メルボルン・シティと対戦したヴァンフォーレ甲府 [写真]=兼子愼一郎
AFCチャンピオンズリーグ(ACL)・グループH第5節が29日に行われ、ヴァンフォーレ甲府(日本)とメルボルン・シティ(オーストラリア)が対戦した。
クラブ初となるACLながら、2勝1敗1分の勝ち点「7」でグループ首位に立つ甲府は、リーグ戦が終了した影響もあり、前節の浙江FC(中国)戦から先発を6名変更。決勝トーナメント進出に向け、同勝ち点で並ぶメルボルン・シティとの直接対決に臨んだ。
試合は、開始早々にメルボルン・シティがスコアを動かす。5分にハーフライン付近の右サイドで素早くスローインを行うと、パスを繋ぎながら前進し、内側のスペースに走り込んできた右サイドバックのカラム・タルボットが、ボックス内でDFをかわして左足を振り抜く。強烈なシュートはネットに突き刺さり、メルボルン・シティが先制に成功した。
対する甲府も、直後の7分に右サイドでフリーキックを獲得。長谷川元希が放ったクロスはクリアされたものの、ファーサイドでセカンドボールを回収した三浦颯太が、縦に突破し柔らかいクロスを送る。中で待ち受けていた井上詩音が強烈なヘディングでゴールを奪い、すぐさま甲府が同点に追いついた。
同点後は、次第に甲府が押し込まれる時間が増え始めると、33分に右サイドでボールを持ったレオ・ナテルの外側をタルボットが、猛烈な勢いでオーバーラップ。ダイレクトでクロスを蹴り込むと、ニアサイドでジェイミー・マクラーレンが頭で合わせるが、ボールはポストに直撃した。
すると、43分にビルドアップからDFラインでボールを受けた井上が、前線に長いフィードを供給。ボールはDFとGKの間へと落下し、相手と競りながら並走していた鳥海芳樹が、ワンタッチでループシュートを選択すると、ボールはゴールに吸い込まれ、貴重な逆連弾を奪取した。
甲府がリードしながら迎えた後半55分、メルボルン・シティがポゼッションで甲府を押し込むと、ボックス右角でパスを受けたレオ・ナテルの浮き球のパスが、三浦の手に直撃し、オンフィールド・レビューの結果、PKを与えてしまう。キッカーを務めたトルガイ・アルスランが、冷静に甲府のGK渋谷飛翔の逆を突き、メルボルン・シティが試合を振り出しに戻した。
勢いに乗るメルボルン・シティは、64分にゴールキックのセカンドボールを拾って素早く前線にボールを運ぶと、右サイドでパスを受けたレオ・ナテルが、右足で大外から侵入してきたマリン・ヤコリシュにクロスを放つ。カーブを描いたボールは、井上の頭上を通過し、マリン・ヤコリシュがダイレクトでネットを揺らしてメルボルン・シティが再びリードを奪った。
追いつきたい甲府は、85分に相手のゴールキックを回収して細かくパスを繋ぐと、途中投入のクリスティアーノがドリブルで右サイドを突破。浅いエリアから大きなクロスを入れると、同じく途中投入の宮崎純真が頭で逸らして値千金の同点弾を決めた。結局、試合はそのまま3-3で終了。互いに譲らないシーソーゲームは痛み分けとなった。次節は来月12日に行われ、甲府はアウェイでブリーラム・ユナイテッド(タイ)と対戦する。
【得点者】
0-1 5分 カラム・タルボット(メルボルン・シティ)
1-1 8分 井上詩音(甲府)
2-1 43分 鳥海芳樹(甲府)
2-2 59分 トルガイ・アルスラン(メルボルン・シティ)
2-3 64分 マリン・ヤコリシュ(メルボルン・シティ)
3-3 85分 宮崎純真(甲府)
By サッカーキング編集部
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