トップ10に名を連ねた選手たち [写真]=Getty Images
ストライカー。それはサッカーの最重要局面とも言えるゴール前で力を発揮し、チームを勝利に導く存在だ。昨今のサッカー界では、ストライカーのゴール数が、チームの成績に大きな影響を与えていると言っても過言ではない。では、2023年になってから、世界で最もゴールを奪っているストライカーは誰なのだろうか? 国際サッカー歴史統計連盟(IFFHS)が2023年の最多ゴールスコアラーを発表しているので、今回はそれを紹介しよう。
IFFHSは、世界各国のトップリーグやカップ戦、そして代表戦を対象に、誰が最もゴールを決めているのか記録を付けている。それでは早速2023年1月1日から7月末までに最もゴールを決めている選手たちを見てみよう。果たしてトップ10はどのような顔ぶれになっているのだろうか。
IFFHSの世界得点ランキングのトップ10は以下の通り。
[写真]=Getty Images
■10位:ヴィクター・オシムヘン
所属:ナポリ/ナイジェリア代表
記録:23ゴール
トップ10に入ったのはイタリアのナポリを33年ぶりのセリエA制覇に導いたナイジェリア代表FWヴィクター・オシムヘンだ。昨シーズンのセリエAで26ゴールを叩き出し得点王に輝いた24歳の点取り屋は、1月以降のリーグ戦21試合に出場し17ゴールをマーク。1月にはリーグ戦8試合連続ゴールを記録するなど驚異的な決定力を発揮した。リーグ戦以外には欧州カップ戦で4ゴールを決めたほか、ナイジェリア代表でも2ゴールを決めて7月末までに計23ゴールをマークしている。
ちなみに、先日トッテナムからバイエルンに移籍したイングランド代表FWハリー・ケインも7月末までに23ゴールを決めている。プレミアリーグで17ゴール、FAカップで1ゴール、そしてイングランド代表で5ゴールを奪った。オシムヘンと同じ23得点だが、IFFHSは国際試合(国際カップ戦+代表戦)でのゴール数を優先するため、チャンピオンズリーグ(CL)と代表戦を合わせて6ゴールを決めたオシムヘンがケインを抑えて10位にランクインした。
■9位:ガーバン・コークラン
所属:カジミア・テクニカル(ニュージーランド)/アイルランド人
記録:24ゴール
9位には、聞きなれない名前の選手が入った。ニュージーランドのカジミア・テクニカルで背番号「10」を背負うFWガーバン・コークランだ。アイルランド出身の30歳は母国でプレーした後、2017年から活躍の場をニュージーランドに移している。コークランは代表歴がないため、その点では不利だが、それでも3月に開幕したニュージーランドリーグで14試合に出場して24ゴールをマーク。実に1試合平均「1.7ゴール」という得点力を発揮しているのだ。リーグ戦だけのゴール数を見れば上半期の世界1位だが、カップ戦や代表戦に出場していないため9位に留まった。
■8位:チキーニョ
所属:ボタフォゴ/ブラジル人
記録:24ゴール
8位はボタフォゴで活躍する187㎝の大型FWチキーニョだ。ポルトガルの名門ポルトや中国の天津泰達、ギリシャのオリンピアコスなどでプレーしたチキーニョは、2022年に母国ブラジルに戻るとゴールを量産。2023年に入ってからはカンピオナート・ブラジレイロ(ブラジル全国選手権)とカンピオナート・カリオカ(リオデジャネイロ州選手権)で17ゴールを奪ったほか、コパ・スダメリカーナなどカップ戦で7ゴールを稼ぎ合計24ゴールをマークした。
ちなみにブラジルの場合は、全国選手権のほかにカンピオナート・カリオカとカンピオナート・パウリスタという地域大会もリーグ戦としてカウントされる。
■7位:ウーゴ・カイペルス
所属:ヘント/ベルギー人
記録:24ゴール
7位にはU-19ベルギー代表歴を持つヘントのFWウーゴ・カイペルスが入った。昨シーズンのジュピラー・プロ・リーグで27ゴールを叩き出し、日本代表FW上田綺世(現:フェイエノールト)を抑えて得点王に輝いた26歳は、今年に入りリーグ戦19ゴールのほか、ヨーロッパカンファレンスリーグ(ECL)で5ゴールを記録。抜群の決定力を披露しており、今夏は移籍の噂が絶えないようだ。
合計24ゴールで他2名と並んでいるが、欧州カップ戦のゴール数が優先されるためカイペルスが7位に入った。
■6位:キリアン・エムバペ
所属:パリ・サンジェルマン/フランス代表
記録:25ゴール
フランス代表の絶対的エースは、昨シーズンのリーグ・アンで29ゴールを叩き出して得点王と年間最優秀選手(MVP)に輝いた。これで2018-19シーズンから数えて5シーズン連続での得点王。リーグ・アンで5度の得点王は元アルゼンチン代表FWカルロス・ビアンチ、同FWデリオ・オニス、元フランス代表FWジャン・ピエール・パパンに次いで史上4人目の快挙だった。
2023年は7月末までにリーグ戦16ゴールのほか、国内カップ戦で4ゴールを記録。さらにフランス代表として臨んだEURO予選でも4ゴールを奪い、合計25ゴールを稼いでいる。
■5位:カリム・ベンゼマ
所属:アル・イテハド/元フランス代表
記録:25ゴール
5位には昨シーズンまでレアル・マドリードでゴールを量産していたカリム・ベンゼマがランクイン。昨シーズンのラ・リーガでは19ゴールに留まったものの、カップ戦では持ち前の決定力を遺憾なく発揮した。今年に入ってからはリーグ戦12ゴールのほか、スーペルコパ・デ・エスパーニャやコパ・デル・レイ(国王杯)、そしてCLやクラブワールドカップなどでゴールを量産。そして今オフに移籍したサウジアラビアのアル・イテハドでも既にゴールを奪っており、7月末までに合計25ゴールを叩き出している。
■4位:ゼキ・アムドゥニ
所属:バーンリー/スイス代表
記録:25ゴール
4位は今オフにプレミアリーグのバーンリーに加入したスイス代表FWゼキ・アムドゥニだ。トルコにルーツを持つ22歳のストライカーは、昨シーズンのバーゼルで大ブレイクを果たした。特にECLでは決勝トーナメントに入ってから8試合で7ゴールを奪い、チームのベスト4進出の原動力に。その活躍が認められ、スイス代表としてもレギュラーに定着し、今年3月と6月に行われたEURO予選では4試合で5ゴールと躍動した。
結局、今年は7月末までにリーグ戦で10ゴール、国内カップ戦で3ゴール、ECLで7ゴール、代表戦で5ゴールを記録。エンバペやベンゼマと並んでいるものの、国際試合で12ゴールを決めたため、世界的ストライカーを抑えてトップ4に名を連ねた。
今オフには移籍金1500万ポンド(約27億円)でバーンリーに引き抜かれ、先週末のプレミアリーグ開幕戦でデビューを飾っている。
■3位:ペドロ
所属:フラメンゴ/ブラジル代表
記録:26ゴール
トップ3に入ったのはフラメンゴに所属する26歳のブラジル代表FWペドロだ。今年に入ってからカンピオナート・カリオカで9試合9ゴールを叩き出したほか、カンピオナート・ブラジレイロでは4ゴールを記録。そして何よりカップ戦で非凡な得点力を見せつけた。コパ・リベルタドーレスで3ゴールを奪っただけでなく、2月に開催されたFIFAクラブワールドカップでは2試合で4ゴールと大活躍。チームは3位に終わったものの、ペドロは大きなインパクトを残した。合計26ゴールを奪った同選手は単独で3位にランクインしている。
■2位:ヘルマン・カノ
所属:フルミネンセ/アルゼンチン人
記録:28ゴール
2位には35歳のアルゼンチン人FWヘルマン・カノがランクインした。これまで主に中南米で活躍してきたベテランストライカーは、2022年1月に加入したブラジルのフルミネンセで驚異的な得点力を発揮している。2022年にはカンピオナート・ブラジレイロで26ゴールを叩き出して得点王に。今年に入ってからも、カンピオナート・カリオカで16ゴールを奪ったほか、コペ・リベルタドーレスのグループステージでは5試合に出場して6ゴールを記録している。2月に35歳の誕生日を迎えてからも勢いは衰えず、7月末までに28ゴールを叩き出して2位に入った。
■1位:アーリング・ハーランド
所属:マンチェスター・シティ/ノルウェー代表
記録:28ゴール
現在のサッカー界で最も得点力を誇るのはこの選手。昨シーズン、加入1年目でプレミアリーグの記録を塗り替えたマンチェスター・シティのFWアーリング・ハーランドだ。ノルウェーの“怪物”と評される23歳は、昨シーズンの公式戦53試合で52ゴールという驚異的な数字を叩き出し、プレミアリーグ得点王、欧州ゴールデンシューなどあらゆる賞を総なめにした。
2023年1月から7月までのゴール数を見ると、プレミアリーグで15得点、FAカップで3得点、CLではライプツィヒ戦の1試合5ゴールを含む7得点、そしてノルウェー代表として3得点。7月は全く稼働していないにも関わらず、2位のカノと同じ28ゴールを奪い、国際試合でのゴール数で上回って1位の座をキープしている。
果たして、今後ハーランドを追い越す選手は出てくるのか? これからも世界得点ランクに注目したい。
(記事/Footmedia)
By Footmedia