今季もキャプテンマークを巻いてピッチに立っていたフェキル [写真]=Icon Sport via Getty Images
アル・ジャジーラは31日、ベティスから元フランス代表MFナビル・フェキルが完全移籍にて加入することを発表した。背番号は「20」に決まっている。
契約期間、移籍金ともに非公開ではあるが、スペインメディア『マルカ』によると、移籍金は最大で700万ユーロ(約11億円)ほどの見込みだ。フェキルとの契約を2年間残していたベティスにとっては、ラ・リーガが独自に定めるサラリーキャップの関係で、今回の移籍は“枠を空ける”ことに大きな意味があると指摘している。同日付けでトッテナムからの帰還が発表されたアルゼンチン代表MFジオバニ・ロ・チェルソの登録も問題なく完了した。
フェキルは1993年7月18日生まれの現在31歳。母国フランスの名門・リヨンのユースチーム出身で、2013年8月にトップチームデビューを飾った。ルーキーイヤーは定位置確保とはならなかったものの、2年目の2014-15シーズンは公式戦39試合のピッチに立って15ゴール13アシストを記録するなど大活躍。直後には右ひざ前十字じん帯断裂の大ケガに見舞われたものの、復帰後は再び攻撃陣の中心としてリヨンを支え、2017-18シーズンにはリーグ・アンで自己最多の18ゴールをマーク。シーズン終了後には、フランス代表の一員としてFIFAワールドカップロシア2018で優勝を経験した。
最終的にリヨンでは公式戦通算193試合出場69ゴール46アシストを記録し、2019年夏にベティスへ完全移籍加入。ラ・リーガ初挑戦ながら即座に適応し、2列目の中央やサイドでベティスを彩る存在として活躍を続ける。2021-22シーズンには17年ぶりとなるコパ・デル・レイ(スペイン国王杯)優勝に大きく貢献した。だが、昨年2月に左ひざ前十字じん帯の損傷により長期離脱を強いられると、昨年夏にクラブは元スペイン代表MFイスコを獲得。共存は難しいかと思われたが、両者が共にピッチに立つ試合も少なくはなく、キャプテンマークを巻いて『ベニート・ビジャマリン』に戻ってきた。
今季もラ・リーガ開幕からの2試合にフル出場していたものの、シーズン開幕後のタイミングでUAE(アラブ首長国連邦)行きが決定。ベティスで公式戦通算165試合出場29ゴール29アシストという成績を残したフェキルは、自身の公式SNSを通して次のような言葉を綴り、“ベティコス”へ別れを告げた。
「この素晴らしいクラブでの信じられないような5年間を終え、感慨に浸って去ることになる。ベティスのユニフォームを着ることができて、本当に光栄だった。愛情と無条件のサポートは僕にとって最大の力であったし、そんなみんなにとても感謝している」
「特に、毎試合を忘れられない経験にしてくれたファンに感謝したい。同時に、このクラブをより良くするために常に努力し、重要な場面で僕を支えてくれた監督、スタッフ、クラブのすべての人々にもお礼を申し上げたい」
「ベティスの未来に幸あれ。レアル・ベティスはいつだって僕の心の中にあり、決して忘れることはない。ムーチョ・ベティス」
フェキルの新天地となるアル・ジャジーラは、1974年に創設されたクラブで、これまでにUAEプロリーグ(1部)を3度制している強豪。2023-24シーズンはUAEプロリーグを8位で終えていた。今夏にはアーセナルを退団したエジプト代表MFモハメド・エルネニーが加入している。
By サッカーキング編集部
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