2012.10.15

【インタビュー】パストーレ(パリSG)「一流選手をそろえただけで勝てるほどサッカーは甘くない 」

ワールドサッカーキング 1018号掲載]
パリ・サンジェルマンの進撃がいよいよ始まった。その中核で攻撃陣を操るのがハビエル・パストーレだ。勝利を義務づけられた集団の中で、パストーレは自らの使命を確かに自覚している。
ハビエル・パストーレ
インタビュー・文=ミシェル・デスラック 翻訳=石橋 佳奈

 昨夏、チームに加わったハビエル・パストーレが早くもパリ・サンジェルマンの顔になりつつある。リーグ開幕当初から、ズラタン・イブラヒモヴィッチ、エセキエル・ラベッシといった新加入のアタッカーに一歩も引けを取らないプレーを見せ、持ち前のドリブルとパスは着実にレベルアップ。パストーレが調子を上げるにつれ、チームは確実に勝ち点3を積み上げられるようになってきた。

 注目を集めたチャンピオンズリーグのグループステージ第1節では、今シーズンの活躍を予感させるプレーを披露した。再三にわたりディナモ・キエフのゴール前に飛び込む積極的なプレーを見せ、試合終了直前には待望のゴールをマーク。強力な攻撃陣を擁するチーム内での存在感を改めて誇示するように、自慢のスキルを見せつけた。

 世界制覇のプロジェクトを掲げるパリSGにあって、まだ23歳のアルゼンチン人は今後、どのような進化を見せるのか。リーグ制覇のみならず、CLでの好成績も期待される中、チームのキーマンがインタビューに答えてくれた。

一流選手をそろえただけで勝てるほどサッカーは甘くない

昨夏、君は4200万ユーロ(約42億円)の移籍金でパリSGに加入した。ここまで、その金額に見合った活躍ができていると思う?

パストーレ 僕はこのテーマにずっと悩まされるんだろう。すっかり「パストーレ=高額移籍金」が定着してしまったからね。こういう質問には、一体どう応えていいのか分からないよ。そもそも金額を決めたのはクラブだしね。ただ、この夏に僕以上の移籍金でチアーゴ(シウヴァ)がやって来たし、ズラタン(イブラヒモヴィッチ)は驚くほど高額の年俸で契約に合意した。彼ら2人のおかげでメディアは大騒ぎだったんだ。ようやく僕は静かに過ごせるようになったよ(笑)。

1400万ユーロ(約14億円)もの年俸を受け取ることになったイブラヒモヴィッチについて、君はどう感じている?

パストーレ ズラタンはこれまでプロとして結果を残し続けてきた。しかも彼が在籍したクラブのほとんどが、タイトルを勝ち取っている。その実績を踏まえれば、あれだけの年俸を受け取るのは当たり前のことだと思う。

ここからはチームについて聞きたい。カルロ・アンチェロッティ監督がチームにもたらしたものとは何?

パストーレ まず、僕らにはグループとしての自信が備わった。アンチェロッティは勝つために何をすべきか分かっている監督だ。だから、選手は安心して彼が指示する通り実行に移すのさ。それに彼は、選手のやる気を引き出す能力にも長けている。僕らはいつも「引き分けなんか狙うな。試合は絶対に勝て」と言われている。アンチェロッティのおかげで僕らが試合に挑む姿勢は確実に変化したよ。

だけど、昨シーズンのパリSGはアンチェロッティが途中就任してもリーグ・アン制覇に手が届かなかった。その原因は何だったと思う?

パストーレ 僕らはリーグ中盤戦で不振に陥り、そこから立ち直るのに時間が掛かってしまった。チームとしてまとまりを欠いていたからスランプが長引いてしまったんだ。昨シーズンはカタールの王族がクラブのパトロンについたことで9人の新戦力が加わった。更に監督交代があって、チームとして結束するのはなかなか難しかったと思う。まだまだ未熟なチームだったのに「すぐに結果を残せ」というのは無理な話だよ。片やリーグ制覇を成し遂げたモンペリエは、中長期的なプロジェクトの下でチームが成熟していて、結果的に結束力で勝る彼らに最後の最後で引き離された。一流選手をそろえただけで勝てるほどサッカーは甘くないってことを、僕らは改めて思い知らされたんだ。シーズン途中から指揮を執ったアンチェロッティにはできることが非常に限られていたと言えるね。