2013.03.08

チェルシーFCスクールジャパン開校イベントが開催、アジアのスクールとしては4校目

文・写真=小澤一郎 協力:『小澤一郎の「メルマガでしか書けないサッカーの話」』
130308_chelsea_school_001

 3月2日、八王子市上柚木陸上競技場にて日本初となるチェルシーFCのサッカースクール開校イベントが行なわれた。同スクールは、チェルシーが2011年からスタートしているアジアにおける事業の一環で、アジアのスクールとしてはマレーシア、タイ、香港に続き4校目。運営は、JOKODO Sports Performance(代表:大島一志)によって行なわれる。

 幼稚園児から小学6年生までを対象とした開校イベントは、100名の募集予定を「開校イベントであってもクオリティ重視」という本部からの要請で地元八王子市を中心とした約60名の子どもたちに絞った形で行なわれた。子どもたちを指導したのは、来日したイングランド人のアンディー・オットリー氏とチェルシーFCのトレーニングプログラムを受講し、認定試験にパスした日本人指導者たちで、チェルシーメソッドを用いてきめ細かな指導を実践した。

 3月開校に向けてコーチ研修のインストラクターとして来日したインターナショナルデベロップメントオフィサー(国際開発役員)のデイビット・モンク氏は、冒頭の挨拶で「どんな選手もチェルシーの一員になれ、楽しみながらチェルシーの哲学を学ぶことができます」と開校の目的を説明した。

 体験セッションの前にコーチ陣から選手たちに求められたのが、「頑張ること」、「自分を表現すること」、「楽しむこと」の3つ。実際のセッションを見ても年齢、カテゴリー別に4コートに分けられたどのセッションにおいても「エンジョイメント(楽しむこと)」を重要なポイントとしていることがよくわかる仕掛けが多く、子どもたちと初対面になるコーチが自ら先頭に立って笑顔と高いテンションでサッカーをエンジョイする様子が伝わってきた。

130308_chelsea_school_001
 また、興味深かったのがチェルシーのトップチームで活躍するスター選手の名前を用いたメニューが多かった点。例えば、ウォーミングアップ的なメニューにおいては「ペトル・チェフ」の掛け声でハイボールをキャッチする、「(エデン・)アザール」の掛け声で素早いまたぎフェイントを入れるといった項目があり、子どもたちが自然に楽しみながらトップチームの選手に触れるような工夫も垣間見えた。

 近年、海外クラブが日本でスクール展開する事例が増えているが、この点について代表を務める大島一志氏は「コーチの質とその質を高めていくのが一番の違いになります」と語る。前述の通り、チェルシーFCのスクールではコーチの質やディテールに高いこだわりとプライドを持っており、現場指導に立てるのは厳しい研修と試験をパスした指導者に限られている。開校した後も国際部門の人間が定期的にクオリティチェックのために来日するとのことで、チェルシー側も「質のない者(指導者)は、チェルシースクールのコーチになれない」(モンク氏)と説明している。

 また、海外クラブのスクールが日本展開した時には必ず「トップチームで活躍する日本人選手の発掘や育成」に期待がかかるが、これについてもチェルシー側は「まずは(子どもたちに)サッカーを楽しんでもらう環境を整備すること」と主旨説明する。世界展開するスクールの収益の一部を寄付するなど、ビジネスライクに目先の利益やタレントの発掘を目的とするのではなく、あくまでチェルシーのスクールでサッカーの楽しさを知ってもらうことが「最大のブランディングになる」と断言するチェルシーFC。

 だからこそ、モンク氏は子どもたちにこういう話をした。「今日のオープニングセレモニーで、『チェルシーを応援している人?』、『マンチェスター・ユナイテッドを応援している人?』という質問をしました。でも、どのチームを応援しているかは気にしなくていいのです。もっとも大事なのは『サッカーが好き』という気持ちです。今日も、これからもサッカーを楽しんで下さい」。

 こうした“チルドレンズ・ファースト(子ども優先)”の姿勢を見る限り、この3月に開校するチェルシーFCサッカースクールジャパンはチェルシーのみならず、日本サッカー界にとって“有益なスクール”になる可能性があると期待できそうだ。