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【ライターコラムfromG大阪】初挑戦のJ1で躍動中! 小野瀬康介、一皮むけた理由は“ファン感”にあり?

今夏G大阪の一員となった小野瀬康介 [写真]=J.LEAGUE

 今夏、新監督に就任した宮本恒靖に求められ、ガンバ大阪からオファーを受けた。当時の小野瀬康介はレノファ山口FCで2季目を迎え、霜田正浩監督のもとチームの主軸選手として躍動。そんな彼にけん引され、J2の半分の日程を終えた時点でクラブ史上最高順位となる2位につけるなど、前年度とは対照的な躍進をみせていた。それだけに山口を離れていいものか悩んだが、答えを出すのにそう時間はかからなかった。

「山口に移籍した時から、自分の年齢を考えて1年目を終えたタイミングではチームとしてJ1昇格か、個人的なJ1昇格を目標にしていました。でも、そのタイミングでは声がかからなかった。そこから半年過ぎて、J1のガンバからオファーをもらった。もちろん、今年の成績を踏まえて山口に残ってJ1昇格を目指すことも考えたけど、純粋に自分の目標ということだけに照らし合わせると、すでに半年の遅れをとっていましたからね。しかもJ2でしかプレーしたことのない僕にオファーをくれたのは、ビッグクラブであるガンバだと考えても断る理由が見つからないというか……。移籍をしないという選択をする方が難しかった」

小野瀬康介

今季山口では10得点 [写真]=J.LEAGUE

「今は順位こそ低迷していますけど、日本全国に知られているガンバですから。そういうビッグクラブのエンブレムを付けて戦えることを誇りに感じているし、『やってやる』という気持ちにさせられます」

 加入から1カ月半が過ぎ、小野瀬は試合を重ねるごとに輝きを増している。「もともとの性格からして、人見知りというか……。人の輪に入っていくのが得意じゃない。本来は『移籍』とか環境を変えることに向かないタイプ」。そう自己分析するように、引っ込み思案な性格もあってか当初は周りの選手に対する遠慮、またシーズン途中での加入もあってだろう。戦術理解にやや時間を要したが、少しずつ環境にも慣れ、年齢的にも近い三浦弦太らを通してチームの輪に入っていけるようになった。本来の突破力や足元の技術を発揮する時間も長くなり、かつチームメイトとお互いのプレースタイルへの理解を深め合うことで、組織の中で持ち味を出せるようになっている。

 また移籍後2度目の先発出場を飾った川崎フロンターレ戦を含めてチームが5連勝と結果を残していることも相乗効果となり、先発としてピッチに立ち続けている。その中で改めてガンバというクラブの大きさを肌身で感じ、残留争いの最中にいるからというだけではない「1勝の重み」を感じているそうだ。

「スタメンでずっと出れている今の状況は自信にもなりますが、一方で責任もすごく感じています。というのも、ガンバのことは以前からビッグクラブだと思っていたけど、実際に入ってみると、応援される人の数、注目度の高さ、試合や練習の環境も違うし、目に見えないビッグクラブが背負っている重みみたいなものを感じたから。だからこそ『1勝の重み』も違う気もしています。でも、これを体感できるのもここに来たからこそなので。呼んでもらった期待に応えるためにも、ガンバのために全力で戦いたいし、この先も長くガンバにいれたら幸せだなって思っています」

 そんな小野瀬にとって唯一の想定外だったのは、9月16日に開催されたファン感謝デーだろう。イベントの終わりには毎年恒例となりつつある選手による一芸披露の場が設けられており、本来はプロ1、2年目の若い選手を中心に行われるのだが、シーズン途中の加入となった小野瀬と渡邉千真は若手に交じって挨拶代わりのダンスを披露することに。DA PUMPの『U.S.A』を華麗に踊って見せた。

「レノファの選手が見たら間違いなくツッコまれると思います。そのくらい自分にはありえないこと。これでガンバのファンの皆さんに覚えてもらえたなら良かったですけど……。いやぁ、二度と無理です(苦笑)」

 ファン感の後には、そう言って苦笑いを浮かべたが、その直後に行われた第27節の清水エスパルス戦では、FWファン・ウィジョの2得点をいずれもアシストし、チームの3連勝に貢献した。もしかしたら、その経験も引っ込み思案の小野瀬がチームに溶け込むきっかけになったのかも知れない。

文=高村美砂

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