[ワールドサッカーキング 2012.06.21(No.220)掲載]
21歳のマリオ・バロテッリは、新生イタリア代表を象徴する選手だ。奔放で移り気な性格が批判されるが、そのボールタッチとアイデアはイタリアの“ファンタジスタの系譜”に彼が連なることを示している。代表の一員として臨む初の大舞台を前に、彼の気合は高まるばかりだ。
イタリアを代表する自分の立場を誇りに思う
今シーズンはマンチェスター・シティーのプレミアリーグ制覇に貢献した。シーズンの自己評価はどんなもの?
バロテッリ 「合格」ってところかな。まだ若いから、長いシーズンの中で良い時期と悪い時期があるのは仕方ない。だけど、ユーロは3週間の短期決戦だ。最高の3週間にするつもりだよ。
今回はレギュラーとしての大役を任されることになりそうだ。責任重大だね。
バロテッリ 代表でプレーすることをプレッシャーだと思ったことは一度もないよ。むしろ逆で、イタリアという国家を代表するという自分の立場を誇りに思い、そして楽しんでいる。
チェーザレ・プランデッリ監督は君に大きな期待を寄せている。
バロテッリ (ロベルト)マンチーニと同様、プランデッリも俺を信頼してくれた。それを裏切りたくはない。シティーではタイトルという形で恩返しができたから、代表でもそうありたいね。
コンビを組むアントニオ・カッサーノとの呼吸もばっちりだ。
バロテッリ そう、カッサーノと俺はすごく似てるんだ。プレースタイルも性格もね。カッサーノが病気でプレーできない間、俺もかなり心配したよ。病気がどんなものかは知らなかったけど、時々電話しては「絶対に大丈夫だから頑張れよ」って励ましていた。選手としての実力は半端じゃないし、気も合うから、戻って来てくれてよかったよ。
ただ、プランデッリ監督はまだシステムとスタメンをはっきりと決めていないみたいだ。君とカッサーノが出場できるとは限らないし、2トップじゃなく3トップを採用する可能性もある。
バロテッリ 俺たちの2トップが最強だと断言することはできない。最もおしゃべりなコンビなのは間違いないけどね(笑)。大会が終わった後、「カッサーノとバロテッリのイタリア代表」って言葉でみんなに記憶してもらえていたら最高なんだけどな。でも、FWは俺たち2人だけじゃない。実力者ぞろいだよ。例えば(アントニオ)ディ・ナターレ。彼をセンターフォワードに据える3トップを採用するなら、俺は喜んでサイドに回って彼のためにチャンスメークをするよ。
もっとも、君をエースとして起用することに不安を感じている人が少なからずいることも確かだ……。
バロテッリ ここで約束してもいいよ。俺はユーロで退場しない。バカげたイエローカードをもらうこともしないよ。仲間たちを10人で戦わせるようなことはしない。むしろ、2人分の仕事をしてみんなを助けたいと思っているんだ。
素行についてプランデッリ監督から何か注意されるようなことはない?
バロテッリ プランデッリとはいつも話しているけど、「バカなことはするな」なんて言われたことはない。俺は今回のチャンスがどれだけ重要なものかを理解してるし、そのことを彼は分かっている。メディアの中には、俺をバカな悪ガキだってことにしたいヤツが少なからずいるみたいだけど、本当の俺はそうじゃない。いつも俺と接している人はちゃんと分かってくれている。
でも、一度定着してしまったイメージはそう簡単に払拭できないものだ。
バロテッリ もうちょっと信頼してくれてもいいんじゃないかな。俺自身、シティーのプレミアリーグ制覇には少なからず貢献できたと思っている。同じことを代表でやるつもりでいるんだ。もっと期待してもらいたいね。
優勝を目指す上で最大のライバルは?
バロテッリ 当然、スペイン代表が最も強いと考えるべきだろうな。でも、スペインが圧倒的な力を持っているとは思わない。優勝を狙えるチームがいくつかあって、その中の一つというだけさ。当然、俺たちイタリア代表もその中にいるよ。
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