2012.11.07

好調の理由を語るファルカオ「どんな形でも勝ち点3を手にする」

ワールドサッカーキング 1115号 掲載]

インタビュー・文=ホセ・フェリックス・ディアス
翻訳・構成=高山港

 

早速だけど、序盤戦の感想から聞きたい。絶好調のようだね。

 

ファルカオ(以下F)――まずはUEFAスーパーカップがとても重要だった。僕らは全員、チェルシーに勝利したいと強く願っていたし、だからこそ最初からコンディションをそこに合わせていた。あの試合でハットトリックを決められたおかげで、僕は序盤戦を最高の状態で迎えられたんだ。

 

モチベーションが高まったということなのかな?

 

F――そう。僕は緊張感のあるゲームが好きだ。ポルトでプレーしていた時も、大きな試合で力を発揮してきた。どうやら僕は、注目されると実力以上の力を出せるみたいなんだ(笑)。

 

プレッシャーは感じないの?

 

F――全く感じない。今言ったように、緊張感がモチベーションに変わるからね。ビッグマッチになるとファンの期待が高まるのを感じる。それが一番重要なのかもしれないな。

 

チームについてはどう? 好調の理由は何だろうか。

 

F――1年前に“チョロ”(ディエゴ・シメオネ監督の愛称)が監督に就任したこと。これに尽きる。彼はどの試合でも「とことん戦え。最後の一滴まで汗を流せ」と鼓舞する。つまり、アトレティコはスペインの名門であり、みっともない戦いをしてはいけないクラブだってことをチームに理解させたんだ。

 

精神的なアプローチということだね。では、戦術的にはどんな指示を受けているんだろう?

 

F――“チョロ”の戦術は特別変わったものじゃないよ。だけど、チームが常に闘争心を強く持ち、ハードワークを怠らないことを望んでいる。ピッチに立ったら、誰であれ最大限の力を発揮しなくてはいけない。さもないと、すぐにメンバーから外される。僕らFWにしても、プレッシングをサボることは許されない。全員で攻め、全員で守る。それが“チョロ”の理想なんだ。

 

今シーズン、アトレティコ・マドリーは終了間際のゴールが多い。粘り強く戦っている証拠だよね。

 

F――その通り。最後の最後で勝負を決める勝ち方は、勝利に執着しているチームでなければできない。僕のゴールだろうが何だろうが、形はどうでもいい。大事なのは、どんな形であっても勝ち点3を手にすること。その姿勢がタイトルにつながるはずだからね。

 

君はUEFAスーパーカップのハットトリックを皮切りに、リーグ戦では出場7試合で9ゴール。好調の理由は一体何だろう?

 

F――シュートの精度が上がった。これが最大の要因かな。僕のゴールの秘訣は、とにかく枠を外さずにシュートを打ち、あとは運命の女神が振り向いてくれることを祈る。これだけなんだ(笑)。よく「ゴールは自信と運」と言われるけど、正しいと思う。自信があれば大胆にプレーできるし、運もついてくる。一瞬でも迷いがあると、シュートはうまくいかないことが多い。あとは、フリーキックの練習を増やしたことも良かったのかもしれない。レアル・ソシエダ戦(第8節。1─0で勝利)では、試合終了間際にFKを決めた。実は、あれがプロとして初めて決めたFKなんだ。

信頼関係があるかどうかで連係は変わってくる

 

アドリアン・ロペスやアルダ・トゥランはボールを持つと、まず君にボールを預けようとしているね。これはチームのコンセプトということかな。

 

F――彼らが真っ先に僕を探すのは当然だよ。僕は一番ゴールに近い位置にいるんだから。僕は彼らからパスが出ると信じて動くし、彼らは僕が動き出すと信じてパスを出す。コンビネーションというのは結局のところ、信頼関係があるかどうかだと思う。

 

君はどんなアタッカーとコンビを組んでも結果を残している。パートナーとうまくやっていくコツは?

 

F――「ファルカオのパートナー」という表現は好きじゃない。あえて言えば、アトレティコのユニフォームを着てプレーする11人は全員パートナーだと思う。僕はチームメート全員のプレーを理解しているつもりだ。アドリアンもそうだし、アルダやジエゴ・コスタとの連係にも不安はない。さっきも言った通り、最終的には信頼関係を築いているかどうか、ということが大切なんだ。

 

アドリアンはスペイン代表の将来を担う才能と言われている。君から見てどう?

 

F――彼はアトレティコに不可欠の戦力だ。まだ若いけどスペイン代表にも選ばれているし、順調に成長しているよ。近い将来、(ダビド)ビージャのようなプレーヤーになるんじゃないかな。

 

アドリアンやアルダとプレーする時は、何か約束事はあるの?

 

F――いや、特にはないけど、僕らはお互いの動きを熟知している。アドリアンは動きのバリエーションが豊富で、タッチライン際から鋭く中にカットインしてくる。だから、彼がサイドでボールを持ったら、僕は中央へのコースを空けるように動く、といった具合にね。

 

攻撃面で言うと、チームの最大の武器は何だと思う?

 

F――団結して、全員がハードワークすることがアトレティコの強みだ。何だか同じことを何度も言っている気がするけど(笑)。FWだとかDFだとか、そういう区別は全く重要じゃない。DFがボールを奪えばそこから攻撃が始まり、FWがボールを奪われればそこから守備をする。全員が意識を統一できれば、個人能力で劣るチームでも強いサッカーができるものなんだ。

 

「個人能力」ということで言えば、最近の君は個人技からのゴールもずいぶん決めている。以前は「味方に生かされるFW」というイメージだったけど。

 

F――偶然だよ。個人技がうまくいく時というのは、味方がうまくスペースを作ってくれたり、相手DFの注意を引きつけてくれたりした時。もし僕の個人技が上達しているとしたら、チームが良いサッカーをしているおかげだ。

 

ちなみに、君はヘディングもかなり得意だよね。

 

F――ヘディングのコツはたった一つ、「勇気」だけだ。これは昔DFをやっていた父に教わったことなんだけどね。僕は長身ではないけど、空中戦は得意なんだ。ゴール前にボールが上がったら、覚悟を決めて飛び込む。それが一番うまくいくんだよ。