アメリカ女子代表が“覇権奪還”! [写真]=Getty Images
パリオリンピック2024(パリ五輪)・女子サッカー決勝が10日に行われ、ブラジル女子代表とアメリカ女子代表が対戦した。
パリの『パルク・デ・プランス』で、女子サッカーの頂点に立つ1チームが決まる。過去に五輪とFIFAワールドカップをともに4度制したことのあるアメリカは、女子サッカー界の“絶対女王”として知られる。今大会はグループBを3戦全勝で首位通過すると、準々決勝ではなでしこジャパン(日本女子代表)と延長戦にまで突入する激闘を演じたが、延長前半アディショナルタイムにトリニティ・ロッドマンが決勝ゴールを奪い、1-0で勝利。準決勝のドイツ女子代表戦も延長戦に入ったが、1-0で白星を飾り、ロンドン五輪以来となるファイナルに駒を進めた。
一方、ブラジルは過去に銀メダルを2度獲得したことがあるほか、4位にも3度入っているが、金メダルに輝いたことはない。今大会はグループBの戦いのなかで、なでしこジャパンに劇的な形で逆転負けを喫しただけでなく、スペイン女子代表にも0-2で破れるなど、1勝2敗で3位通過となる。それでも、準々決勝で開催国のフランス女子代表を1-0で破ると、準決勝ではスペインを4-2で下し、グループステージのリベンジを達成。2008年の北京五輪以来となる決勝進出を果たした。
そんな両者が相まみえた試合は、立ち上がりの2分、ブラジルに早速チャンスが到来。ゴール前でのワンツーでルドミラがペナルティエリア内に侵入したものの、シュートはGK正面へ。16分にはブラジルが自陣からボールを繋いで攻撃を組み立てると、ボックス左のスペースでスルーパスを引き出したルドミラが見事なターンで前を向き、右足でニアサイドを射抜く。ブラジルが先手を取ったかと思われたが、オフサイドのため得点は認められなかった。
その後は一進一退の攻防戦が繰り広げられ、アメリカはマロリー・スワンソンを中心にゴールへ迫る場面を作る。それでも、試合の主導権はブラジルが握り、優位に試合を進めたが、前半45分間のうちにゴールネットが揺れることはなく、スコアレスで後半へ折り返した。
後半に入ると遂に試合の均衡が破れる。57分、ピッチ中央付近でルーズボールを拾ったコルビン・アルバートが背後のスペースへスルーパスを通すと、抜け出したスワンソンがGKとの1対1を冷静に制す。アメリカが一瞬の隙を突き、先手を取った。
1点ビハインドとなったブラジルは大黒柱のマルタをピッチへ送り出し、選手交代を実施しながら同点に追いつこうと試みるが、なかなか良い形でフィニッシュまで持ち込む場面を作れない。アメリカの1点リードで終盤に突入しても様相は大きくは変わらず。それでも、10分間のアディショナルタイムには、浮き球パスで背後をとったアドリアーナが、ヘディングシュートを狙ったが、ここはGKに阻まれた。
試合はこのままタイムアップ。この結果、アメリカが2012年のロンドン五輪以来、3大会ぶり最多5度目となる金メダルに輝いた。一方、ブラジルは悲願の初優勝まであと一歩のところで“女王”に屈し、こちらも最多となる3度目の銀メダルで大会を終えた。
【得点者】
0-1 57分 マロリー・スワンソン(アメリカ女子代表)
By サッカーキング編集部
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