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「純粋にサッカーがしたい」…香川真司が明かした移籍への思いと進むべき“最良の道”

[写真]=Getty Images

 木村拓哉やピエール・リトバルスキーら有名人が次々と出てくる2018年師走の羽田空港到着ロビー。彼らに続くように、香川真司も颯爽と現れた。黒のロングコートに身を包み、2つのスーツケースを押す姿からは、悲壮感は一切感じられない。約5カ月ぶりとなる帰国に、安堵感と喜びを感じているかのようだった。

 だが、本人の中には複雑な思いがあった。

「2月に(左足首の)ケガをしてからこの12月まで、ほとんど(クラブで)試合に絡めなかった。この1年はケガであったり、言うたら構想外、競争したくてもできない状況が続いた。この3カ月も体は万全なのに、なかなかそこ(競争)に加わらせてもらえないし、(起用を)考えられていないというのが非常に屈辱的だった」

 ドルトムントがルシアン・ファブレ監督率いる新体制となった今季、香川はとにかく出場機会に恵まれなかった。公式戦の出場はリーグ戦2試合、チャンピオンズリーグ1試合、DFBポカール1試合の計4試合のみ。2010年の海外挑戦以降、最悪の状況と言えるだろう。そこで目下、見据えているのが、今冬の移籍だ。帰国当日、報道陣の前で移籍市場がオープンする2019年1月から、スペイン移籍を目指していることを明言した。

「スペイン行きのために動いてきたけど、なかなか実現できていないので、必ず実現したい。ただ、そんなにうまくいくとも思っていない。これほど移籍が難しいものかと僕自身も肌で感じている。ホントに100%(スペインへ行く)とは言い切れないですけど、そこを中心に探してます。改めて自分自身がイキイキとして、より自我を強調したものに次の移籍先ではトライしたい」

2022年を見据え「試合に出続けられる」環境を

代表復帰を目指していることも新天地を求める理由の1つだ [写真]=Getty Images

 3カ月後には30歳になる。次の移籍は欧州のトップリーグで戦うラストチャンスになるかもしれない。ドイツで数々のタイトル獲得など結果を残してきた香川が、スペインで自身の納得がいく新天地を見出せる可能性は十分ある。が、仮にそこで結果を残せなければ、再び出場機会を失ってしまう。それは日本代表への復帰が叶わなくなる恐れもあるということを意味する。

 来年1月に開幕する「AFC アジアカップ UAE2019」のメンバーに招集されることはなかった。香川は「次のワールドカップまで4年あるので、十分時間はあると思ってる」と今回の招集見送りをそこまで気にしていない様子だった。が、近年の相次ぐケガや若い頃から蓄積してきた身体的負担な考えると、トップコンディションで4年後を迎えられるとも限らない。今夏のロシア・ワールドカップではベスト16進出の原動力となり、同時にベルギー戦で逆転負けを喫した悔しさも味わった。だからこそ、4年後のカタールW杯で「8強の壁を超えたい」という気持ちは誰よりも強いはず。そのためにも「試合に確実に出られる環境」を考えて、新天地を選ぶことが重要となるのではないだろうか。

「トルコのベシクタシュが香川に熱視線を送っている」、そんな噂も繰り返し報じられてきた。本人はスペイン行きを望んでいるが、トルコのような異国を選んだ方がプラスになることも考えられる。実際、長友佑都はガラタサライ(トルコ)へ移籍し、本来の輝きを取り戻した。原口元気も出場機会を求めて、ドイツ2部のデュッセルドルフへ移籍したことがある。彼らの動向を見ると、やはり、「フットボーラーは試合に出続けてこそレベルアップできる」と言えるだろう。

「2019年はワールドカップで得たものを生かして」

23日の帰国後、報道陣の取材に対応。移籍への思いを口にした

 香川も「スペイン以外に行くつもり? 僕を欲しているチームがない限り、(スペインには)行けないので、そういうことも視野には入れておかないといけないのかな…」と、移籍先決定に関してはさまざまな思惑が入り混じっているようだ。いずれにせよ、キャリアの集大成になるかもしれない未来の選択へ、あらゆる要素を入念に分析・検証し、最良の道に進んでほしい。

「この3カ月間、悔しい気持ちを常人抱えながら暮らしてきたけど、いかに自分をコントロールするかを考えてきた。ホントにネガティブな要素ばかりある中で、前向きにやっていくことも経験できた。いろんな経験値がさらいついて、それが必ず自分の糧になって数年後には成長できると思っている。とりあえず2019年はワールドカップで得たものを生かして、『純粋にサッカーがしたい』と心から感じています」

 ピッチへの渇望を強く押し出した香川がどのような変貌を遂げるのか。そこに注目しながら、移籍の動向を見守っていきたい。

文=元川悦子

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