
文/竹田聡一郎
こんな(上写真)ホスピタリティ溢れるお手製の看板が我らサポーターを迎えてくれた華城のスタジアムだったが、ザックのスタメンもなんだか牧歌的で、カメラマンが「合宿みてえだなあ」と呆れていた。
ただ、総とっかえ、個人的には比較もしやすいし賛成である。国政しかり、ポーカーしかり、閉塞や弛緩を打破するためには有効なことがまま、ある。豪州戦に関してはとにかく勝った。齋藤学、豊田陽平、大迫勇也、鈴木大輔、高橋秀人らは持ち味も出したし、何度もゴールを予感させるアタックを繰り返してくれた。
が、懸念のセンターバック問題は解消していない、というかサイドバックも人材難と言っていいのではないだろうか。ピリっとしないというか、どんよりとしていた。
スタジアムで何人かに「ザックジャパンに必要な新戦力は?」と話を聞いた。ただし、Jリーグの各クラブのサポーターは基本的にのぞいた。彼らは一様に代表デビューするおらがクラブの宝について熱く語り、というか語りすぎて(とても素晴らしいクラブ愛で、どれも興味深く力強く拝聴したけれど)代表についてとはかけ離れた論「曜一朗愛してるぅぅ」とか、を存分に展開してくれたからだ。
それでは特にグサっときたサポーターの声を聞いてほしい。できればザックに届けたいのだが……。
「っていうか、東ってどうなったの? なんだか可哀想」(大分県/20代女性/中国戦前)
「青山だと思って来たんだけれど、ちょっと期待外れだった。Jだともっとうまいんですけどね。でも(代表に)呼ばれていいプレーができないってことはそういうことなのかもしれないっすね」(大阪府/30代男性/中国戦後)
「あれだけのゴールを見せたんだから斎藤君は一度、呼ばないとダメだ。呼ばないと彼も腐ってもう伸びなくなる」(静岡県/60代男性/豪州戦ハーフタイム)
「柿谷。でも、どこで使うんだよ、という疑問はある」(千葉県/40代男性/豪州戦ハーフタイム)
「山口螢。遠藤は年齢的なもので、長谷部はクラブでボランチやってないから不安がある。どっちの代役もできそう」(埼玉県/50代男性/豪州戦終了後)
「ハーフナーを外して豊田。理由? 必要ですか?」(東京都/40代男性/豪州戦終了後)
「センターバックを探してるんだけど見つからなかったですね」(福岡県/30代男性/豪州戦終了後)
どれも含蓄深い言葉である。しかし、センターバックは本当にいない。「年齢キャリア怪我人 、問いません。条件応相談。コンバート可」という求人をもっとでっかく打たなければいけない。
予想というか希望スタメンを紹介しつつ、今回のザックB代表に偉そうに評価を与えたい。
GKは林卓人。この流れで使ってやらないわけにはいかないだろう。ただ、3番手の自覚は持ってアグレッシブにいってほしい。
そしていきなりの難題、センターバックであるが、対人もビルドアップも無難にこなしていた鈴木大輔を軸にして、相方には高橋秀人を試したい。センターバックの経験もあるし、最終ラインからのつなぎという意味では不安は少ない。森重真人も千葉大輔も決して悪くはなかった。決定的なミスパスをするなどマイナス点も存在した。ノーチャンスとはいわないが及第点では生き残れないのが今回のサバイバルである。チャンスをもらったらより強いアピールが必要だ。
サイドバックだが、右に駒野友一、左に槙野智章。もうこれは好みの問題だ。ほかの2選手(徳永悠平、森脇良太)と比べてどうとかではない。全員、パスミスはするしサイドの1対1を制したわけではない。該当者なし、にしたいくらいだ。せめて安定をもたらしてくれそう、という意味で選出した。
ボランチは高橋と山口螢を組ませるのが正着であるが、高橋を最終ラインに持っていかれると扇原貴宏とのセレッソコンビを推すことになる。ただ、これも青山敏弘の不安定さが招いた消去法の部分は否定できない。攻めを重視するなら高萩洋次郎の起用もないことはないが……。
右には工藤壮人。新生韓国のストロングポイントは左サイドだ。豪州戦ではサイドバックで新潟在籍のキム・ジスンや中盤のユンが豊富な運動量でかわるがわるアタックし、何本も中央にクロスを飛ばしていた。サイドバックとコミュニケーションをとりながらも防戦一方にならずにサイドを制圧したい。
また、後半から(80分過ぎとかではなく)齋藤学を投入したい。齋藤は中国戦で72分から途中出場したが、ゲームに入り損ねた感があった。豪州戦は自分のリズムで仕掛けることができてただけに、ジョーカーとして流れを変えることができるのか適正を確認したい。
左は原口元気と山田大記で迷うので、先にトップの話をしたい。
最前線に豊田陽平を置く。期待されていたポストプレーを豪州の屈強なディフェンスに囲まれながら大きなミスなくこなしていた。欲をいえば36分と75分の決定機をしっかり沈めたかった。とはいえ、タイプの違う相手に対してどういうプレーをできるのか観たくなる出来ではあった。
左サイドに話を戻すが、豪州戦で前述の豊田の決定機を作り出したのはいずれも山田のクロスだった。サイドのプレッシャーがほとんどなかったためか、豊田だけではなく大迫勇也、中央の扇原や高橋、後方の徳永とも過不足ない連携を見せてくれた。だからこそ、豊田をスタメンに据えるなら左サイドは原口元気でスタートしたい。原口も初戦の中国戦で、前線の柿谷曜一朗やその下の高萩らと滑らかなパス交換を繰り返していた。つまり山田にしても原口にしても違うユニットの中にいれて、アジャストやフレキシビリティ能力の有無を比較したい、と僕なら思う。
同じ意味で、トップ下には第1戦で結果を残した柿谷だ。柿谷が豊田とどういう噛み合わせを見せてくれるか。ここが韓国戦の勝敗も含め、最大の焦点かもしれない。
こんなに書いてみたが、スタメンはあっさり「中国戦と同じ」という怖い噂もある。まあ、それはそれで見所もあるのだが、いずれにしてもアウェーでもなんでも優勝に行く姿勢はしっかり示してしっかり勝って優勝してほしい。韓国は10年5月にさいたまスタジアムで日本に勝っているのに、日本はソウルで開催された日韓戦は03年4月から10年も勝ちがないらしい。
さあ、日韓戦だ。スタメン全部当たったら、なんかください。
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1979年神奈川県生まれ。同い年の小野伸二にヒールで股抜きされたことを妙な自慢としながら、フリーランスのスポーツライターとして活動。戦術やシステムを度外視した「アンチフットボールジャーナリズム宣言」をして以来、執筆依頼が激減したのが近年の悩み。著書に蹴球麦酒偏愛清貧紀行『BBB』(ビーサン!! 15万円ぽっちワールドフットボール観戦旅/講談社文庫)と、スルガ銀行のサッカーweb「I Dream」で連載中のコラムを書籍化した『日々是蹴球』(講談社)がある。
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