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【独占インタビュー】ベン・メイブリー氏が独自の『海外toto』攻略法を伝授「ロジックだけでなく、直感や遊び心も交えるべし」

2016.01.30

2015年11月に販売がスタートした『海外toto』。新たにブンデスリーガやプレミアリーグが対象となったこともあり、販売開始から2カ月が経過した今も、海外サッカーファンを中心に大きな盛り上がりを見せている。サッカーくじ予想サイト『totoONE』では、国内外のサッカー事情に精通し、自身も一ファンとして『toto』を楽しむベン・メイブリー氏を取材。対象リーグの分析や後半戦展望を含め、『海外toto』攻略のカギについて語ってもらった。

『海外toto』をやり始めて1週間で自信をなくした(笑)

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[写真]=野口岳彦

――2015年11月から、海外サッカーを対象とした『海外toto』の販売がスタートしました。率直な感想を教えてください。

ベン・メイブリー 『海外toto』が販売されると聞いた時は、すごく嬉しかったですね。以前から、国内サッカー対象の『toto』に興味があったのですが、プレミアリーグの解説をはじめ、仕事の関係でJリーグの試合を見る機会が減ってきてしまっていたんです。僕はやり始めると止まらなくなってしまうタイプで、『Jリーグtoto』を本気で楽しむには時間が足りないことから、購入を控えていたんですよ(笑)。その点、『海外toto』は個人的に見る機会が多い海外サッカーが対象ということで、僕にぴったりのサッカーくじ。現在は『Foot!』(J SPORTS)の『Foototo!』という予想企画だけでなく、プライベートでも楽しませてもらっています。プレミアリーグの中継が終わったタイミングで、対象カードの試合結果をスマートフォンで確認し、一喜一憂していますよ(笑)。

――『Jリーグtoto』と『海外toto』は、どういった違いがあるのでしょうか?

ベン・メイブリー 販売当初は、「各クラブの実力が拮抗しているJリーグに比べ、各国に“強豪”と言われるクラブが存在する海外サッカーの方が予想しやすいのではないか」という声が多く聞かれていましたが、新たに対象となったブンデスリーガとプレミアリーグは、ヨーロッパの中でも最も予想が難しいリーグだと思っています。現在のブンデスリーガでチーム力が抜きん出ているのはバイエルンだけですし、プレミアリーグに至ってはどのチームが勝ってもおかしくないほどの混戦模様。難易度に関して、大きな違いはないと思いますね。

――実際に『海外toto』を予想してみていかがでしたか?

ベン・メイブリー 最初は「簡単に当たるんじゃないか」という甘い気持ちでやり始めたんですが、『toto』という現実にぶつかり、たった1週間で自信をなくしました(笑)。僕は対戦成績をはじめとするデータを重視し、ロジカルな予想をしていくタイプですが、論理ばかりに頼ると、いわゆる“波乱”に対応できない。ノーウィッチがマンチェスター・Uに勝つなんて、データだけでは予想できないじゃないですか。ですから、当せんを引き寄せるには直感というか、ちょっとした遊び心も必要になってくるのかなと。『toto』の場合、少なくとも2、3カードは投票率どおりの結果にならないですしね。「最近のマンチェスター・Uは勝負弱い印象がある」とか、「チーム力では劣るが、今シーズンのウェストハムはアップセットが多い」など、少しでも引っ掛かる部分があるのなら、思い切って予想に反映した方が良いと思います。高額当せんを狙うのであれば、投票率に反した予想も必要となってきますし、仮に的中すれば「言ったとおりだろう?」と友達に自慢することもできますから(笑)。

――『海外toto』の販売開始から約2カ月が経ちましたが、ご自身の実績はどうでしょうか?

ベン・メイブリー 先日行われた『mini toto』で、初めて当せんを果たしました。残念ながら、高額配当ではありませんでしたが、予想が的中した時は素直に嬉しかったですし、何よりホッとしました。外してばかりいると、「ベンが予想している意味がないじゃないか!」とか、いろいろ言われてしまうので(笑)。

イギリス国民全員がレスターの快進撃を喜んでいる

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――『海外toto』の対象となっているブンデスリーガ、プレミアリーグは、後半戦に突入しました。それぞれのリーグについて、今シーズンの印象を教えてください。

ベン・メイブリー ブンデスリーガは、ヨーロッパの中で最もJリーグに近いリーグであるように思います。シーズンが終わるまで、最終的な順位表が全く想像できませんから。もちろん、バイエルンを除いてですけどね(笑)。昨シーズンはドルトムントが降格圏に沈んでいた時期もありましたし、今シーズンは残留争いに加わると予想されていたヘルタや、“古豪”ボルシアMGがリーグ戦を盛り上げています。中堅クラブの台頭や多くの日本人選手がプレーしていることも含め、今シーズンは特に注目するポイントが多い印象です。

――プレミアリーグはいかがでしょうか?

ベン・メイブリー 1992年の創立以来、今シーズンは最もめちゃくちゃなシーズンと言っても過言ではありません。皆さんもご存知のとおり、ディフェンディングチャンピオンのチェルシーが残留も危うい位置にいますからね(1月22日時点で降格圏18位と勝ち点4差の14位)。監督交代を機に、チーム状態が上向きつつあるとはいえ、リーグ王者が下位に沈むなんて今まで聞いたことがないですよ。僕自身、シーズン前に優勝候補の筆頭に挙げていたぐらいです。

――チェルシーの大不振に加え、今シーズンは中堅クラブの躍進も見逃せません。史上稀に見る大混戦の理由は何だと思いますか?

ベン・メイブリー 背景には、中堅、下位クラブのチームレベルの向上があります。もちろん、今なお強豪クラブは存在しますが、昔ほどの大きな差はありません。ヨーロッパの他リーグに比べ、プレミアリーグは中位以下のクラブもある程度の資金力を備えており、各国代表クラスのプレーヤーを獲得することも可能ですから、強豪クラブとも十分に渡り合うことができます。

――中堅クラブでは、レスターが序盤戦から好調を維持しています。

ベン・メイブリー レスターの大躍進は、もしかするとプレミアリーグが始まってから最も嬉しい出来事かもしれません。昨シーズンの3月まで最下位に沈んでいた中堅クラブが、トップ4だけではなく、優勝を目指せる位置にいるんですからね。また、「攻撃にこだわり、リードしていても追加点を狙いにいく」という積極的なスタイルはイギリス人好みですし、国民全員が彼らの快進撃を喜んでいますよ。

――また、今シーズンはブンデスリーガ、プレミアリーグともに昇格組の健闘ぶりも目立ちます。

ベン・メイブリー ボーンマウスに関しては、たった7シーズン前まで4部から5部に降格しそうな位置にいたんですが、そこから3度の昇格を経て、クラブ史上初となるトップリーグ参戦を果たしました。クラブの哲学にこだわり、プレースタイルを変えなかった彼らは、負傷者の続出もあって開幕当初こそ苦戦しましたが、徐々に安定して結果を残せるようになりました。チェルシーやマンチェスター・Uから大金星を挙げるほどの好パフォーマンスを見せていますし、そういったクラブの活躍を見ることができるのは本当に嬉しいことです。

シーズンが進むに連れて、番狂わせが多くなる

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――各リーグにおける中堅クラブの活躍ぶりについてお話しいただきましたが、彼らは『toto』においても“波乱”のカギを握る重要な存在です。そもそも、番狂わせはなぜ起こるのでしょうか?

ベン・メイブリー 先ほども言ったとおり、ここ数年に関しては強豪クラブと中位以下のクラブの間にある実力差が小さくなってきたことが大きな要因です。特に、プレミアリーグでは降格圏に沈むチームが上位勢を破ることも少なくありません。また、試合スケジュールもチームのパフォーマンスに大きな影響を及ぼします。中2日、3日で試合が行われることも多々ありますし、チャンピオンズリーグやヨーロッパリーグで勝ち上がる強豪クラブほど、シーズンが進むに連れて疲労の色は濃くなっていきますから、今後はさらに番狂わせが多くなると思いますよ。

――『海外toto』での番狂わせを見極めていく上でも、今後も中位以下のクラブの動向が気になるところですが、後半戦で期待しているチームがあれば教えてください。

ベン・メイブリー ブンデスリーガで注目しているのは、ボルシアMGです。チャンピオンズリーグでは、グループステージで敗退してしまいましたが、とても魅力的なサッカーを見せてくれましたし、ブンデスリーガ全体のレベルが上がってきたという印象を受けました。昨年12月に行われた第15節で、リーグ戦3連覇中のバイエルンに快勝したのも記憶に新しいです。また、アウグスブルクにも期待しています。ここ数年で1部リーグに定着しただけでなく、ヨーロッパの舞台でも戦えるようになりましたから。

――大混戦のプレミアリーグはいかがでしょうか? 上位と下位の勝ち点差が大きく開いていないことから、各クラブが高いモチベーションを維持できているように思います。

ベン・メイブリー 最注目はストークですね。今シーズンからチームスタイルを変更したこともあって、開幕から6試合連続で勝利がなく苦しみましたが、フィットしてからは魅力的で強いチームへと変貌しました。マンチェスターの2強やチェルシーに土をつけたのも偶然ではないでしょう。うまくいかない時期があっても上位に位置していることを考慮すれば、今後はさらに順位を上げてくるはずです。また、トッテナムはチーム全体の組織力が向上して本当に強くなったと思います。昨シーズンはリーグ戦38試合で53失点を喫しましたが、今シーズンは前半戦19試合を終えた段階でわずか15失点。トビー・アルデルヴァイレルトの加入もあり、守備面が大きく改善されました。攻撃面ではハリー・ケインに頼り過ぎている印象で、彼への依存が優勝を目指す上でネックになるかもしれませんが、トップ4でシーズンを終える可能性は高いでしょうね。

『海外toto』攻略のカギは自分なりのおもしろさを見出すこと

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――ずばり、『海外toto』攻略のカギを教えてください。

ベン・メイブリー これがわかっていたら、『Foototo!』でもっと良い結果を残していると思いますよ(笑)。とにかく当せんしたいのか、それとも高額配当をつかみたいのかによっても、攻略法は変わってくると思います。ただ、totoはゲームですから、まず第一に楽しむこと。実際のところ、1等当せんを果たす確率は低いですし、「こういう結果になればおもしろい」というように、楽しさを重視して予想するのがベストです。繰り返しになりますが、ロジックだけでなく、直感や遊び心を交えるなど、自分なりのおもしろさを見出して予想してみるのも、一つの手だと思いますね。

――もし、1等当せんを果たしたら何をしたいですか?

ベン・メイブリー チェルシーのオーナーを務めるロマン・アブラモビッチのように、お金持ちになることができれば、僕の地元のクラブであるトーントンタウンのオーナーになり、チームを強くしていきたいです。現実的なところで言うと、南米を旅行してアルゼンチンやブラジルのサッカーを現地で観戦したいですね。それと……つまらないですけど、家を買おうかな。今は大阪に住んでいるのですが、東京やイギリスにも家があればいいなと。それが実現すれば、ゆっくりと試合を見ることができますし、『Foototo!』の的中率も上がることでしょう(笑)。

ベン・メイブリー 英サマセット出身。オックスフォード大学卒業後、本格的にスポーツライターとしての活動を開始。現在はサッカー解説者を務めるほか、毎週火曜日放送の『Foot!』(J SPORTS)でプレミアリーグの試合分析などを行っている。

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