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[岡山学芸館]相手が強ければ強いほど力を発揮する“ミスター・決勝弾”【高校サッカー選手権】

岡山学芸館で1年から試合に出場してきたエース・岡田知也 [写真]=安藤隆人

「ピッチにあいつがいるのといないのとではチームの戦う意識が全然違う」

 岡山学芸館の高原良明監督は絶大な信頼を寄せる“エース”岡田知也をこう評した。岡田は1年次から出番を掴み、2017年のプリンスリーグ中国では3試合連続ゴールをマーク。昨年度は不動のレギュラーを張り、2年ぶりの出場となった選手権ではチームのオープニングゴールを挙げ、選手権初勝利をもたらした。そして今年、押しも押されぬ絶対的エースとしてチームの最前線に君臨している。

 彼のプレースタイルは1年次と比べて大きく変化した。もともとはスピードとテクニック、負けん気の強さを武器に、相手DFとの駆け引きから一瞬のスピードで裏に抜け出しゴールを奪うストライカーだった。しかし、学年を重ねるに背負って収める、背負ってから仕掛けるプレーが増えた。

「高1の時にコーチから大迫勇也選手のプレー集をもらって、クリアボールを1人で2人のDFを背負いながら収めるところが凄いなと思ったんです。背負って収めるプレーは、中学時代にフットサルのピヴォでやっていたのに、サッカーではほとんどやっていなかった。もし自分が大迫選手のような受け方が出来たら、プレーの幅が広がると思ったんです」

 中学時代に所属した地元・岡山のアヴァンサールFCでは、全日本ユースフットサル大会に中国チャンピオンとして出場。この時に最前線でやっていたプレーを思い出しながら、練習から意図的にDFを背負いプレーを磨いてきた。

「高1の終わりにチームで行ったイタリア遠征でセリエBの試合を観たんです。そうしたら名前は知らないのですが、FWの選手が背負ってバンバンボールを収めて、攻撃の起点になっているのを見て、『やっぱりこれだな』と思ったんです。大迫選手の映像をたくさん見ていくうちに、大迫選手はボールをもらう前の駆け引きがすごくて、相手の状況や味方の状況、パスのタイミングなどを見て受けるプレーか、裏に抜けるプレーかを判断してこなしていた。より意識して練習していくうちにもともとのスピードで仕掛けるプレーと、背負うプレーでメリハリがついてきたと実感しています」

 ところが今年、プリンスリーグではゴールから遠ざかり、8月31日の試合中には右足の中足骨を骨折し、2カ月の離脱を強いられた。一見、苦しい1年となっているかと思いきや、本人は自分の取り組みに手応えを感じていたという。

「高3になってやれることが増えているのは間違いなかったですし、骨折をしてからは筋トレだけでなく、チームの試合をとにかくしっかりと観ることを心がけました」

 自分、チームと向き合ったことで、「点を取るのは自分。自分が点を取ればチームは盛り上がる。裏を返せばそれだけ責任がある役割だということを改めて感じたんです。ワンプレー、1本のシュートに対する意識が高まったし、自分がプレーする責任、覚悟を改めて固めることができました」

 彼はさらに一皮むけた。復帰戦は県予選準決勝・創志学園戦の69分だった。近年、メキメキと力をつけてきた創志学園を相手に1-1と緊迫した状態で投入された岡田は、直後に個で打開して決勝弾を叩き込んだ。そして、玉野光南との決勝でも、ロングボールに反応すると、3年間磨き上げてきたDFを背負うプレーから豪快なシュートを叩き込んだ。チームは1-0で勝利。2試合連続の決勝ゴールでチームを2年連続3回目の選手権に導いた。

 エースの勢いはこれだけにとどまらない。選手権予選後のプリンスリーグでは、第16節の作陽戦に1-0で勝利。続く広島皆実戦は2-2で迎えた後半アディショナルタイムに決勝弾を叩き込んで劇的勝利に貢献。最終節の瀬戸内戦でも1-1で迎えた90分に決勝ゴールをマークしている。チームはリーグ再開後に怒涛の3連勝を飾り、首位を独走していた米子北を最後の最後に引きずり下ろし、大逆転で優勝を手にした。

「負けん気が強いのも良さ。ゴールに貪欲に向かっていく姿勢は、大学生とか格上の相手にこそできるので、期待している」(高原監督)

 選手権初戦の相手は鹿島アントラーズ入りが内定しているMF松村優太を擁する優勝候補の一角・静岡学園だ。

「状態はメンタル面も含めていい状態です。クリアボールを拾って、前を向けたら勝負。向けなかったら収めて周りの飛び出しを引き出す。いろんな引き出しを見せたいので、楽しみで仕方がないです。今大会は得点王を狙っているので、まずは初戦を全力で突破したいです」

 相手が強ければ強いほど、力を発揮する『ミスター・決勝弾』は、3年間の努力の集大成をこの大会にぶつける。

取材・文=安藤隆人

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