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【アジア最前線:中国 #17】長い延期の末に開幕を迎えたCSL。今季の展望は?

2022.06.09

[写真]=Getty Images

スケジュールの途中変更は必至?

 長い延期を経て、6月3日に中国スーパーリーグ(CSL)の新シーズンが始まった。

 中国サッカー協会は今シーズンこそ、通常のホーム&アウェーによるリーグ戦を望んでいたが、国内で新型コロナの感染が広がっている現状を考慮して、過去2シーズンと似た形──集中開催──で行うことを決めた。

 18チームを3グループに分け、各6チームずつが3つの都市でグループステージを戦う。広東省の梅州市で行われるグループAでは北京国安や昇格組の梅州客家ら、リゾート地海南島の海口市が会場となるグループBでは王者山東泰山や昨季に飛躍した長春亜泰ら、北部大連市で開催されるグループCでは広州FCや上海勢らがしのぎを削る。中国政府のゼロコロナ政策により、今シーズンもほとんどの試合が無観客で行われることになりそうだ。

 過去2シーズンと同様に、リーグ側は困難に直面している。約6カ月の間に34節を消化するのは、今回も難しいのではないか。グループステージのあとの予定も組まれているが、一昨季や昨季と同じように変更を余儀なくされる可能性が高そうだ。

 今季はCSL史上初めて、チーム数が16から18に増えた。昨季の2部リーグのトップ2、梅州と武漢三鎮が自動昇格を果たし、セルジ・バルファン監督が率いる3位の浙江緑城(元杭州緑城)は1部で最下位になった青島青春とのプレーオフを制して昇格。4位の成都蓉城──2018年に創立したばかりのクラブだ──も大連人をプレーオフで下し、これに続いた。

 ただし、新シーズンの開幕まで2週間を切ったところで、重慶両江が財政的な問題により不参加を表明(過去2年、選手への給料が支払われていなかった)。中国サッカー協会は緊急会議を開き、大連を新シーズンのCSLに登録することを決めた。

 一昨年の天津天海、昨年の江蘇FCに続き、これで3年連続でプロクラブが消滅したことになる。広く報道されているように、おそらく広州FCもこれに続くことになりそうだ。中国サッカー界では、深刻な財政難がまだまだ続いている。

昨季王者の山東が優勝候補筆頭

 昨季は山東が11年ぶりにCSLのタイトルを奪還した。元ベルギー代表MFマルアヌ・フェライニや元韓国代表MFソン・ジュンホといった中心選手は今季も健在で、上海海港へ移籍した中国代表MFシュウ・シンの後釜としては、広州FCから同じく中国代表MFリャオ・リーシャンを迎えて補填している。1月からポルトガルのヴィゼラに期限付きで移っている若き大型ストライカー、グオ・ティエンユーもじきに戻ってくる予定だ。充実した戦力を維持する山東は、今季も優勝候補と目されている。

 昨季、リーグとカップの双方で山東の次点に甘んじた上海海港は、雪辱を胸に新シーズンを迎える。2018年のリーグ王者は、広州FCから中国代表DFチャン・リンプン、山東から中国代表MFシュウを獲得。欧州でオフを過ごしていた元ブラジル代表オスカルは中国に入国した後に隔離されるため、開幕には間に合わず、オーストラリア代表MFアーロン・ムーイはW杯プレーオフに出場するため、チームへの合流が6月末くらいになる模様だ。ベストメンバーがそろえば、上海海港も優勝候補の一角に数えられる。

 2021年シーズンを5位で終えた北京国安はスラベン・ビリッチ監督を1年で更迭し、クラブレジェンドのシエ・フォンを河北FCから招聘し、後任に据えた。新戦力としては、元ボスニア・ヘルツェゴビナ代表DFサミル・メミシェビッチや、ナイジェリア人FWサムエル・アデグベンロ、クロアチア人FWマルコ・ダブロ、元中国代表FWチャン・チョンドンらを加えている。昨年、外国籍選手全員を放出せざるをえなかった北京は、多くの試合を国内の選手だけで戦ったことから、積極的な補強に動いたように見える。

 昨季を3位で終えた広州FCは、親会社である恒大集団の深刻な財政難の影響を受け、解体も噂されている。CSLとアジアをリードしてきたクラブ──CSLを8度、AFCチャンピオンズリーグを2度制覇──が活動を維持できたとしても、主力だったブラジル選手は一人も残っておらず、リヴァプール生まれの中国代表タイアス・ブラウニングや中国代表ウェイ・シーハオらに頼るほかない。優勝を争うのは難しいだろう。

文=Ming Zhao(趙明)
翻訳=井川洋一

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