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2016.09.12

中村憲剛×又吉直樹『僕たち、ちゃんと考えてます。』第5回:頭を使って考えないといけない。

中村憲剛×又吉直樹『僕たち、ちゃんと考えてます。』

二人の頭の中は、一体どうなっているのか?
二人が醸し出す独特の雰囲気、その化学反応を見てみたい。
そんな発想がきっかけで、
中村憲剛選手(川崎フロンターレ)と
又吉直樹さん(ピース)との対談が実現しました。

今回は『マエストロ×作家の“創造力”』というテーマをぶつけてみましたが、
会話が弾みすぎて、自由気ままな展開に。
ゆるい話から、深い話まで。
中村選手と又吉さん、二人のトークをお楽しみください。
全10回の連載です。

頭を使って考えないといけない。

憲剛さんは独特のポジショニングをしていると思うんですけど、それはどうやって築いていったんですか?

まあ、体が小さいからぶつかり合いでは負け続けて、全然勝てなかったんですよ。だから、又吉さんと一緒で同じ土俵に立ってはいけないんだと、中学、高校くらいの時に気付いたんです。

なるほど。

じゃあ、「ぶつからないためにはどうするか」というポジショニングを取って、それが成功していくうちに「俺はこれで生きていこう」と思って。

はいはい。

だから頭をずっとフル回転させていました。例えば、相手が自分をマークしているとして、その選手が味方に目線を切った瞬間に一歩バックステップを踏むと、そこに空間ができる。そこでしっかりトラップができれば、プレーがつながる。それまでは相手が目線を切る前にボールを呼び込んでいたので、相手にぶつかられてボールを失っていたんです。

なるほど。

成功すると、それがどんどん自信になって、いいサイクルでやれるようになったんですよ。もちろん、最初はめちゃくちゃ頭が疲れました(苦笑)。でも、それに慣れていると、体が成長した時にぶつかっても平気だから何でもできるようになって。

さらに余裕を持ってプレーできる。

そうなんです。初めて代表に呼んでくれた(イビチャ)オシムさんの練習はすごく複雑だと言われていたんですけど、僕はずっと「どうやってフリーになるか」を考えながらやってきたので、ルールさえ頭に入れてしまえばすぐにできたんです。

へえ。

みんなが「なんだこれ?」ってなっている時に、僕はスッと入れたから使ってもらえたんだと思います。

そうなんですね。

僕はバルセロナや(ジョゼップ)グアルディオラが大好きなんです。それこそ、線は細いけどバスワークの中心にいる選手が大好きなので、ずっと研究していました。ラモス(瑠偉)さんやシャビとか。(アンドレア)ピルロ(元イタリア代表/現ニューヨーク・シティFC)もそう。

たぶん憲剛さんのプレーだけを見て、「あんな感じでやりたい」と思っても、できないですよね。頭を使わないと。

すぐにはできないと思います。ずっと継続してやれれば、できてくると思うんですけど。

僕なんて、まだお笑いの道でも小説の道でも修行中ですけど、後輩でめちゃくちゃ暗いやつとか、大人しいやつで「又吉さんみたいになりたい」って言うやつがたまにいるんです。でも「暗いだけじゃないんだよ……!」って(笑)。

ああ(笑)。

暗けりゃ目立つじゃなくて、暗けりゃ目立たないんですよ。当たり前ですけどね。線が細かったら倒されるのは常識で、だから倒されないために頭を使う。暗かったら、もう目立てないから(笑)。そこで、それをどう生かすかっていう。

まさにそのとおりですね。それこそ又吉さんみたいに、みんなが倒れてるけど、ちょっとゆっくり倒れることで目立ててるみたいな形も、頭を使って考えないといけないですよね。お笑いの世界は分からないですけど、たぶん“弱肉強食”な感じはサッカー界とほぼ一緒だと思うんで。

ああ、そうですね。

ただ、(お笑い界は)上が抜けていかないじゃないですか。

そうなんです。だから60代の選手がいまだに現役でやってるみたいな(笑)。

そうそう、そうそう(笑)。

マラドーナとかがまだ現役にいるっていう。

本当にそれクラスですよ。僕たちは先が見えるスポーツだから。サッカー選手として、60歳まで第一線でやるのは絶対に無理なので。でも、又吉さんは35~6歳の選手でこれからじゃないですか。

そうですね。

 

つづきます(第6回は13日7時公開)

 

取材・構成=高尾太恵子/写真=岩本良介

 

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中村憲剛(なかむら・けんご)
1980年10月31日生まれ、東京都出身。東京都立久留米高から中央大を経て、2003年に川崎フロンターレへ加入。初年度から出場機会を得ると、2年目からはボランチへとコンバートされて主力に定着。2006年から2010年まで5年連続でJリーグベストイレブンに選出された。また、2012年から川崎の主将に就任してチームをけん引。視野の広さとパスセンスはリーグ屈指で、35歳となった今もなお強烈な存在感を放つ。
又吉直樹(またよし・なおき)
1980年6月2日生まれ、大阪府出身。お笑い芸人、脚本家、小説家、俳人といった様々な顔を持つ。2003年に綾部祐二と「ピース」を結成し、ボケを担当。キングオブコント2010で準優勝、同年のM-1グランプリで4位に入り、一躍脚光を浴びる。趣味の読書が高じて書評やコラムなどの執筆活動を行うと、2015年に自身が書いた純文学小説『火花』で第153回芥川龍之介賞を受賞。個性的なファッションからオシャレ芸人との呼び声も高い。

プレゼント

中村憲剛選手と又吉直樹さんの直筆サイン入り色紙を3名様にプレゼント!
応募期間
:2016年9月8日(木)〜2016年9月18日(日)23:59まで

たくさんのご応募ありがとうございました!

 

INFORMATION
スポーツニュース番組『追跡 LIVE! Sports ウォッチャー』(テレビ東京系)
(月~金 23:58~24:12/土 23:00~23:55/日 22:54~23:30)
MC:ピース
コメンテーター:中畑清、セルジオ越後、緒方耕一(日曜のみ)、秋田豊

 

今回の撮影で利用したお店
BLUE BOOKS café
〒152-0035 東京都目黒区自由が丘2-9-15 ユレカビル B1F

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