鹿島DF植田直通 [写真]=兼子愼一郎
「これまでここに集まってくれた皆さんを長い時間待たせてしまったこと。本当に申し訳なく思っていましたし、自分が帰ってきた意味を今日やっと……。示せたと思います」。目に涙を浮かべ、言葉を詰まらせながら、植田直通は優勝インタビューに臨んだ。「鹿島が一番だ!」という絶叫は、鹿島アントラーズのファン・サポーターに感動を与えたことだろう。
迎えた明治安田J1リーグ最終節。鹿島はホームに迎えた横浜F・マリノスを撃破すれば、自力で9年ぶりのリーグ王者を射止められるところまで来ていた。前節の東京ヴェルディ戦は堅い入りを強いられたものの、三竿健斗が「リラックスして楽しめた」と言うように、全員が持てる力を遺憾なく発揮。スタートから凄まじい圧をかけ、主導権を握り、敵を凌駕した。
こうした流れの中、大一番でスタメンに抜擢された荒木遼太郎と松村優太が鋭いアタックを見せ、レオ・セアラの先制弾を演出。1−0で折り返すと、後半12分にも再び松村の折り返しからレオ・セアラが2点目を決めた。この日の横浜FMは後半45分の山根陸のフィニッシュまでシュートゼロ。それでも直後に天野純に仕留められ、鹿島は1点差に詰め寄られた。
それでも鉄壁の守備は最後まで健在だった。今季フルタイム出場の植田が確実に全員をまとめあげ、高度な意思統一を披露。タイムアップの瞬間を迎えることになった。目頭を抑えながら、鈴木優磨、三竿健斗という2016年のJ1制覇を知る生き証人たちとガッチリと抱擁。2023年の復帰以来、言い続けてきた「鹿島を優勝させる」というタスクを遂行したのである。
「男泣き? 泣くつもりはなかったんですけどね(苦笑)。このクラブにいる限り、タイトルを取り続けなきゃいけないという使命感は常に持っていました。『帰ってきたからにはタイトルを取らせなきゃいけない』とは毎年考えていたけど、本当に時間がかかってしまった。自分が『ただいま』と言える瞬間だったのかなと思います」と背番号55は心からの安堵感を吐露した。
改めて振り返ってみると、植田復帰後の3年間は決して平坦な道のりではなかった。古巣に戻った2023年はシーズン頭に昌子源、夏に柴崎岳が復帰。指揮を執ったのがレジェンド・岩政大樹監督ということで「自分は先輩についていきつつ、一緒に勝っていければいい」といった意識があったはずだ。だが、同年はシーズン途中から昌子が出られなくなり、柴崎も相次ぐ負傷。結果的に優勝を逃したことで指揮官も退任し、昌子も移籍と、植田にとっては過酷な環境が続いた。
ランコ・ポポヴィッチ監督体制に移行した2024年は、前半戦こそある程度の戦いができていたが、夏場から失速。10月に指揮官更迭という大鉈が振るわれたが、またしてもタイトルに手が届かず、守備のけん引役は重い責任を感じていたに違いない。
そして国内7冠の実績を誇る鬼木達監督が就任した今季も、ボールポゼッションを志向する戦い方にまず苦しんだ。序盤のうちに立て直せたのは良かったが、2023年途中からコンビを組んできた関川郁万が5月頭に長期離脱。新加入のキム・テヒョンと新たな関係性を急ピッチで築かなければならなくなった。「CB同士の感覚はすごく大事にしている部分。僕はとても厳しい声をテテにかけていたと思います。それでも文句一つ言わずに聞いてくれた。時には苛立つこともあったでしょうけど、その厳しい声があったからこそ、連携も取れてきたと思います」と植田は言う。
その一つの成果が総失点31というリーグ2位の数字だ。もちろん最後尾に位置するGK早川友基のスーパーな働きは見逃せないが、植田という確固たる存在がどっしりと構えていたからこそ、鹿島らしい堅守をシーズン通して貫けた。DFでありながら、警告累積もなく、2023〜25年にかけて全試合出場を果たすのは、並大抵のことではない。本人は「多少どこかを痛めても肉を食えば治る」と冗談交じりに話したことがあったが、そのタフさと強靭さにチーム全体が支えられたのだ。
そこに抜群のリーダーシップが加わったのも大きい。今季はキャプテンの柴崎岳がなかなか先発出場できず、大半の試合で植田が腕章を巻いた。「僕は副キャプテンでしたし、そんなに深くは考えていなかったけど、そういう中でも試合に出てない、メンバーに入ってない岳君がどれだけやってきたかっていうのは全員が知っていること。やっぱその姿を見てる限りはキャプテンマークを巻く自分もしっかりやらなきゃいけないなと思いましたね」と柴崎に報いたいという気持ちを胸に秘め、戦い抜いたことを明かす。
まさに名実ともにMVP級の働きを示した植田。本物のMVPは11日のJリーグアウォーズで明らかになるが、最有力候補の一人であることは間違いない。今年は31歳の闘志あふれる男に取らせてもいいのではないか。
「やっと小笠原満男さんたちの領域に? いえいえ、まだまだあと10個くらい取らないと全然敵わないので」と偉大な先人の背中を追いかけ続ける覚悟も示した植田。真の“常勝軍団復活”は植田にかかっていると言っても過言ではないだけに、さらなる飛躍を貪欲に追い求めてほしいものである。
取材・文=元川悦子
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By 元川悦子


