それぞれの形で激闘を制したドルトムント(左)、レアル・マドリード(右)がCL決勝へ [写真]=Getty Images
チャンピオンズリーグ(CL)・準決勝セカンドレグが7日と8日に行われ、今季のCL決勝に進む2チームが出揃った。
7日にはパリ・サンジェルマン(PSG/フランス)とドルトムント(ドイツ)が対戦。ファーストレグをニクラス・フュルクルクのゴールにより1-0で制していたドルトムントは、PSGの本拠地『パルク・デ・プランス』へ移ったセカンドレグでは、序盤からホームチームの猛攻を受ける。それでもスコアレスで後半へ折り返すと、50分に同代表MFユリアン・ブラントが蹴った左コーナーキックから、ファーサイドでうまくフリーになった同代表DFマッツ・フンメルスがヘディングシュートで待望の1点を沈める。このままドルトムントが逃げ切りに成功し、2012-13シーズン以来、11年ぶりのCLファイナル行きを決めた。
続く8日にはレアル・マドリード(スペイン)とバイエルン(ドイツ)が激突した。ファーストレグは激闘の末に2-2で終了しており、勝てばその時点で決勝進出が決定する試合は、ホームチームのペースで進んだが、バイエルンもGKマヌエル・ノイアーを中心に守備陣が奮闘を見せてゴールを割らせない。68分にはカウンターの流れからアルフォンソ・デイヴィスが右足で豪快な一撃を沈め、バイエルンが大きくリードしたかに思えたが、会場が『サンティアゴ・ベルナベウ』であることを忘れはならなかった。88分、ヴィニシウス・ジュニオールの放ったミドルシュートをGKノイアーがファンブルしたこぼれ球に、途中出場のホセルが詰めて試合を振り出しに戻すと、続く90+1分にはアントニオ・リュディガーからのクロスボールをホセルがダイレクトで押し込む。もはや“十八番”とも呼べるような劇的勝利で、レアル・マドリードが最後に優勝を果たした2021-22シーズン以来、2年ぶりの決勝へ駒を進めた。
この結果、決勝の対戦カードはドルトムントとレアル・マドリードに決定した。今大会、前者はPSG、ミラン(イタリア)、ニューカッスル(イングランド)と同居する“死の組”のグループFに組み込まれるも、3勝2分1敗で首位通過。ラウンド16ではPSV(オランダ)を2戦合計3-1で、準々決勝ではアトレティコ・マドリード(スペイン)を2戦合計5-4で下していた。一方、後者はグループCを6戦全勝と圧倒的な成績で突破。ラウンド16でライプツィヒを2戦合計2-1で下すと、準々決勝では前回大会の王者であるマンチェスター・シティとのPK戦までもつれ込む激闘を制していた。
ドルトムントは1996-97シーズン以来、2度目となる欧州の頂を目指す。一方、レアル・マドリードは前記の通り2シーズン前の2021-22シーズンに“ビッグイヤー”を掲げており、当時以来、通算15回目の優勝を狙う。
なお、両チームが公式戦で対戦するのはこれが通算15回目。過去14度の対戦においては、ドルトムント3勝、レアル・マドリード6勝、引き分けが5つとなっている。直近では2017-18シーズンのCL・グループHで同居しており、当時はレアル・マドリードがホーム、アウェイどちらも勝利。このシーズン、レアル・マドリードは大会3連覇を飾った。

当時のドルトムントには香川真司も在籍 [写真]=Getty Images
CL・決勝トーナメントの戦いに限定すると、2013-14シーズンの準々決勝で相まみえた。当時はガレス・ベイル、イスコ(現:ベティス)、クリスティアーノ・ロナウド(現:アル・ナスル)の得点により、レアル・マドリードがホームでのファーストレグを3-0で制したものの、ドルトムントのホームで行われたセカンドレグでは、マルコ・ロイスの2得点で2-0と勝利。結果として、レアル・マドリードが準決勝へ進み、そのまま優勝を飾っている。その前シーズンには準決勝で対戦しており、ロベルト・レヴァンドフスキ(現:バルセロナ)が4得点を挙げる活躍でファーストレグを4-1で制したドルトムントが、2戦合計4-3で16年ぶりの決勝進出を決めていた。
ドイツ勢vsスペイン勢の決勝は、名称が「チャンピオンズリーグ」に変更された1992-93シーズン以降だと、意外なことにこれが3回目。2000-01シーズン、オリバー・カーンやエウベルらを擁したバイエルンと、パブロ・アイマールやガイスカ・メンディエタらを擁したバレンシアが対戦し、PK戦の末にバイエルンが勝利したのが、ドイツ勢とスペイン勢の初対戦だ。この翌シーズン、ミヒャエル・バラックやベルント・シュナイダーらを擁したレヴァークーゼンと、ルイス・フィーゴやラウール・ゴンサレスらを擁したレアル・マドリードが対戦。ジネディーヌ・ジダンの“伝説のボレーシュート”によってレアル・マドリードが2-1で勝利していたが、今季は当時以来、22年ぶりの「ドイツ勢vsスペイン勢」という構図となった。

レアル・マドリードをCL優勝へ導いたジダンの“伝説のボレー” [写真]= Icon Sport via Getty Images
■2023-24シーズン CL決勝
対戦カード:ドルトムントvsレアル・マドリード
開催地:ウェンブリー・スタジアム(ロンドン/イングランド)
日時:6月1日の28:00(2日の4:00)
※表記は日本時間
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By サッカーキング編集部
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