2016.07.28

ベトナム初のプロフットサルクラブ「タイソンナム」、王権誕生までの歴史とアジア制覇の野望

2016シーズンを圧倒的強さで制したベトナム王者タイソンナム
サッカー総合情報サイト

ベトナムにおいてフットサルといえば、誰しもタイソンナムを思い浮かべる。その逆もまた然り。国内では敵なしの名門クラブで、ベトナム選手権で最多5度の優勝を誇る。それだけではない。タイソンナムは、選手の大半がベトナム代表に名を連ねており、監督とコーチ陣も全員が代表チームの一員。「タイソンナム=フットサルベトナム代表」と言っても過言ではないのだ。

電気機器の輸入販売を手掛けるタイソンナム貿易会社のチャン・アイン・トゥ社長が設立したタイソンナム・フットサルクラブだが、実は2003年の会社設立より2年前には、前身となるサッカークラブが存在していたという。会社設立後は、社員のストレス発散の場として、また、会社の宣伝やイメージアップを目的とした11人制サッカーの社会人チームとして活動していたが、2005年~2006年にホーチミン市のフットサル熱が高まってきたことを受け、2007年に既存の社会人チームからフットサルクラブを独立させ、フットサルチームとしては初となるプロ化を決定。

近隣の強豪国タイから指導者を招き、選手らがフットサルの練習に注力したことで、タイソンナムはめきめきと力をつけていき、姉妹クラブであるタイソンバクと共にベトナムを代表する強豪クラブとなった。タイソンナムはこれまでに、国内選手権で2009、2012、2013.2014、2016と5度の王者に輝いており、昨年のAFCフットサルクラブ選手権では3位入賞という快挙を達成している。因みに、女子のタイソンナム8区もホーチミン市選手権を3連覇中だ。

ベトナム最強のフットサルクラブは、戦力補強にも余念がない。現在はブルーノ・ガルシア・フォルモサ監督(兼フットサルベトナム代表監督)が率いており、ウズベキスタン代表のアルトゥール・ユヌソフ選手と元スペイン代表のサウル・オルモ・カンパーニャ選手が所属。かつては、Fリーグでお馴染みのセルジオ・ガルジェッリ監督、畠山ブルノ選手、稲葉洸太郎選手が在籍していたことでも知られる。

今年2月に行われたAFCフットサル選手権2016(兼FIFAフットサルワールドカップ2016予選)の準々決勝で歴代最強と謳われた日本代表をPK戦の末に下してベスト4に進出し、ワールドカップ初出場を決めたことで、日本のファンにもベトナムフットサルの成長を知らしめることができたが、近年の躍進はタイソンナムの存在なくしては語れない。

ホーチミン市8区タイソンナム体育館

ホーチミン市8区タイソンナム体育館

タイソンナムは2012年3月にホーチミン市8区にフットサル専用練習施設(建築面積1800平方メートル)を完成。フットサルクラブが自前の練習場を持つのは、もちろんこれが初めてだった。国内初のプロチーム。初の専用練習場。ゼロからクラブを作り上げた野心的なオーナーは、クラブ強化のための投資を惜しまない。ベトナム王者の次なる目標はタイを破っての東南アジア制覇、その視線はアジアの頂点を見据えている。

(アジアサッカー研究所/佐藤)

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