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【ライターコラムfrom川崎】激戦区のボランチで勝負する下田北斗、リーグ戦出場で得た収穫と課題は?

今季、湘南から川崎に加入した下田 ©︎J.LEAGUE PHOTOS

 今季、川崎フロンターレにやってきた下田北斗にとって、第26節のコンサドーレ札幌戦が移籍後のリーグ戦初先発となった。

 7点を奪って大勝したゲームだったが、彼の持ち味の一つであるボール奪取力を見せたのは、3点目の場面だった。前線の選手が入れる「守備のスイッチ」に反応し、そのプレッシャーに連動。「あそこはもう(パスが)出そうだなと思ったので、思いっきり行きました」と狙い通りの見事な「ボール狩り」で奪い取ると、そのままショートカウンターにつなげて、阿部浩之のゴールを呼び込んだ。そして後半には自らゴール前に顔出して得点も記録。Gゾーンにいるサポーターに飛び込んで喜びを爆発させた。

 上々の結果ではあったが、試合後は本人も課題を口にしており、チームに完全にフィットしているとは言い難い出来だった。

 川崎のスタメンでプレーする時に苦労するのは、ときに独特のリズムを奏でるパスワークに入っていけるかどうかである。中盤の選手は特に顕著で、中村憲剛と大島僚太というリーグ屈指の技巧派、そしてサイドにいる阿部浩之と家長昭博と、実力者がいる中盤のセッションに違和感なく入るには、技術と感覚を研ぎ澄まさなくてはいけない。

 ただプレーし続けることができれば、フィットしていく選手も多い。続く名古屋グランパス戦では、中盤で違和感のないプレーを見せた。ボールを運ぶプレーや、前につけるパス、さらに彼の武器である走力も存分に発揮。下田がチームに「入ってきている」ことに関しては、鬼木監督も一定以上の評価を下していた。

「札幌戦よりも間違いなく良くなっている。得点をしているのでフォーカスされるが、名古屋戦のほうがボールをつなぐところをつないで、カバーするところを埋めて、前にも後ろにも守備をやっていた。最後まで(体力が)続いたこともよかった」

 チームのスタイルにフィットしながら、徐々に自分の武器である豊富な運動量と精度の高いミドルシュートも出していく。名古屋戦での走行距離は、チーム1位となる11.407キロを記録。広大なエリアをカバーする運動量、そして攻撃のサポートに顔を出す献身性は、チームにまた新しいアクセントを生み出している。

 例えば、下田のことを大学時代からよく知るのが車屋紳太郎だ。攻撃参加が多い車屋紳太郎は、攻守両面での下田のハードワークぶりを高く評価している。

「運動量がすごくあるし、どこにでも顔を出してくれる。チームのために走ってくれる選手。苦しい時でも顔を出してくれる。あれだけ走り回ってくれる分、自分が上がる回数も多くなる。パスも出してくれる選手なので、出てくるのを信じて走れますね」

 そして9月26日には、第18節の延期分となった湘南ベルマーレ戦にもスタメン出場。下田にとっては、古巣との一戦である。

「湘南は自分が前にいたし、お世話になったチーム。公式戦の真剣勝負でやれる機会もなかなかない。楽しみながらというのもあるが、試合に勝つのが大事」

 感謝の言葉を述べながらも、気合は十分だった。ただ試合はあいにくの大雨。得意のミドルレンジのパスやセットプレーのボールも、強風の影響を受けて、思うように届かない。さらに中盤での厳しいプレッシングや、激しいセカンドボール争いにてこずり、見せ場を作ることはできなかった。攻撃面で貢献できなかったことを悔やむ。

「まだ前を向けるところ、逆に見なくてはいけないところはたくさんあった。より、ああいう固められた時の隙を逃してはいけなかった。あとは押し込んだ時、動きを作ってやりたかったですね」

 試合は0-0のスコアレスドロー。試合後にも述べたのは、反省の言葉だ。

「個人としては古巣だったので勝ちたかった。得点も取れなかったので、悔しい思いもある。湘南は、自分が所属していた時と変わらず、運動量があって前に前に来る。成長した姿を見せたかったですが、なかなかうまくいかず、悔しい思いもあります。自分が出ている時間にもっとチャンスを作りたかったですが、個人としても課題が出ました」

 ケガで離脱していた日本代表・守田英正が練習に部分合流を果たしており、ボランチのポジション争いは激戦区だ。再び巡ってくるチャンスを生かすために、下田北斗は自分の武器を磨き続ける。

文=いしかわごう

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