2019.09.14

悲願の頂点狙うユーヴェとアトレティコ…両チームの改革の成果は?【CL/グループD】

[写真]=Getty Images
「フットボール」と「メディア」ふたつの要素を併せ持つプロフェッショナル集団を目指し集まったグループ。

 実力と経験を兼ね備えたユヴェントスとアトレティコ・マドリードがグループ突破の大本命。レヴァークーゼンが対抗馬、ロコモティフ・モスクワが大穴というのが大方の予想だろう。ただし、組み合わせ抽選会直後のUEFAクラブランキングをもとに算出したグループ平均順位は「22.75」と、全8組の中でトップ。ある程度の格差は存在するが、ハイレベルな争いが期待できるグループということだ。


 最大の見どころは、本命2チームが行った改革の成否だろう。過去6シーズンの間に2度のチャンピオンズリーグ(CL)決勝進出を果たしながら、ビッグイヤーを手に出来なかったユヴェントスとアトレティコ・マドリード。彼らは苦い経験を踏まえて“CL仕様”のチーム作りを進めてきたが、今夏は特に対照的な振る舞いを見せた。

スタメンの顔ぶれは一新したアトレティコ

ジョアン・フェリックス

クラブ史上最高額でアトレティコに加入したJ・フェリックス [写真]=Getty Images


 移籍市場で派手な動きを見せたのはアトレティコ・マドリードだ。アントワーヌ・グリーズマン、ディエゴ・ゴディン、フィリペ・ルイス、フアンフランら、ディエゴ・シメオネ政権を支えてきた重鎮たちを一気に放出。“ポルトガルの若き至宝”ジョアン・フェリックス、宿敵レアル・マドリードの下部組織で育ったマルコス・ジョレンテとマリオ・エルモソ、そして昨シーズンのCL準優勝メンバーであるキーラン・トリッピアーらを新たに迎え入れた。現場の最高責任者は就任9年目を迎えるシメオネ監督のままだが、大胆な若返りを図った結果、スタメンの顔ぶれは一新されている。

 対するユヴェントスは、やはり監督交代が最大のトピックだった。「とにかく勝つこと」にこだわったマッシミリアーノ・アッレグリ監督に代えて、「魅せて勝つこと」を信条とするマウリツィオ・サッリ監督を招聘。欧州若手No.1センターバックのマタイス・デ・リフトを獲得したことや、ジャンルイジ・ブッフォンが1年で復帰を果たしたこともビッグニュースだったが、長年培ってきた“質実剛健”のスタイルにメスを入れたことは、ユヴェントスにとって大きな勝負と言える。

 果たして、その成果はどのような形で表れるのか。最終的な結論は、国内リーグや国内カップ戦の成績を含めてシーズン終了後に判断されるべきだが、CL目線で改革を断行したのだから、グループステージの結果は大いに注目される。

 ここまでのところ、順調な歩みを見せているのはアトレティコ・マドリードの方だろう。リーガ・エスパニョーラでは唯一の3連勝スタート。1日のエイバル戦では0-2から逆転勝利を収めるなど、例年にない爆発力を見せつけた。また試合中に3バックと4バックを併用し、中盤の形も状況に応じて随時変化させるなど、戦術のバリエーションも多彩だ。チームの成熟度が高まれば、再び決勝の舞台に立つことも不可能ではない。

ユヴェントスは発展途上のままアトレティコとの開幕戦へ

近年のユヴェントスで欠かせない存在だったマンジュキッチは登録メンバー外に [写真]=Getty Images


 それに比べると、ユヴェントスはまだまだ発展途上のチームという印象だ。リーグ開幕2試合目にして実現したナポリとの大一番では土壇場で勝利をモノにし、変わらぬ勝負強さを見せつけたが、連続するショートパスで相手を攻略する“サッリ・ボール”は完成にはほど遠い。さらに主将のジョルジョ・キエッリーニが右ヒザの十字じん帯を断裂、サッリ監督も肺炎で静養を余儀なくされるなど、予想外のアクシデントにも見舞われた。そして驚きを与えたのは、FWマリオ・マンジュキッチとMFエムレ・ジャンのCL登録メンバー外。指揮官の判断によるものだが、ジャンは怒りを露わにするなど新たな火種となっている。

 新体制で迎えるCL初戦の相手はアトレティコ・マドリード。しかも、昨シーズンの決勝トーナメント1回戦で0-2の完封負けを喫した敵地『ワンダ・メトロポリターノ』での試合になる。ここでリベンジを果たすことができれば、新生ユーヴェに対するイメージはずっとポジティブなものになるだろう。逆に完敗するようなことがあれば、懐疑論が噴出しかねない。サッリ監督がどのような策をもってオープンニングゲームに臨むかは要注目だ。

 3シーズンぶりに欧州最高峰の舞台に帰ってきたレヴァークーゼンは、ドルトムントへ移籍したユリアン・ブラントの穴をどう埋めるかが、最大の焦点となる。チームはピーター・ボス監督の下、ポゼッション重視の攻撃サッカーを志向。その実力は、昨シーズンのリーグ後半戦でドルトムントと全く同じ勝ち点を叩き出したことからも証明されている。しかし、8月31日のホッフェンハイム戦はリーグ戦で8カ月ぶりの無得点に終わるなど、ブラント退団の影響を感じさせた。新たに10番を背負うことになったケレム・デミルバイはドイツ代表歴を持つ実力者で、昨シーズンはホッフェンハイムでCLを戦った経験を持つが、新天地に適応する時間が必要だろう。ここは、“ドイツの新皇帝”との呼び声が高いカイ・ハフェルツの爆発に期待したいところだ。

 一方、2年連続でCL本戦出場を果たしたロコモティフ・モスクワは、“昨シーズン以上”が目標になるだろう。1年前は、ポルト、シャルケ、ガラタラサイが同居するグループでわずか1勝(5敗)、最下位に終わった。それ故、3位狙いが妥当だ。今夏は、レンタル契約で在籍していたポーランド代表MFグジェゴシュ・クリホヴィアクの完全移籍が成立。さらに、ポルトガル代表MFジョアン・マリオをインテルから借り入れ、何とか体制を整えた。英国の大手ブックメーカー『ウィリアム・ヒル』による優勝予想オッズは「751倍」(日本時間11日現在)。ディナモ・ザグレブやツルヴェナ・ズヴェズダと並ぶワーストタイという低評価だが、それを覆す結果を残したいところだ。

※選手情報、出場試合数、試合結果などは9月14日時点のものです。

(記事/Footmedia)

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