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U-19日本代表が4大会連続で屈辱を味わった鬼門…過去5大会の成績と当時のメンバーは?

2018.10.27

[写真]=佐藤博之、Getty Images、Aflo

 若きサムライたちが快調に突き進んでいる。U-19日本代表は25日、「AFC U-19選手権インドネシア2018」グループステージでイラク代表を5-0で退けた。これで初戦の北朝鮮戦(5-2)、タイ戦(3-1)に続き3連勝をマーク。グループ首位で準々決勝進出を果たした。次戦、開催国インドネシア代表との一戦に勝利すれば、「FIFA U-20ワールドカップ」の出場権を手にする。

 自国開催の1979年、日本はワールドユース(現・U-20ワールドカップ)に初出場を果たした。1994年に初めてアジア予選を突破すると、7大会連続で世界への出場権を獲得、1999年のナイジェリア大会では、本山雅志、高原直泰、小笠原満男稲本潤一遠藤保仁小野伸二、中田浩二ら“黄金世代”が躍動。アジア勢としては1981年のカタール代表以来となる決勝進出を成し遂げた。

“黄金世代”は1999年ワールドユースで決勝進出を果たした [写真]=Getty Images

 しかし、槙野智章や内田篤人ら“調子乗り世代”が準優勝した2006年以降、8年に渡り世界への道は閉ざされることとなる。それでも2016年、黄金世代も成し得なかった快挙とともに、再び世界への扉を開いた。

▼「AFC U-19選手権」過去15大会の成績

1988年 グループステージ敗退
1990年 グループステージ敗退
1992年 3位
1994年 準優勝 ☆1995ワールドユース出場権獲得
1996年 ベスト4 ☆1997ワールドユース出場権獲得
1998年 準優勝 ☆1999ワールドユース出場権獲得
2000年 準優勝 ☆2001ワールドユース出場権獲得
2002年 準優勝 ☆2003ワールドユース出場権獲得
2004年 ベスト4 ☆2005ワールドユース出場権獲得
2006年 準優勝 ☆U-20W杯2007出場権獲得
2008年 ベスト8
2010年 ベスト8
2012年 ベスト8
2014年 ベスト8
2016年 優勝 ☆U-20W杯2017出場権獲得

4度の敗退と史上初の栄冠…「AFC U-19選手権」過去5大会を振り返る

※()内は大会当時の所属チーム。

【2008年 サウジアラビア大会】

2008年大会は香川真司らを擁しながら、8大会ぶりにアジア予選敗退となった(写真は2008年、U-23親善試合出場時) [写真]=Getty Images

▼GK
1 権田修一(FC東京)
21 松本拓也(順天堂大)
23 大谷幸輝(浦和)

▼DF
2 鎌田翔雅(湘南)
4 金井貢史(横浜FM)
5 村松大輔(Honda FC)
13 岡本知剛(広島)
16 薗田淳(川崎)
24 高橋峻希(浦和ユース)
36 大野和成(新潟)
50 吉田勇樹(川崎)

▼MF
6 青木拓矢(大宮)
7 香川真司(C大阪)
8 水沼宏太(横浜FM)
12 下田光平(FC東京)
14 山本康裕(磐田)
18 鈴木惇(福岡)
20 河野広貴(東京V)
29 木暮郁哉(新潟)
40 原口元気(浦和ユース)

▼FW
11 遠藤敬佑(水戸)
15 柿谷曜一朗(C大阪)
17 宮澤裕樹(札幌)
25 永井謙佑(福岡大)

牧内辰也監督

[グループステージ]
○日本 5-0 イエメン
○日本 4-2 イラン
△日本 1-1 サウジアラビア
~グループ首位で決勝トーナメント進出~
[準々決勝]
●日本 0-3 韓国

後にロシアW杯で活躍する香川真司原口元気を擁した10年前、U-19日本代表はアジアの舞台で悔しい思いをしていた。グループステージでは初戦、2戦目と大量得点で快勝。しかし、日韓戦となった準々決勝は、キム・ボギョン、チョ・ヨンチョル、ク・ジャチョルらを擁する韓国に完敗。8大会ぶりにU-20W杯の出場権を逃す結果となった。

【2010年 中国大会】

宇佐美貴史や杉本健勇ら“プラチナ世代”も出場した2010年大会は、2大会連続で韓国相手に準決勝敗退 [写真]=Aflo

▼GK
1 中村隼(山形)
18 川浪吾郎(柏)
21 嘉味田隼(神戸)

▼DF
2 田中優毅(日本体育大)
3 平出涼(F東京)
4 内田達也(G大阪)
5 阿部巧(横浜FC)
13 遠藤航(湘南ユース)
15 古林将太(湘南)
19 岡本拓也(浦和ユース)
22 寺岡真弘(関西大)

▼MF
6 藤田息吹(慶應義塾大)
7 菊池大介(草津)
8 酒井高徳(新潟)
10 六平光成(中央大)
16 古田寛幸(札幌)
17 小林祐希(東京Vユース)
24 風間宏希(ロウレターノ)
26 加藤大(新潟)

▼FW
9 永井龍(C大阪)
12 宇佐美貴史(G大阪)
14 杉本健勇(C大阪)
23 指宿洋史(CEサバデル)

布啓一郎監督

[グループステージ]
○日本 2-1 UAE
○日本 4-0 ベトナム
○日本 3-0 ヨルダン
~グループ首位で決勝トーナメント進出~
[準々決勝]
●日本 2-3 韓国

当時すでにスペインでプレーしていた指宿洋史に加え、宇佐美貴史、杉本健勇、小林祐希ら“プラチナ世代”を中心にメンバー構成。豊富なタレントを揃えた攻撃陣はグループステージ3試合で計9得点を挙げ、グループ首位通過の原動力となった。しかし、韓国との準々決勝は指宿の2得点でリードを奪うも、立て続けに3点を奪われ逆転負け。2大会連続で日韓戦に敗れ、世界大会への切符を逃した。

【2012年 UAE大会】

グループステージから苦戦を強いられた2012年大会。準々決勝へ駒を進めるも、ベスト8の壁を突破できず [写真]=Getty Images

▼GK
1 中村航輔(柏U-18)
12 櫛引政敏(清水)
23 杉本大地(京都)

▼DF
2 松原健(大分)
3 遠藤航(湘南)
4 奈良竜樹(札幌)
5 岩波拓也(神戸)
6 山中亮輔(柏)
15 植田直通(大津高)
18 川口尚紀(新潟ユース)
20 佐藤和樹(名古屋)

▼MF
7 熊谷アンドリュー(横浜FM)
8 野津田岳人(広島ユース)
10 大島僚太(川崎)
13 矢島慎也(浦和)
14 橋本拳人(FC東京)
16 松本昌也(JFAアカデミー福島)
17 田鍋陵太(名古屋)
22 榊翔太(札幌)

▼FW
9 久保裕也(京都)
11 渡大生(北九州)
19 小野瀬康介(横浜FC)
21 風間宏矢(川崎)

吉田靖監督

[グループステージ]
●日本 0-2 イラン
○日本 1-0 クウェート
△日本 0-0 UAE
~グループ2位で決勝トーナメント進出~
[準々決勝]
●日本 1-2 イラク

中村航輔、植田直道、大島僚太など、後にリオデジャネイロ・オリンピックに出場するメンバーが主力に名を連ねた。ところが、初戦からイラン相手に黒星を喫すると、1勝1分1敗のグループ2位と苦戦。決勝トーナメントでは初戦でイラクに競り負け、3大会連続ベスト8止まりとなった。

【2014年 ミャンマー大会】

2014年大会はPK戦の末でイラクに敗戦。4大会連続で準々決勝敗退を喫した [写真]=Getty Images

▼GK
1 中村航輔(柏)
18 吉丸絢梓(神戸)
23 高木和徹(清水)

▼DF
2 広瀬陸斗(水戸)
3 三浦弦太(清水)
4 内山裕貴(札幌)
5 宮原和也(広島)
12 中谷進之介(柏)
17 坂井大将(大分U-18)
21 石田崚真(磐田U-18)
22 茂木力也(浦和ユース)

▼MF
6 望月嶺臣(名古屋)
7 川辺駿(広島)
8 高木大輔(東京V)
10 松本昌也(大分)
14 関根貴大(浦和)
15 金子翔太(清水)
16 奥川雅也(京都U-18)
20 井手口陽介(G大阪)

▼FW
9 オナイウ阿道(千葉)
11 越智大和(産業能率大)
13 南野拓実(C大阪)
19 北川航也(清水ユース)

鈴木政一監督

[グループステージ]
●日本 1-2 中国
○日本 3-1 ベトナム
○日本 2-1 韓国
~グループ首位で決勝トーナメント進出~
[準々決勝]
●日本 1-1(PK 4-5) 北朝鮮

初戦の中国戦に敗れるも、ベトナム、韓国を相手に2連勝を飾り、グループ首位通過で準々決勝に挑んだ。北朝鮮との一戦は、前半に先制を許すも、83分に南野拓実のPKで同点に追いつく。その後、両チームに得点は生まれず勝負はPK戦へ突入。全員が決めた北朝鮮に対し、日本はラストキッカーを務めた南野が失敗。この瞬間、4大会連続準々決勝敗退が決定した。

【2016年 バーレーン大会】

堂安律、冨安健洋ら“東京五輪世代”が再び世界への扉を開いた [写真]=Getty Images

▼GK
1 小島亨介(早稲田大)
12 廣末陸(青森山田高)
23 若原智哉(京都U-18)

▼DF
2 藤谷壮(神戸)
3 中山雄太(柏)
4 町田浩樹(鹿島)
5 冨安健洋(福岡)
6 初瀬亮(G大阪)
16 岩田智輝(大分)
19 舩木翔(C大阪U-18)
22 板倉滉(川崎)

▼MF
7 神谷優太(湘南)
8 三好康児(川崎)
10 坂井大将(大分)
11 長沼洋一(広島)
15 堂安律(G大阪)
17 市丸瑞希(G大阪)
18 遠藤渓太(横浜FM)
21 原輝綺(市立船橋高)

▼FW
9 小川航基(磐田)
13 岸本武流(C大阪)
14 中村駿太(柏U-18)
20 岩崎悠人(京都橘高)

内山篤監督

[グループステージ]
○日本 3-0 イエメン
△日本 0-0 イラン
○日本 3-0 カタール
~グループ首位で決勝トーナメント進出~
[準々決勝]
○日本 4-0 タジキスタン

[準決勝]
○日本 3-0 ベトナム

[決勝]
○日本 0-0(PK 5-3) サウジアラビア

堂安律や冨安健洋など、2020年に活躍が期待される“東京五輪世代”が挑んだ2016年大会。2勝1敗でグループステージを突破すると、鬼門の準々決勝でタジキスタンに快勝。5大会ぶりにU-20ワールドカップの出場権を獲得した。その後、準決勝でもベトナムを3-0で下すと、決勝戦はサウジアラビアをPK戦で退け、初優勝を手にした。

2大会連続のアジア王者を目指し、大アウェイの準々決勝へ

U-19日本代表

3連勝でGSを首位突破した日本代表 [写真]=佐藤博之

【2018年 インドネシア大会】

▼GK
1 若原智哉(京都)
12 谷晃生(G大阪)
23 大迫敬介(広島)

▼DF
2 東俊希(広島ユース)
3 小林友希(神戸U-18)
4 橋岡大樹(浦和)
5 菅原由勢(名古屋)
15 瀬古歩夢(C大阪)
17 石原広教(湘南)
21 荻原拓也(浦和)
22 三國ケネディエブス(青森山田高)

▼MF
6 齊藤未月(湘南)
7 伊藤洋輝(磐田)
8 藤本寛也(東京V)
10 安部裕葵(鹿島)
14 郷家友太(神戸)
16 滝裕太(清水)
19 山田康太(横浜FM)

▼FW
9 久保建英(横浜FM)
11 田川亨介(鳥栖)
13 原大智(FC東京)
18 斉藤光毅(横浜FCユース)
20 宮代大聖(川崎U-18)

影山雅永監督

[グループステージ]
○日本 5-2 北朝鮮
○日本 3-1 タイ
○日本 5-0 イラク
~グループ首位で決勝トーナメント進出~
[準々決勝]
日本 (2018.10.28) インドネシア

初戦の北朝鮮戦は、久保建英の直接FKなど5得点を奪い勝利。2戦目のタイ戦で2連勝を飾り、グループ首位通過を早々に決めた。スタメンを10人入れ替えたイラク戦でも5得点を奪うなど、攻撃陣が好調をキープしている。準々決勝の相手は開催国のインドネシア。この一戦に勝利すれば、上位4チームに与えられるU-20W杯2019の出場権を獲得する。なお、同試合には数万超のインドネシアサポーターがスタジアムを埋め尽くすことが予想されている。

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