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“リカルドチルドレン”小西雄大は優勝争いのキーマンに? 決勝点を演出、日立台の熱に「サッカー選手として幸せ」

2025.07.31

新天地の柏でデビューを果たした小西雄大[写真]=柳澤健太

 30日、スタッド・ランス ジャパンツアー2025の第2戦が『三協フロンテア柏スタジアム』で行われ、柏レイソルと対戦。古巣対戦となった伊東純也、関根大輝は後半頭から45分間のプレーとなった中、試合は小屋松知哉、瀬川祐輔のゴールで柏が2ー1で勝利を収めた。

 今夏モンテディオ山形から完全移籍で加入したMF小西雄大は、後半開始からピッチに立って新天地デビュー。すると51分に自陣でボールを持つと、左サイドへロングフィード。同じく後半開始からピッチに立ったジエゴに通ると、関根をかわしてグラウンダーのクロス。最後は瀬川が押し込んで決勝点となった。

 攻撃だけでなく、守備でも個の能力で勝るスタッド・ランス相手に奮闘した小西だが、「バランスが悪くなってしまったし、奪われ方もそうですが、カウンターの対処も僕自身もっとやれたかなと。もっともっと詰めていかなければいけないと思います」と反省。ただ、なかなかJリーグでは味わえないカウンター対応などもあった中で、「やはりシュートまで持っていきますし、リーチの長さは今まで感じたことがないものだったので、(リーグ戦に向けては)参考になりにくいかもしれないですが、Jリーグでもあれぐらいやる選手もいるという認識なので、僕含めてチームとしてもやっていければと思います」と、今後の戦いに向けて活かしていきたいと語った。

 チームに合流してから1週間も経っていない小西だが、徳島ヴォルティス時代にはリカルド・ロドリゲス監督のサッカーを経験。チームには、垣田裕暉、渡井理己、ジエゴと徳島時代の同僚の他、小泉佳穂、犬飼智也と浦和レッズ時代にリカルド監督の下でプレーしたいわゆる“チルドレン”が豊富にいる中で、得点に繋がったシーンも当時の感覚から出たものに。「パッと見た時に(ジエゴは)走り出していましたし、僕も走っているだろうなと。練習から走っていますけど、練習では僕が見逃していることは映像を見て確認していたので、今日はその辺りは見えたら必ず出そうと思っていました。あそこは上手く繋ぐことができたかなと思います」と、手応えを感じたとした。

 左利きの小西はキックの精度が武器の1つ。「自分は蹴れるので、ウイングの選手とは話をしましたし、もうちょっと細かい話、狙いやスペースについては話したので、より多くのチャンスに繋げることができたらと思います」と特徴を出していきたいとのこと。また、背後を狙ったパスなども見せたが「特に瀬川くんはギリギリまで見て欲しいと言われていて、僕もそこは最後まで見れる選手だと思っている」と語り、「ギリギリまで見て、背後を取れるのは相手にとっても嫌だと思うので、ボールを保持しながらチャンスがあればよりゴールに近いところを狙っていければと思います」と、決定機に繋がるパスを狙っていきたいとした。

 後半ピッチに一緒に立った前線は、瀬川、小見洋太、仲間隼斗と一緒にはプレーしてきていない選手たち。垣田や渡井との差については「少しタイプが違う感じはしますけど、そもそも個々の能力が高いということもありますし、ポジショニングの修正については小見ちゃんと話していて、後半押し込まれたタイミングでの修正は必要かなと話しました。パスが出せそうなタイミングや、背後に行けそうに走ってくれるというのは、サッカーIQの高さを凄く感じました」と、それぞれの能力の高さを感じ、合わせて行きたいと意気込んでいる。

 現在チームは首位のヴィッセル神戸と勝ち点差「2」の3位。後半戦の優勝争いに向けて、小西に期待される役割は大きい。「僕自身も結果を残したり、パスを一本通すことで信頼を勝ち取る必要があります」と語る小西は、「僕がボールを持ったら出てくると思わせる選手にならないといけないので、みんなにこういったパスを出せるというのは、コミュニケーションも含め、プレーで見せていきたいです」と、アピールをしっかりして行きたいと語り、数字も残したいとコメント。「ミドルシュートで得点できるボランチは重宝されると思います。これだけ相手を押し込めるなら、なおさらシュートを打つチャンスも増えますし、そこで自分が得点を決められたらメンバーのチョイスに入る可能性が高くなると思います。ボールを動かすところも大事ですけど、最終的にはゴールを奪わなければいけないので、リカ(リカルド監督)がやりたいサッカーを表現しながら、自分の特徴を出していかなければいけないので上手くやっていきたいです」と、ポジション争いに名乗り上げることを宣言した。

 そして自身にとっては初めてホームとして立った日立台のピッチ。「凄かったです」と柏サポーターが作り出す雰囲気について語り、「徳島の時も、山形の時もサッカー専用(スタジアム)ではなかったので、この雰囲気を毎試合ホームでやれるというのは、サッカー選手として幸せだなと感じました」と、スタンドとの近さを体感したとし、「気持ち良いですね。サッカー選手をやってるなという感じでした」と、本拠地として戦っていくことへの喜びもしっかりと感じたようだ。

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