磐田戦で2得点の活躍だったピエロス・ソティリウ [写真]=J.LEAGUE
最前線で攻守にわたって体を張り続け、ハードワークの中でも虎視眈々とゴールを狙う。ピエロス・ソティリウはいつもチームために全力だ。
サンフレッチェ広島は6月1日、明治安田J1リーグ第17節でジュビロ磐田と対戦し、2-0で勝利。ソティリウが2ゴールを決めて約2か月ぶりのホーム白星に導いた。
ソティリウは磐田戦までにリーグ戦9試合に出場。ケガの影響もあった中で、得点はPKでの1点に留まっていた。なかなか持ち前の得点能力を発揮できていなかったものの、広島のアグレッシブなスタイルに欠かせない攻守に献身的なプレーは常にピッチで見せてきた。
磐田戦でも前線で体を張ってボールをつなぎ、ひたすらボールを追い回して相手に圧力をかけ続けた。28分には相手のカウンターが始まると、最前線にいたはずの背番号20が自陣まで走り込んで相手の攻撃の芽を摘む。37分にはFW大橋祐紀とのパス交換で攻撃をつなぎ、すぐさま相手DFとポジションの駆け引きをしながらゴール前に飛び込む。だが、東のアーリークロスとは噛み合わず、悔しそうにユニフォームをまくり上げで頭を覆っていた。
それでも、直後にその悔しさが晴れた。38分、MF松本泰志が高い位置で相手からボールをカットすると、ペナルティエリア前でこぼれ球を予測していたソティリウが反応。「自分の足元にボールが転がってきて、何も考えず、あのコースに決めるだけだった」。迷いなくダイレクトで右足を振り抜くと、GK川島永嗣も手の届かないゴール右下隅に狙い通りのシュートを突き刺した。
広島はコンパクトに守る相手に苦戦していたが、その流れを変える一撃だった。ソティリウは、「前半はチームとしていいプレーができていなかった。ただ、ワンチャンスをモノにしたことで、後半はしっかり自信を持って入れたし、チームとして落ち着きを取り戻せた」と振り返った。
すると、後半に入って60分、左サイドのMF東俊希から鋭いクロスが入り、ソティリウはタイミングよくニアに飛び出してボールを後方にスルー。これは相手DFに阻まれたが、広島の波状攻撃が始まると、ストライカーはすぐにポジションを取り直してゴール前中央で待ち構える。そこに東のピンポイントクロスが入ってきた。
「ピエロスと試合前に『俺がアシストするからゴールを決めて』って軽く話をしていて、お互いに意識し合っていた」と東が明かす。
「あの空間に(ピエロスが)いるのはわかっていたし、川島さんはあまり前に出てくるGKではないなとゲームを通して感じていた。自分はフリーだったので、いいボールをあげるのがマストだった。前半は思うようなボールが蹴れなくて全然ダメだったので、試合の中で1本でも得点につながるシーンを作りたいと思っていた。めげずにクロスを上げてよかったです」(東)
仲間の気持ちがこもったボールが来ると、相手DFを振り切ったピエロスが頭で叩き込んで追加点。「シュンキからのクロスがパーフェクトだったし、そのおかげで自分もいいヘディングができた。練習でもかなりシュンキとやりこんでいたので、ポジショニングもお互いにわかっていた。その練習の成果が試合で出てよかった」と爽やかな笑顔を見せた。
ゴール前で活きるシーンを作れれば、あとはストライカーが決めてくれる。東は「ピエロスはクロスを活かしてくれる身体能力を持っているし、無理な体勢でも枠に持っていく力があるので信頼している」と話し、ミヒャエル・スキッベ監督も「彼のシュートの才能に関して疑うものはない。今日の1点目のようなコントロールシュートもあれば、2点目のようなヘディングシュートもある。ゴール前でのストライカーの才能が彼には十分ある」と絶大な信頼を口にした。
攻守でのハードワークと2ゴール。チームに大きな貢献をして、90分にピッチを後にした。交代直前には足がつったような仕草を見せていたが、プレーが続いているのを見れば、すぐに動き出す。ソティリウは最後まで全力でチームのために戦った。
「常にチームのためにと思ってプレーしているし、今日に関して言えば、ゴールを決められたので自信がついて気持ちよくプレーできた。でも、常に言っているけど、一番大事なのはチームワーク。そこに尽きると思う」
広島は6月の9連戦を白星でスタートした。厳しい過密日程を乗り越えるにはチームワークが欠かせない。2ゴールで自信を得たストライカーは、さらに得点を量産してチームに貢献する構えだ。ソティリウは「もっとゴールを取って、もっと勝利したい」と引き締まった表情で意気込んだ。
取材・文=湊昂大
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By 湊昂大

