あの日と同じ7月10日に。
2010年の同日、香川真司はドルトムントへと旅立った。Jリーグにおいて特別な地位を築いていたわけではない。日本代表において確固たるレギュラーを獲得していたわけでもない。
しかし、内に秘めた自信を胸にドイツへと旅立った香川、わずか2年の間に伝統あるドルトムントというクラブで“栄光”と呼ぶに相応しい歴史を築いた。
バイタルエリアにおけるボールタッチの技術は欧州でも随一と評されるまでに成長。いまや代表チームにも欠かすことのできない、文字通り日本を代表するフットボーラーとして認識されるようになった。
だが、香川が満足することはない。
香川は目的地をイングランド、マンチェスターへと変えて、日本から飛び立った。さらに成長するために。さらに高みへと到達するために。
2012年7月10日。あの日と同じ日に戦いの場所へと旅立った香川。出発前に、その決意を聞いた。
香川「開幕戦までにポジションを奪えるように」
−現在の心境は?
「自分にとってチャレンジになりますし、楽しみにしているというのが率直な感想です」
−ドルトムントのときと気持ちの違いは?
「あまり変わらない。同じ気持ちだし、チャレンジする気持ちに変わりはないです」
−期待と不安について
「今はポジティブなイメージしかない。大きなチャレンジだと思っているので、自信を持って戦っていきたい。実際、現地に着いて色々なものを感じると思いますが、今はチャレンジしたいという思いでいっぱいです」
−背番号について
「26番というのはセレッソのとき、試合に出だしたときに背負っていた番号だし、初心に帰るじゃないですけど、ここからまた自分のキャリアを築いていければと思い、その番号にしました」
−どのようにアピールしていくか
「自分の持っているものを最大限発揮したい。新加入選手ということで、プレッシャーもあると思うが、自分を信じてチャレンジしていきたい。あまり深く考えずに今の自分を出せれば良いと思います」
−ファンからの期待は大きいと思うが
「はじめというのはすごく大事だし、良いインパクトを残したい。キャンプは大事な時間になると思う。このキャンプでしっかりと仲間や監督、サポーターに自分というものを知ってもらいたい」
−意気込みについて
「大きなチャレンジになると思いますけど、サッカー選手として素晴らしい出来事だと思うので、自分の持っているものをキャンプから発揮して、開幕戦までにポジションを奪えるように準備していきたいと思います」
【浅野祐介@asasukeno】1976年生まれ。『STREET JACK』、『Men's JOKER』でファッション誌の編集を5年。その後、『WORLD SOCCER KING』の副編集長を経て、『SOCCER KING @SoccerKingJP』の編集長に就任。