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「トップパフォーマンスを出せる感覚がある」と開幕前に明言…名古屋MF稲垣祥、キャリアハイ更新に迫る今季5点目で勝利に導く

2025.05.05

名古屋MF稲垣祥 [写真]=金田慎平

 今季開幕前は上位候補の一角と位置づけられながらも、シーズン3分の1が経過した時点でいまだJ1下位に低迷している名古屋グランパス。第13節までほぼJ2降格圏に沈んだままとは一体、誰が想像しただろうか……。

「ここ数試合は先制点を取った後、後半の入りで失点することが多かった」とキャプテン・和泉竜司も苦渋の表情を浮かべていたが、いかにして勝ち切るかという課題をクリアしなければ先はない。チーム全体が厳しさを持って、5月3日の清水エスパルス戦に挑んだ。

 東京・国立競技場開催で5万2,847人もの大観衆が押し寄せる中、主導権を握ったのは名古屋だった。前線の永井謙佑、マテウス・カストロ、和泉が流動的に動いて相手守備陣に揺さぶりをかけていく。守備陣もGKシュミット・ダニエルが突然のアクシデントで欠場する中、19歳のピサノアレックス幸冬堀尾らがしっかりしたプレーを披露。いいリズムで試合を運んだ。こうした中、名古屋は一瞬のスキを突いて先制点を奪う。前半36分の右サイドからのスローイン。内田宅哉が和泉からリターンを受け、そのまま持ち込み折り返した瞬間、ニアのスペースに侵入し、巧みなヘッドで合わせたのが、背番号15をつける稲垣祥だった。

「クロス入っていくのは自分の得意な形の一つ。ボール自体も鋭いクロスだったので、当てるところだけだけしっかりやれば、いい軌道でシュートまで行くなというイメージは湧きやすかったですね」と本人はしてやったりの表情を浮かべた。これで稲垣は今季5点目。シーズン8ゴールというキャリアハイの数字を残した2021年に早くも迫る勢いだ。

「もっともっと取れるなと思っていて、前節(柏レイソル戦)でも正直、後悔の方が大きかった。今、チームとしても僕が前に入っていけるような設計をしていて、ボールを集めてもらっている責任もあるので、『ボランチだから5点取ってすごい』とかじゃない。もっともっと突き詰められる部分はあるかなと思います」と本人はギラギラ感を強く押し出した。

 今年1月の沖縄キャンプの時にも「この年齢になると1年1年が勝負だと思ってるけど、自分自身もキャリアのトップパフォーマンスを出せるという感覚を持っている。そういう意味でも自分に期待したいですし、楽しみですね」と話していたが、言葉通りのプレーをピッチで体現しているのは確かだ。

 もちろん、稲垣の仕事は得点だけではない。1−0で前半を折り返し、後半になって和泉、椎橋彗也が追加点を奪った後も、持ち前の走力やダイナミックさを維持。マークについていた相手エースの乾貴士に激しく寄せて仕事らしい仕事をさせないなど、守りの面でも存在感を示したのだ。

 結局、名古屋は3−0で勝利し、4月2日の横浜F・マリノス戦以来、今季2度目のクリーンシートを達成したのだが、守備陣の奮闘に加えて、中盤の稲垣と椎橋の高度な守備力があってこそ、結果が出ている。その安定感を維持しつつ、14試合・23失点というリーグワーストの数字を減らし、上位浮上の基盤を作っていくことも、ベテランボランチに託された役割なのである。

「今までもそうですけど、勝った後のゲームで連戦を積み重ねられなかったというのがある。今回、一つ勝ったからって明るくなってきたとかは全然思わないし、次の試合でどういう表現できるかが今のウチにとっては本当に大切なことかなと思います」

 稲垣も厳しい表情でこう語ったが、本当にここから連勝し、上昇気流に乗っていかないと上位に追いつくどころか、最後まで残留争いに巻き込まれないとも限らない。清水に完勝した今こそ、より一層、気持ちを引き締め、チームの一体感を高めていくべき。傑出したリーダーシップを持つ稲垣はそれができる選手なのだ。今年34歳になるとは思えないフレッシュさを前面に押し出し、ゴールも奪ってくれるのだから、長谷川健太監督も心強い限りだろう。現在の名古屋は永井、和泉、シュミット、マテウス・カストロとベテラン選手が多いが、苦境の今は彼らがしっかりとチームをけん引していくことが肝要。特に稲垣にはゴール数含めて、キャリアハイの実績を残してほしいものである。

 この日はサンフレッチェ広島時代に師事した日本代表の森保一監督も視察に訪れていた。7月のE-1選手権は若手主体のチームで挑む可能性が大だが、稲垣が異次元の輝きを放っていれば、呼ばないという選択肢もなくなる。そうやって代表復帰への道も切り開き、再びトップレベルのチャンスを得られれば理想的。難易度は高いが、同い年の谷口彰悟が代表のコアメンバーにいるのだから、稲垣にできないことはないはずだ。

 高い領域を貪欲に目指し続け、名古屋の救世主になってくれれば、本人も納得できるだろう。今の背番号15の力強いプレーには本当に期待しかない。

取材・文=元川悦子

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By 元川悦子

94年からサッカーを取材し続けるアグレッシブなサッカーライター。W杯は94年アメリカ大会から毎大会取材しており、普段はJリーグ、日本代表などを精力的に取材。

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