徳島ヴォルティスは22日、ベニャート・ラバイン監督の退任を発表 [写真]=兼子愼一郎
徳島ヴォルティスは22日、21日付でベニャート・ラバイン監督及びアイトールフィジカルコーチとの契約を解除したことを発表した。なお後任には、吉田達磨氏が就任することを併せて伝えている。
1987年10月11日生まれのラバイン氏は現在35歳。4年に渡ってレアル・ソシエダの分析担当コーチを務めるなど、ラ・リーガの複数クラブで指導者キャリアを積み重ねてきた同氏は、2023年に徳島ヴォルティスの監督に就任。FW柿谷曜一朗を筆頭に国内屈指の技巧派タイプを揃え、スペイン流のスタイルでJ1昇格を掲げていた。しかしシーズン序盤戦から躓き、初勝利は第12節までお預け。その後は好転の兆しを見せていたものの、第21節以降は再び白星から遠ざり、J3リーグ降格圏に転落していた。
20日に行われた第31節レノファ山口FC戦で勝利し、降格圏を脱出した徳島ヴォルティス。しかし、契約解除により退任が決定したラバイン監督は、クラブ公式サイトで胸中を明かしている。
「徳島で新たなステージへの挑戦を始めると決めた9カ月前には、私たちがこのような経験をするとは本当に想像していませんでした。私は自分が何者であるかを考えここに来ました。そして、自分が何者であるかを知ってここを去ります。監督として。新たなチャレンジの中で、私は唯一の価値観を持った『徳島ヴォルティス』という理想的なクラブを見つけました。ヴォルティスという特別なクラブを、他のクラブとは違う唯一のクラブにするために、クラブのスタッフは日々懸命に働いてくれました。そして何よりも素晴らしいと感じたのは選手達です。彼らは言い訳せずに真っ直ぐ前を向いて、状況をありのままに受け入れていました。その苦しさから目を背けることなく、チームや自分たちの改善、成長を成し遂げるために、あらゆる逆境を乗り越えようとしてくれました」
「『徳島ヴォルティス』は素晴らしく誠実で、日々ハードワークできるグループでした。あなたたちが私の誇りです。この感情は私の心に永遠にあるものです。あなたたちより優れた選手は他にいませんでした。最後に、徳島の人々、多くのファミリー、街の中でさえも私たち家族に対して優しく接してくれた子どもたち、そしてホームゲームでもアウェイゲームでも、スタジアムで最高の応援で私たちを後押ししてくれたファン・サポーターの皆さんに大きな感謝をします。徳島での日々の中で、私の家族は全くの異なる文化と出会うことができました。素晴らしい国での素晴らしい経験のすべてに感謝しています。みなさんがくれたものはいつまでも私たちの心に残ります。ありがとうございました」
後任として就任するのは吉田達磨氏。昨シーズンはヴァンフォーレ甲府を率いると、天皇杯ではJ1勢にジャイアントキリングを連発し、クラブ史上初となる同大会優勝に導いていた。吉田新監督は、クラブ公式サイトで意気込みを示している。
「徳島の皆様、また徳島ヴォルティスを応援してくださっている皆様、監督に就任いたしました吉田達磨です。残り11試合、まずは全力で残留を勝ち取りに向かいます。皆様と団結をし最後まで闘い抜きましょう。どうぞよろしくお願いいたします」
また、徳島ヴォルティスの岸田一宏代表取締役社長は、以下のようにコメントを残している。
「この度、トップチーム監督であるベニャート ラバイン監督を契約解除することとなりました。J1昇格を目指して今シーズン戦ってまいりましたが、31試合を終えて6勝15分10敗の勝点33の19位。現在の成績を踏まえて、クラブとしてこの現状を変え、進んでいくために今回の決断をしました。後任には吉田 達磨監督にお願いをしました。吉田監督の志向するサッカースタイルが徳島のスタイルに近いこと、2022シーズンの天皇杯で甲府を優勝に導いたことなどから総合的に判断しました。シーズン途中での監督交代になり、ご心配をおかけして申し訳ありません。リーグ戦残り11試合、この状況を乗り越えるためにも、引き続き皆様のアツい応援よろしくお願い申し上げます」
By サッカーキング編集部
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