2012.11.02

W杯初陣を飾れず、ブラジルに1-4で敗戦、カズ「もう3試合目だからと」冷静にピッチに登場

フットサル日本代表

 フットサルワールドカップが1日、タイで開幕。グループステージ突破を目指す日本代表は、大きな壁として立ちはだかるブラジルと対戦し、初戦を1ー4で落とした。三浦知良も、初めてワールドカップの舞台に立ったが、10月27日のウクライナとの親善試合のようにゴールを奪えず、日本に勝利をもたらすことはできなかった。

 「立ち上がりは選手が眠っているようで、入りが悪かった」とミゲル監督が試合後に振り返ったように、選手の動きが固く、攻め込むブラジルを相手に我慢の時間帯が続いていた。一週間前にブラジルに3ー3とした試合で活躍した逸見勝利ラファエルが警戒されていたことも、日本に悪い流れを呼ぶ原因となった。

 迎えた13分、ブラジルのコーナーキックから中央でボールを持ったヴィニシウスが右のウィルデに預けると、放たれたシュートは森岡薫に当たりゴールへと吸い込まれた。後手に回った日本は、その後も幾度となくブラジルに決定機を作られるが、守護神、川原永光の好セーブなどで前半を1点に抑え、後半に望みをつないだ。

 しかし後半開始からわずか41秒、高い位置でパスをカットしたアリがネトへとつなぐと、ネトが右足で放ったシュートが突き刺さりリードを広げられてしまう。さらに22分、左サイドのヴィニシウスから中央のアリ、そして左サイドでフリーのウィルデへとパスがつながると、ウィルデに3点目を決められてしまった。ここで日本はタイムアウト。「『リスクの高い攻撃をせず、自分たちでボールを回す時間を増やしポゼッションを高めよう』という指示が出た」(村上哲哉)と、ここで日本はグループステージ突破を目指すための戦い方を選択した。

 今大会は4チームずつの6グループに分かれて予選を戦い、各グループの上位2チームと、3位の中で上位4チームが次のラウンドへと進むことができる。そのため、この試合は“敗れるとしても少ない点差で負ける”ことが、後々重要になる。だからあえて、日本は攻撃を制限したのだ。

 しかし24分に、左サイドでヴィニシウスの突破を許すと、角度のないところから打ったのシュートは、GK川原の手からこぼれるようにゴールへと転がり込んだ。0ー4と後がなくなった日本は27分、左サイドの相手陣地の高い位置でボールを持った稲葉洸太郎が中央へと切り込み、ディフェンスのタイミングをずらして左足でシュート。これがポストに当たりながらもネットを揺らし、再び点差を3点に戻した。

 ここからブラジルは、日本が攻め込んでくることによるカウンターを狙うため、守備に重点を置いた戦い方に変えてくる。そのことで日本がボールを持つ時間が増えたが、ゴールを奪うことができない。
 そして18分、「グループリーグを勝ち抜くために、1ー4から2ー4にすることを狙った」(ミゲル監督)パワープレーを開始する。小曽戸允哉がGKに代わりピッチに投入され、最後まで1点を狙いにいったが、ミゲル監督が「少ないチャンスを生かすためのフィジカルとメンタルが残っていなかった」と、スコアを動かせずにタイムアップ。初戦を1ー4で落とした。

 ただ、敗れた日本代表だが、この結果は想定の範囲内だ。4日に行われるポルトガル戦に引き分け以上の結果を出し、7日のリビア戦に確実に勝利を収めれば、ラウンド16への進出は可能だ。選手たちも下を向くことなく、気持ちは次の試合を見据えている。「2008年のワールドカップでは初戦のブラジルに大敗し、それを引きずったまま続くロシア戦も大敗してしまったが、同じ過ちを繰り返さないように、次のポルトガル戦に向けて切り替える」(小宮山友祐)と前を向いた。

 また、この試合、大観衆の声援に見守られる中、三浦知良が4分に初めてワールドカップの舞台に立った。ただ、自身は、「(親善試合の2試合を含めて代表戦は)もう3試合目ですから、それほど大きな気持ちの変化はなかった」と、この出場を冷静に振り返った。さらに、「入ったらすぐにシュートを放とうと思っていた」と、いきなりシュートシーンを作る。そして16分には、左サイドで得意のまたぎフェイントを織り交ぜたドリブル突破を図りシュートまで持ち込んだ。日本の突破口を見出そうとする三浦のプレーは際立っていた。「逸見自身も(自分が)『警戒されている』と話していましたし、みんなもそれほど仕掛けられていなかったので、きっかけになればと思った」と、流れを引き寄せるため、自らのプレーで味方を鼓舞していた。

 ブラジル戦は敗れたが、本当に重要なのは次の試合だ。日本は現地時間で4日の19時(日本時間21時)、グループステージ突破を大きく左右するポルトガル戦を迎える。

文=本田好伸 写真=futsalgraphic L.L.C

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