FOLLOW US

全カードにハズレなし! サムライが挑む“世界最高峰の壁”【CL/グループE】

2019.09.14

[写真]=Getty Images

“ハズレ”がない唯一のグループかもしれない。全ての試合がワクワクするのだ。そう言い切れるのは、欧州屈指の攻撃サッカーを繰り広げるリヴァプールナポリのおかげではなく、3名の日本人選手のおかげだ。

 ザルツブルク南野拓実と奥川雅也、そしてヘンク伊東純也。彼らがアンフィールドやスタディオ・サン・パオロのような世界的なスタジアムで躍動する姿、いやゴールを奪う姿を想像するだけで興奮する。だから、どの試合も楽しみで仕方ないのだ。

上位2位は固いリヴァプールナポリ

リヴァプールナポリは昨季も同じグループに。1勝1敗でリヴァプールが決勝トーナメント進出を果たした [写真]=Getty Images


 ただ、実力だけを見ればリヴァプールナポリが突出しており、この2強がチャンピオンズリーグ(CL)・グループステージで敗退することは考え辛い。特に王者リヴァプールは安泰だろう。そう言い切れるほど戦力が充実している。

 ヨーロッパを震え上がらせたロベルト・フィルミーノ、サディオ・マネ、モハメド・サラーの強力3トップは健在だ。そしてDFとして史上初めてUEFA最優秀選手に輝いたフィルジル・ファン・ダイクが統率する守備にも隙がない。マンチェスター・Cとの国内リーグのつば迫り合いを意識しながらでも、グループステージは難なく突破するだろう。そして3年連続となるCL決勝進出も決して夢ではない。

 一方でナポリは、昨シーズンもリヴァプールと同組に入り、対戦成績は1勝1敗。直接対決は五分の成績だったが、パリ・サンジェルマンも同居したため3位に甘んじた。しかし今季の顔ぶれならば2位以上は確保できるだろう。

 攻撃面は、年を重ねるごとに切れ味が増すFWロレンツォ・インシーニェを中心に、今季はPSVからメキシコ代表のFWイルビング・ロサノも加入した。これで攻撃のスピードと選択肢が一段と増すだろう。そこにギリシャ代表DFコスタス・マノラスまで加わり、攻守のバランスまで強化された。

CL初挑戦の日本人選手たち

南野拓実

南野拓実、奥川雅也を擁するザルツブルクは1994-95シーズン以来2度目のグループステージに挑む [写真]=Getty Images


 この2強に、わずかとはいえ割って入る可能性があるとすればザルツブルクだ。彼らは本当に長い道のりだった。幾度となく挑戦し、その度に予選で跳ね返されてきた。そして、ようやくCLグループステージの舞台に立つことができるのだ。彼らがCL本戦に出場するのは、初挑戦の1994-95シーズン以来のこととなる。

 当然、注目すべきは日本人2名と韓国代表FWファン・ヒチャンといったアジア人なのだが、そこはリヴァプールのマネやナビ・ケイタなどが所属したクラブである。19歳のマリ代表FWセク・コイタのようなアフリカの才能からも目が離せない。そして彼らには、どうしてもナポリに負けられない理由がある。昨季のヨーロッパリーグ・ラウンド16で、ナポリに2戦合計3-4で敗れており、その時の借りを返さなくてはいけないのだ。

 苦しい戦いが予想されるのは、これが3度目のCLグループステージ挑戦となるヘンクだ。過去2度はいずれもグループ最下位での敗退を余儀なくされており、今回も同じ運命を辿る可能性が高い。当然、攻撃の要になるのは日本代表の伊東純也である。彼の突破力がどこまで通用するのか、特にリヴァプール戦では、左サイドバックを務めるアンドリュー・ロバートソンとのマッチアップから目が離せない。他にも“ルーマニアの英雄”ゲオルゲ・ハジの息子で新加入のMFヤニス・ハジ(20歳)も楽しみ選手だし、得点源のFWムブワナ・サマッタはタンザニア史上初のCLデビューを飾ることになるので注目だ。

伊東純也

[写真]=Getty Images

 グループステージ初戦では、日本人対決にして、生き残りをかけたサバイバルマッチ、「ザルツブルクヘンク」が組まれている。ひとまず、これに勝った方が2強への挑戦権を得るのだろう。リヴァプールナポリの“当確”は変わらないと思うが、日本のサムライが欧州の名だたる2チームにどこまで太刀打ちできるのか、そこだけでも楽しみなグループだ。

※選手情報、出場試合数、試合結果などは9月14日時点のものです。

(記事/Footmedia)

SHARE

LATEST ARTICLE最新記事

RANKING今、読まれている記事

  • Daily

  • Weekly

  • Monthly

SOCCERKING VIDEO