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チーム好発進の原動力となった乾貴士、フランクフルト全試合採点付き通信簿

2012.12.30

写真=原田亮太
乾貴士
 フランクフルト加入1年目、乾貴士は2012-13シーズン前半戦で全17試合に先発。ブンデスリーガでプレーする日本人選手で最多の5得点、5アシストを記録した。シーズン開幕前、地元ドイツメディアは昇格1年目のフランクフルトは、厳しい戦いを強いられると予想。しかし、フランクフルトは開幕4連勝で第6節まで無敗を守りスタートダッシュに成功した。

 乾は開幕5試合で乾は3得点、3アシストをマーク。チームの好発進の原動力となった乾の2012-13シーズン、リーグ前半戦出場記録をフランクフルトの地元紙『Frankfurter Rundschau(フランクフルター・ルントシャウ)』の寸評とともに振り返ってみよう。

▼2012-13シーズン前半戦 乾貴士 出場記録
ブンデスリーガ:17試合・5得点・5アシスト

【8月】
■8月25日|ブンデスリーガ第1節 vsレヴァークーゼン(H)2◯1
出場時間:75分間(先発途中交代、1アシスト)
『Frankfurter Rundschau』採点:十分合格/十分及第点
『Frankfurter Rundschau』寸評
「フランクフルトに加入してからのベストゲーム」

【9月】
■9月1日|ブンデスリーガ第2節 vsホッフェンハイム(A)4◯0
出場時間:85分間(先発途中交代、1アシスト)
『Frankfurter Rundschau』採点:Ganz okay(十分合格)
『Frankfurter Rundschau』寸評
「動きが良いこの日本人選手は、優れたミットフィルダーが必要とするスキルをほぼ全て備えている。全てのパスが通るわけではないが、見る目がある。シュートについては上達の可能性あり。1-0のゴールをアシストした」

■9月16日|ブンデスリーガ第3節 vsハンブルガーSV(H)3◯2
出場時間:79分間(先発途中交代、1得点)
『Frankfurter Rundschau』採点:Gut dabei(良い働き)
『Frankfurter Rundschau』寸評
「試合開始から力強い勢いをチームにもたらし、この日本人選手を通して多くの動きがあった。先制点となったゴールは、ボールの扱いという点で、見るものを楽しませてくれるゴールだった。シュート数(6本)はチーム最多。優れたパフォーマンスを見せた」

■9月21日|ブンデスリーガ第4節 vsニュルンベルク(A)2◯1
出場時間:先発フル出場(1得点)
『Frankfurter Rundschau』採点:Gut dabei(良い働き)
『Frankfurter Rundschau』寸評
「この日本人選手がボールをたずさえて、左から中央へペナルティーエリア方向へと向かうと、相手選手の間には一気に危険信号“赤”が広がる。しかし、為す術はなし。なぜなら、乾はサーカスのゴム人形のように相手ディフェンスに巻きつき、そして右足の柔らかいタッチでボールをゴールへとおさめてしまうからだ。今回の2-0のゴールのように」

■9月25日|ブンデスリーガ第5節 vsドルトムント(H)3△3
出場時間:先発フル出場(1得点・1アシスト)
『Frankfurter Rundschau』採点:Gut dabei(良い働き)
『Frankfurter Rundschau』寸評
「今度は頭で決めた。いとも簡単に2-2となるヘディングシュートを決め、その前には、ロングランの後にゴールをアシストしていた。前半はそれほど良くはなく、守備の動きが少なかった。ドルトムントの攻撃の大半が乾のサイドからだった。90分はエンジンがかかったのか、常にこの日本人選手は前へと走り、もはや止めることができなかった。抜きん出たパフォーマンスを見せた」

■9月30日|ブンデスリーガ第6節 vsフライブルク(H)2◯1
出場時間:85分間(先発途中交代)
『Frankfurter Rundschau』採点:Schwachelnd(低調)
『Frankfurter Rundschau』寸評
「27分、先制の絶好機を逃してしまう。その後は試合から取り残された格好に。69分に敵陣ペナルティーエリアにスプリントで向かうも、途中でやめてしまう。なぜか? それは彼にしか分からない。彼のこの日1番のアシストはあと少しのところでゴールへとつながるところだった。もっとも、フライブルク側のゴールだが……」

【10月】
■10月7日|ブンデスリーガ第7節 vsボルシアMG(A)0●2
出場時間:57分間(先発途中交代)
『Frankfurter Rundschau』採点:Schwachelnd(低調)
『Frankfurter Rundschau』寸評
「全く試合に入れず。足の甲でボールを止める彼の得意技さえ失敗することも。ボールロストも多く、ちぐはぐなプレーが随所に見られた。開始から1時間のところで当然の交代となった」

■10月20日|ブンデスリーガ第8節 vsハノーファー(H)3◯1
出場時間:73分間(先発途中交代)
『Frankfurter Rundschau』採点:Ganz okay(十分合格)
『Frankfurter Rundschau』寸評
「序盤は好プレーを見せ、この試合でも27回のスプリントを記録。しかし、次第に消耗して一対一の競り合い23回のうち14回で競り負けた。1、2本の不用意なパスもあったが、常に予測不能の動きを見せる。終盤に2度の好機があったが。力なく逃してしまった」

■10月28日|ブンデスリーガ第9節 vsシュトゥットガルト(A)1●2
出場時間:45分間(先発途中交代)
『Frankfurter Rundschau』採点:Schwachelnd(低調)
『Frankfurter Rundschau』寸評
「フランクフルト加入以来、最も低調な試合だった。同郷の酒井高徳に対し為す術なし。一対一の競り合いでは常に負けていた。ハーフタイムに交代となったのも当然」


写真=原田亮太
乾貴士
【11月】
■11月2日|ブンデスリーガ第10節 vsグロイター・フュルト(H)1△1
出場時間:57分間(先発途中交代)
『Frankfurter Rundschau』採点:Schwachelnd(不調)
『Frankfurter Rundschau』寸評
「今回も良いところなし。試合から完全に取り残されており、取り上げるようなプレーもなし。27分には、決定的なバックパスで(ヒュルトに)同点となるゴールをあわやアシストしてしまうところだった」

■11月10日|ブンデスリーガ第11節 vsバイエルン(A)0●2
出場時間:先発フル出場
『Frankfurter Rundschau』採点:Schwachelnd(低調)
『Frankfurter Rundschau』寸評
「愚かなシミュレーションで好ましくない目立ち方をしてしまう。それ以外は不調。前に攻めることもほとんどなく、初めの頃の楽しげなプレーはどこへいってしまったのか」

■11月17日|ブンデスリーガ第12節 vsアウクスブルク(H)4◯2
出場時間:90分間(先発途中交代、1アシスト)
『Frankfurter Rundschau』採点:Gut dabei(良い働き)
『Frankfurter Rundschau』寸評
「調子も底を過ぎたようだ。見事なパスを2本通し、そのうちの1本は2点目のゴールを導いた。そのようなプレー(アシスト)をできる選手はそう多くない」

■11月24日|ブンデスリーガ第13節 vsシャルケ(A)1△1
出場時間:84分間(先発途中交代)
『Frankfurter Rundschau』採点:Ganz Okay(十分合格)
『Frankfurter Rundschau』寸評0
「内容の良い前半。たくさんのアイデアを活かし、つねにボールをつなぐことができた。ジョエル・マティプに倒された場面は、PKをもらって然るべきだった。数多くのチャンスに絡み、シュテファン・アイグナーへのパスも見事だった。アイグナーがシュートを決め損ねてしまったが。後半は明かにペースダウンしていた」

■11月27日|ブンデスリーガ第14節 vsマインツ(H)1●3
出場時間:82分間(先発途中交代、1アシスト)
『Frankfurter Rundschau』採点:So lala (まずまず)
『Frankfurter Rundschau』寸評
「臆病に近いものがあった。徐々にペースを上げ、ドリブルで仕掛けたり、思い切ったプレーもあった。だが、フィニッシュがちぐはぐだった。40分に決定機を外してしまう。そのシュートはGKにとって、あまりにも簡単に防げるものだった。後半はセンターFWとしてプレーしたが、それは彼のポジションではなかった」

■11月30日|ブンデスリーガ第15節 vsデュッセルドルフ(A)0●4
出場時間:72分間(先発途中交代)
『Frankfurter Rundschau』採点:Schwachelnd(低調)
『Frankfurter Rundschau』寸評
「試合に入り込めておらず、攻撃においてアイディアも創造性もなかった」

【12月】
■12月8日|ブンデスリーガ第16節 vsブレーメン(H)4◯1
出場時間:90分間(先発途中交代、1得点)
『Frankfurter Rundschau』採点:Ganz okay(十分合格)
『Frankfurter Rundschau』寸評
「前半は数多くの不注意なパスミスがあったが、やがて変わった。豊富な走行量とドリブルで相手ディフェンスを破った。そして4つ目のゴールを決めたが、その前に(アレクサンダー)マイアーにつなげても良かっただろう」

■12月15日|ブンデスリーガ第17節 vsヴォルフスブルク(A)2◯0
出場時間:80分間(先発途中交代、1得点)
『Frankfurter Rundschau』採点:Gut dabei(良い働き)
『Frankfurter Rundschau』寸評
「強い勢いで、はずみ車を回す前半の彼を止めることはできず。今季5ゴール目も決めた。かつての姿に戻りつつある」

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