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JFAが『HEROs AWARD』受賞、被災地支援などを評価 森保監督「常に心寄り添い」

2025.12.17

表彰式に出席した永島氏(左)と森保監督(右) [写真]=HEROs AWARD 2025

 スポーツを通じた社会貢献活動を推進する日本財団のプロジェクト『HEROs ~Sportsmanship for the future~』は、活動の一環として、ロールモデルを表彰する『HEROs AWARD 2025』を15日に開催した。

 第9回目となる今回は、大相撲の元横綱である白鵬翔氏、フェンシング元日本代表の池田めぐみ氏、ソフトバンク株式会社とともに、公益財団法人日本サッカー協会(JFA)が受賞した。47都道府県のサッカー協会と連携し、被災地支援、復興・復旧などに積極的に携わってきた功績が評価された。表彰式にはJFAを代表し、日本代表の森保一監督と、JFAリスペクト委員会防災・復興支援部会部会長を務める永島昭浩氏が出席した。

 永島氏は「この受賞はサッカー協会の理念である『社会に貢献すること』を体現したものです。このような素晴らしい賞をいただき、ありがとうございます。サッカーを通じて豊かなスポーツ文化を創造し、人々の心身の健全な発達や社会の発展に貢献するという日本サッカー協会の理念が真ん中にあります」と喜びを語った。また、森保監督が積極的に現地へ足を運んだり、オンラインを通じて被災者と交流したことに触れ、「代表監督が率先してそのようなことをしてくれていることを僕は本当にうれしく思っています」と述べた。

 表彰式では森保監督も、「我々は被災地で励ましを届けていますが、実際は子どもたちの笑顔から活力と勇気をいただいています」と振り返り、「我々の活動を通じてみんなが『ここから立ち上がれるよ』という思いを受け取ってもらって、みんなが這い上がれる。『立ち上がって、また前を向いて前進できることを信じているよ』ということを本当に伝えたいと思っています。JFAの活動が皆さんの日々の活力になれるよう、常に心を寄り添わせながら、これからも継続していきます」と、今後の活動への意欲を示した。

 代表して取材に応じた永島氏は、「平和な社会があるからこそ、サッカーができる。平和であることを感謝しています」と話し、「何かあった時に、47都道府県のサッカー協会が情報を収集しながら、困った人、困った地域があればすぐに活動できるように、先日の地震があった時も情報収集を素早く取りながら、問題ないかということも素早くできています。そういったことが、日本サッカー協会の理念に沿っていると考えています」と、全国的なネットワークが迅速な支援活動の基盤となっていることを説明した。

 活動の中で最も大事にしていることについては、「マニュアルではなく、人の命を最優先に考えるということなので、映像を見ながら考えるのではなく、現地に足を運んで、今何が起こっているか、何がニーズとしてあるのかを十分に理解した上で、行動することが一番大事だと思っています。その積み重ねが自分たちの覚悟にも繋がってきていると思います」と、現場の重要性を強調した。

 具体的な活動として、能登半島地震に対しての取り組みに触れ、「たくさんの方のご協力があり、2025年6月までに153回の復興支援活動を行うことができました。サッカー教えることは1割もなかったんですが、現場のニーズに応える形で、日本代表OB・OG会を中心に派遣することができました」と報告。現地での子どもたちとの触れ合いについて、「(活動が終わった瞬間に)駆けつけてくれて泣き出す女の子もいたりしたので、本当に我慢強く、そしてこらえきれない気持ちというものを伝えたかったんだと思います」と印象的なエピソードを明かした。

 来年は東日本大震災から15年の節目を迎える。「東日本大震災に限らず、日本列島において、いつ、どこで何が起こるかわかりません」と危機感を示し、「表面的なところで復興ができているように見えても、人の心というものについては、まだまだ大変な人がたくさんいると認識しています。考えていることを聞いてコミュニケーションをとる、顔を見て話すということが非常に重要だと思っています」と、心のケアの継続的な必要性を訴えた。

 また、自身の原体験として、30年前の阪神・淡路大震災に言及。「自分の実家が全壊しました。当時、ボランティアという概念を未熟で理解していなかったんですが、本当に家族も近所の人に助けられて。言葉で言うよりも1番大事なのは行動を取ることだと思っています。何が起きているかと同時に、1人でも多くの人の命を救うために何ができるか、現場に行くことが大事だと思っているので、今もそれを心がけてやっています」と語った。

 最後に、他競技との連携の可能性について問われると、「競技が違っても、1人でも多くの人に喜んでもらう、幸せな世の中というものを皆さんが思っていると思うので、このHEROsも含めて、いろいろな形でスポーツ界全体がしっかりと社会に貢献していく、人に寄り添っていくことが、1つの社会インフラになると思っています」と、スポーツ界全体の連携に期待を寄せている。

By サッカーキング編集部

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