なる彼と君をライバルだと見なしている人も多いけど。

コウチーニョ 彼は“怪物”さ。とにかくすごいプレーヤーだよ。彼の近くでプレーできるだけでも誇りに思わないといけない。スネイデルは正真正銘のカンピオーネだけど、僕はまだまだ修行中の身だからね。彼に対して悪い意味でのライバル意識なんて全くないよ。

今シーズンの個人的な目標を教えてくれるかな?

コウチーニョ とにかく練習で自分をアピールして、ストラマッチョーニ監督にできるだけ多く使ってもらうことだよ。それと、戦術面で成長したいと思っている。僕のポジションに求められるのは、できるだけ相手ゴールの近くでプレーすること。とにかく高いポジションで積極的にプレーしたいし、できるだけ多くゴールに絡みたいと思っている。

君はその目標に近づきつつあるね。TIMカップのユヴェントス戦での決勝ゴール、そしてヨーロッパリーグ予選3回戦のハイデュク・スプリット戦でのゴールには、君の新しい一面が垣間見れたよ。

コウチーニョ ありがとう。これから先も多くのゴールを決めていきたいし、アシストにもこだわっていきたい。いずれにしても、以前より相手エリア深くで攻撃に絡みたいと思っている。ただ、僕にとってはチームとしての目標達成が最も大事なんだ。今シーズンがインテルの復活のシーズンになると願っている。