日本代表FW上田綺世 [写真]=兼子愼一郎
過去13試合で0勝2分け11敗。一度も勝利がないブラジル代表を相手に前半痛恨の2失点を喫し、日本代表は窮地に追い込まれていた。
「まずは1点取れば結果は全然分からなくなる。自分たちがアグレッシブに行くこと、得点を取りに行くこと、勝ちに行くこと。一つひとつ前向きにやっていこうという話をした」とロッカールームでのやり取りを明かしたのは、1トップで出場した上田綺世だ。前半は好機を作るも仕留めきれず、ブラジルに押し込まれる展開も続いた中「リスク承知の上でボールを取りに行く」決断を下した。
すると後半の立ち上がり52分、前からの圧力が相手のミスを誘い、南野拓実が1点を返す。上田は「前半はちょっと慎重に入り過ぎて相手に圧をかけられなかった分、そのギャップで相手のミスを誘ってゴールにできたことは本当に大きかったし、あの1点がチームの勢いになった」と南野が決めた得点の重要性を説く。このゴールで息を吹き返した日本は、62分に伊東純也のクロスから中村敬斗が決めて同点に。そして71分、またしても伊東のお膳立てから上田がヘッドで決めて、2点差をひっくり返す。「自分の感覚で入って行って『ここに来るんじゃないか』という自分の勘がしっかり当たってゴールになった」と殊勲の決勝弾を振り返った。
ブラジル戦は過去未勝利に加え、得点数もわずかに「5」。南野の得点を皮切りに怒涛の攻撃を続け、わずか19分間で3度ブラジルゴールをこじ開けた。「2-2になって落ち着いてしまうと、3点目を取りに行けなくなると思っていたので、緩めないように鼓舞してやっていました」と上田。「みんなで押し上げて行って、その決勝点を取れるか取れないか。2-2で終わるのと、3-2で終わるのでは全然違いますし、仮に本戦だったら尚更のこと。チームを勝利に導くゴールを取れたことは嬉しいですし、ホッとしています」と安堵の表情を見せた。
上田は74分に交代となり、ベンチメンバー一体となって歓喜の瞬間を迎えた。「それくらい選手には(この試合への)思い入れがありましたし、それくらい勝ちに意味があったのだと思う」と語る。「歴史を新しく作ったというのは、すごく大事なことですが、一喜一憂し過ぎず。僕らはあくまでワールドカップ優勝を目指している」と改めて8カ月後に迫った本大会での優勝を宣言。「こういう試合を勝ち切るというのは、本当に意味がある。成功体験としてもそうですし、チームとしての共通認識も生まれる」とブラジル戦初勝利の意味を説いた。
取材・文=三島大輔(サッカーキング編集部)
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By 三島大輔
サッカーキング編集部
