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【インタビュー】フォルラン「ブラジル行きというプランはずっと以前からあった」

2012.09.15

ワールドサッカーキング 0920号掲載]
ウルグアイのエースにしてヨーロッパ屈指の点取り屋であったディエゴ・フォルランはこの夏、インテルナシオナウへと新天地を求めた。ブラジルという意外な選択について彼が語った。

ディエゴ・フォルラン
インタビュー・文=マルクス・アウヴェス

 シーズン真っ盛りのブラジルに来て、すぐにその得点能力とカリスマ性を発揮しているディエゴ・フォルラン。ヨーロッパカップ戦を舞台にした成功もセリエAでの不振も彼にとっては既に過去のこと。2014年のワールドカップという未来を見据えながら、彼は“今”を生きている。

ブラジル行きというプランはずっと以前からあった

ブラジルリーグに参戦したのは君だけじゃない。クラレンス・セードルフも同時期にブラジルにやって来たし、ブラジル人のビッグネームが多数帰国してプレーしている。ブラジルでは今、何が起こっているのだろうか?

フォルラン 僕が最初ではないのは確かだし、僕が最後になることもないだろう。ブラジルサッカーは良い時期にある。ブラジル人選手がベテランになって戻って来るケースにしても、以前より戻る時期がずっと早くなっている。言うまでもないけど、それはブラジルのサッカーとファンにとって良いことだ。これは経済の好調もあるし、2年後にW杯を開催することの影響もある。

ブラジルサッカーの魅力を一言で説明するとしたら?

フォルラン この国には、強力なチームによるクラシコが10以上ある。そんな状況が他国にあるかい?

インテルナシオナウの新監督であるフェルナンドンは、「フォルランはあまり戦術的でない我々のサッカーに慣れつつある」と言っていた。ブラジルサッカーは、君が以前に経験してきたものとどれくらい異なるものなの?

フォルラン それを説明するのは難しいね。僕はまだその違いを見つけ出し、適応しなければならない段階にある。僕は多くの国でプレーしてきたけど、ブラジルと比べたらすべて似たようなものだった。ここのサッカーは特別だ。スペインよりピッチが広いけど、試合展開は多少似ているかな。でも、すべては監督次第だ。多様性に富んだリーグだと言えると思う。

この夏の決断について説明してもらえるかな。まずはインテルを1年で退団したことについて。

フォルラン 何も隠すことはない。インテルとの契約を尊重するつもりだったが、話し合いの結果、契約を解消することがお互いに最善であると判断したんだ。僕は一つのクラブで長くプレーするタイプだし、結果を残せないままインテルを去ることになったのを残念に思っている。それでも、インテルでの1年を悔やんではいない。セリエAでのプレーは夢だったからね。それに、あのクラブには素晴らしい人たちがいて、とても良くしてくれたよ。

新天地にブラジルを選択したことも驚きだった。

フォルラン ブラジル行きというプランはずっと以前からあった。父が現役時代をサンパウロで過ごしていたことは知っているよね。だからブラジルは僕と家族にとって特別な国なんだ。遅かれ早かれ、ブラジルでプレーする可能性は常にあった。ヨーロッパで長く過ごした後、故郷の近くでプレーするには適切な時期でもあった。そこに、インテルナシオナウからとても良いオファーが届いたんだ。

ヨーロッパでのキャリアをスタートさせたのはマンチェスター・ユナイテッドだった。あのクラブで成功を収められなかった理由は何だろう?

フォルラン 3年間で約60試合に出場し、10得点を挙げた。得点数が物足りないと言いたいんだろうけど、重要な点を見落としているよ。僕は途中出場が多くて、10分しかプレーしていない試合も多い。これは僕のレベルが低かったわけじゃなくて、そういう役割をチーム内で担っていたからさ。だから批判されたとしても、まともに受け止めはしなかった。ユナイテッドで得た素晴らしい経験が、その後のキャリアを大きく助けてくれたんだ。

ビジャレアル加入以後、君はどこに行っても常にエースストライカーとしての重責を担っていた。プレッシャーに負けない秘ひ訣けつはあるのだろうか?

フォルラン それぞれの方法で対処するしかないね。どこに移籍しても、外国人選手である限りは期待され、それに応えなきゃいけない。すべての試合で勝たなきゃならないというプレッシャーがあったよ。でも、それは受け止めるしかない。ウルグアイでプレーしない限り、どこに行っても外国人選手なんだからね。今では「ヨーロッパでの10年間や南アフリカW杯でのフォルラン」でなければならないというプレッシャーがある。でも、問題はないよ。僕は重要な選手でありたいからね。

ロンドン・オリンピックでのウルグアイ代表はグループステージ敗退を喫した。W杯に向けて軌道修正が必要だね。

フォルラン いや、W杯予選を戦うA代表に直接の影響はないよ。五輪でメダルを獲得するというプロジェクトには長く取り組んできたから、早期敗退という結果は残念だ。それでも、メダルが獲得できなくても成果はあった。若手の成長はA代表にも有益だよ。

南アフリカW杯では君やルイス・スアレス、エディンソン・カバーニがそろってプレーしたから結果を残せた。主力が欠けると厳しいとは思わない?

フォルラン コパ・アメリカの優勝を忘れてもらっちゃ困るよ。今回のW杯予選でも良い位置にいる。ブラジルW杯に向かって順調に進んでいるよ。

2014年のW杯では、君がウルグアイのサッカー大使としての役割を担うことになるんだろうね。

フォルラン もちろんさ。でも、現時点で本大会のことはほとんど考えていない。まずは予選を突破し、出場権を得ることに集中するよ。

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