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【静岡学園】“静岡3冠”果たした技巧派軍団、狙うは2年ぶりの日本一<第100回高校選手権>

2021.12.26

Jクラブ内定選手を中心に2年前の再現を狙う [写真]=吉田太郎

 2年前と同じ道をたどる。静岡の“技巧派軍団”静岡学園は、優勝した2019年度大会以来、2年ぶりの選手権出場。ジュビロ磐田内定のMF古川陽介(3年)、清水エスパルス内定のFW川谷凪(3年)、徳島ヴォルティス内定のMF玄理吾(3年)、ギラヴァンツ北九州内定のDF伊東進之輔(3年)というJリーグクラブ内定4選手を擁する注目校は、2年前に埼玉スタジアム2002で果たした日本一を再び目指す。

 MF松村優太(鹿島アントラーズ)を擁した2年前は、準決勝までの5試合で16得点を叩き出した一方、無失点の堅守。決勝では青森山田に2点を先取されながらもドリブルスタイルを崩さずに攻め続け、3点を奪い返して頂点に立った。今年は川口修監督が静学歴代でもトップクラスと認めるドリブラーの古川や、MF大島僚太(川崎フロンターレ)の系譜を受け継ぐ“ドリブルが武器のボランチ”玄をはじめ、点取り屋のFW持山匡佑(3年)、縦と緩急というタイプの違う両サイドハーフの川谷と髙橋隆大(3年)、高さと攻撃力に秀でる188センチのDF伊東、ビッグセーバーのGK生嶋健太郎(3年)ら戦力は2年前以上とも言える。

 この二つの世代が共通してたどっている道がある。それは“裏選手権”こと『NEW BALANCE CUP』で優勝していることだ。2年前の世代は2019年1月、選手権予選敗退校によって争われた“裏選手権”決勝で日大藤沢(神奈川)を4-1で圧倒。新シーズンへの弾みをつけた。

 そして、今年1月に開催された“裏選手権”でも、静岡学園は帝京(東京)との決勝を川谷とMF松永颯汰(3年)のゴールで勝利して2年ぶりの優勝を果たしている。その試合後、伊東は「100回大会となる選手権でもう一回優勝したい」と語り、川谷は「ここから新人戦、インターハイ、選手権全部取って、静岡で絶対に3冠して、全国で通用するチームになれるように頑張りたい」と意気込みを口にしていた。

 川谷の言葉通りに今年、静岡学園は同校史上初めて新人戦、インターハイ、選手権の静岡3冠を達成。インターハイの全国大会こそ準決勝で青森山田に敗れたものの、プリンスリーグ東海で優勝し、プレミアリーグ昇格も果たすなど、ここまでの戦績は2年前を上回っている。

 2年前のチームは、主軸にケガ人が出たこともあり、秋から冬にかけて選手たちの自覚が大きく向上。意識を高く持って日常を過ごし成長を加速させ、選手権で逆境を乗り越える力を示してみせた。そして今年のチームも、同じように意識の高い世代だ。予選決勝は、川口監督が「外から見ていて、こんなに走った選手たちはあまり見たことがないと感じた」と話すほど走り続けて勝利を求め、攻守に会心の内容で勝ち切った。静岡3冠達成後も羽目を外す姿は見られず、すぐに切り替えてリスタート。今年は“表”の選手権での優勝を目指す。

取材・文=吉田太郎



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