ELCHE, SPAIN - JANUARY 15: Barcelona team line up prior to the start of the Copa del Rey Round of 16 Second Leg match between Elche FC and FC Barcelona at Estadio Manuel Martinez Valero on January 15, 2015 in Elche, Spain. (Photo by Manuel Queimadelos Alonso/Getty Images)

レアル・マドリードがコパ・デル・レイで早くも敗退した。5回戦で姿を消すのは2009-10シーズンに当時2部Bにいたアルコルコンに敗れて以来となる。昨シーズンの王者が早くも敗退したが、レアル・マドリードのこの敗戦を“危機”と大げさに叫ぶ者はいない。年が変わってから、リーガではバレンシアに敗れ、アトレティコ・マドリードにコパ・デル・レイで敗れた。公式戦22連勝と昨年11月からクラブワールドカップにかけて、素晴らしいプレーをしていたが、今はパフォーマンスも低調で、結果も出せていない。
しかし、何でも大げさに報じる地元メディアも含めて、“危機”という認識はない。2月からチャンピオンズリーグが再開。タイトル争いで重要な3、4月にピークに持っていくために現在はチームのフィジカルコンディションが低下しているのは明らかだからだ。クリスティアーノ・ロナウドは3度目となるバロンドールを受賞したが、シーズン序盤の得点ペースを維持できていない。新加入選手とは思えないパフォーマンスを示していたトニ・クロース、ハメス・ロドリゲスの2人もコンディションが落ちており、パフォーマンスが低調だった。唯一、元気なのはイスコくらいだ。
ライバルのアトレティコ・マドリードに敗れてプライドは傷つけられたが、マドリディスタは慌ててはいない。なぜならシーズン序盤に「歴史上最高のチーム」と評され、ついにはジョゼップ・グアルディオラが率いていたバルセロナと比較されるまでになったチームのポテンシャルを理解しているからだ。公式戦22連勝を達成したチームがシーズン終盤に大きなタイトルを手にすることを信じて疑わない。選手たちもスケジュールが楽になり、リーガ、チャンピオンズリーグに集中できるとポジティブに捉えている。
危機に直面しているのは、バルセロナだ。

リーガでアトレティコ・マドリードにリオネル・メッシ、ネイマール、ルイス・スアレスのトリデンテがそれぞれゴールを決めるなど会心の勝利をおさめた。バルセロナは前線の3人が活躍すれば、たとえば中盤がなくとも、チームがコレクティブでなくとも欧州のどこのチームにも勝利できることを実証した。ただあまりにも南米の偉才3人に依存しているが、勝利はいろんな問題にふたをしてしまう。コパ・デル・レイで財政の大きな問題を抱えているエルチェに簡単に勝利した。勝利はいろんなことをカモフラージュする。メッシもクラブの公式チャンネルでコメントし、沈静化に務めたが、翌日のバロンドール授賞式でルイス・エンリケがビデオに出てきた時の表情は、誰が見てもロッカールームでの冷戦が続いているとわかるものだった。
クラブはシーズン終了後に会長選を控えており、将来のオーナーがはっきりしていない。スポーツディレクターの後任もいまだに決まっておらず、FIFAの処分も解除されることなく、今年1年は補強ができない。
エースと指揮官の衝突、スポーツディレクターの退任など危機だったからこそ、チームはアトレティコ・マドリード戦で結束した。メッシは右サイドで配置されても役割を受け入れ、そしてディフェンスにも走った。だが、彼らは常にこのようなパフォーマンスができるのか。レアル・マドリードのように安定して高いパフォーマンスで勝利を積み重ねることができるのか。クレは疑っている。選手たちは危機にならないと力を発揮しないのではないか。
バルセロナはコパ・デル・レイですんなりと勝利したエルチェとリーガ第20節で再び対戦する。これだけ実力差があると分かった相手に、選手たちはテンションを落とさず、シリアスなプレーを示せるのか。安定した力を発揮できるのか。クレはその1戦でチームの真価を見極めようとしている。