[写真]=Getty Images
「正直なところ、彼らとやりあえるんじゃないかというのは感じました。相手のコンディションがまだ出来上がっていない事情は分かっていますし、僕個人ももっともっとやらないといけないですけど、叶わない相手ではなかったのかなとは思います」
日産スタジアムに6万1012人の大観衆が詰めかけた19日の川崎フロンターレvsチェルシーの一戦。前半こそヨーロッパリーグ王者に攻め込まれた川崎だったが、後半に反撃を見せ、レアンドロ・ダミアンの決勝弾で1-0の勝利を挙げた。
ボランチで先発した20歳の田中碧は、マテオ・コヴァチッチやジョルジーニョといった世界的名手を敵に回しながら物怖じせず、激しい寄せから何度もボールを奪った。65分間のプレーではあったが、大きな自信を手応えをつかむことができた。
「同じポジションのジョルジーニョとコヴァチッチの動きは意識しました。彼らは難しいことはしてないけど、立ち位置だったり、首を振る動作1つでこっちがボールを奪いに行けなくなる状況があった。彼ら2人だけでゲームコントロールをしていたわけじゃないけど、前半と後半でゲームがガラリと変わったというのは、あの2ボランチの実力なのかなと思います。こういう刺激はなかなか味わえないし、世界トップレベルの彼らと仮に次にやることがあった時に、個人として圧倒できる選手にならないといけないと感じました」
同級生の堂安律や冨安健洋とともに2014年AFCU-16選手権に出場した頃から、非凡な才能は高く評価されていた。しかし、2017年のトップ昇格後は足踏み状態が続いた。川崎には中村憲剛を筆頭に、大島僚太、守田英正といった日本代表経験のあるボランチがひしめいたからだ。2学年上の板倉滉も似たような苦境にあえぎ、ベガルタ仙台へのレンタル移籍を選択した。一方で、田中は川崎に残って地道な努力を重ね、技術と戦術眼に磨きをかけてきた。
今シーズンはその成果が出始めている。中盤に負傷者が相次いだこともあり、3月10日の横浜F・マリノス戦でスタメン出場し、そこからはコンスタントにピッチに立つようになった。J1やアジアチャンピオンズリーグで攻守両面で穴のないパフォーマンスを披露した。その活躍は森保一監督の目にも留まり、6月にはU-22日本代表の一員としてトゥーロン国際トーナメントに参戦。大会ベスト11に選出されるなど、チームの準優勝の原動力となった。
「この半年間で自分がこれだけ成長できるとは思っていませんでした。J1で優勝を争うチームで試合に出ている以上、周りからの要求も日本一レベルが高いと思っていますし、それに応えるために日々努力している。それが成長につながっていると感じています。世界トップレベルと互角にやるには日本で圧倒的な力をつけないといけない。チームをさらにうまく動かして、中心でやれるようになりたいと思いながらやっています」
高い理想の先には中村憲剛という偉大な先輩がいる。今年10月に39歳となるベテランMFは、チェルシー戦で83分に途中投入されると、短時間で頭脳的なプレーを連発。最終的には見事な浮き球のボールでレアンドロ・ダミアンの決勝点をお膳立てしてみせた。
「10分間で試合を決める、決定的なチャンスを作り続ける力というのは改めてすごいと思いました。本当に憲剛さんのパス1本で流れが変わったし、チームやスタジアムの雰囲気もガラリと変わりました。僕自身もそういう存在になりたいし、力をつけていかないといけないと強く感じてます。常にお手本となる選手が身近にいるので、そういう選手から吸収して、試合を決められるレベルの高い選手になりたいです」
1年後の2020年東京オリンピックが射程距離に入ってきた。森保監督はこれまで神谷優太や松本泰志、渡辺皓太、板倉、中山雄太といったボランチを国際大会で起用してきたが、いずれも「不動のレギュラー」と呼ばれるには至っていない。板倉や中山も欧州で出場機会を失うリスクに瀕している。同い年の齊藤未月や1学年下の藤本寛也も実力を伸ばしてきているが、J1王者の川崎でレギュラーとなった田中が持つアドバンテージは大きいだろう。
かつては田中と同じボランチとして代表でプレーした森保監督を唸らせるような成長を遂げれば、東京五輪、さらにA代表にグッと近づく。そういう圧倒的な存在感を継続的に示してくれることを切に祈りたい。27日に迫った次節・大分トリニータ戦で、強豪・チェルシーから多くを学び、ボランチとして覚醒した田中の一挙手一投足を見てみたい。
文=元川悦子
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By 元川悦子