2012.09.13

【インタビュー】エムレ・ベロゾール「経験、能力、強い意欲のすべてをアトレティコに捧げる」

ワールドサッカーキング 0920号掲載]
31歳のエムレ・ベロゾールが、再びトップリーグへの挑戦を決意した。トルコ、イタリア、イングランドのビッグクラブでもまれてきた希代のテクニシャンは、スペインの地でどんな活躍を見せるのか。エムレは、これまで蓄積したすべての経験と技術を、アトレティコ・マドリーに注入しようとしている。

エムレ
インタビュー・文=ホセ・フェリックス・ディアス 翻訳・構成=高山 港

 エムレ・ベロゾールがイタリア行きを決意したのは彼が21歳の時だった。インテルでの日々は楽しくもあり辛いものでもあったが、2シーズン目にはレジスタとしてレギュラーを獲得するに至った。だが、チームの指揮官にロベルト・マンチーニが就任すると同時に、エムレの存在感は消失した。

 2005年の夏、エムレはインテルで真価を発揮し切れないまま退団することとなった。しかし、トルコ代表での活躍を評価して興味を示すクラブは多く、ミランやマンチェスター・ユナイテッドなどのビッグクラブへの移籍が取り沙汰される中、彼はニューカッスルでプレーすることを決断。だが、イングランドでの生活も決して順風満帆と呼べるようなものではなかった。チームの司令塔として定位置を確保したものの、度重なるケガに苦しめられ、才能に見合った活躍を見せることはできなかった。

 7年間に及ぶ国外クラブでの挑戦に終止符を打ったエムレは08年夏、かつて自身がプレーしたガラタサライの宿敵、フェネルバフチェでプレーするという大胆な決断を下した。それからの4年間、彼はフェネルバフチェの精神的支柱として多くの勝利に貢献。そしてクラブとの契約が満了した今夏、エムレの下にアトレティコ・マドリーからのオファーが届く。彼は迷うことなくこのオファーを受け入れ、31歳で再びトップリーグに挑戦することを決意した。新天地ではどのようなプレーを見せてくれるのか。歴戦の勇者が大いなる野望について語る。

経験、能力、強い意欲のすべてをアトレティコに捧げるつもりだ

まずは、新しい戦いの場としてスペインを選んだ理由について教えてほしい。

エムレ 実は中国やアラブのクラブからも誘いがあったんだ。俺自身、あと3年は現役でプレーしたいと思っていたから。すべてのオファーを真剣に検討したよ。そんな中、代理人から「アトレティコが興味を持っている」と連絡が入った。リーガには前々から興味があった。一度は、トライしてみたいと思っていたんだ。だから、迷わず「イエス」と言ったよ。

31歳で再び国外クラブに挑戦することに不安はなかった?

エムレ 不安よりやりがいを感じているよ。経験、能力、強い意欲のすべてをアトレティコに捧げるつもりだ。俺はイタリアの戦術的なサッカーに順応したし、イングランドのファイティングスピリット溢れるサッカーにも適応している。リーガのサッカーにもうまくフィットできると信じているよ。

イタリアとイングランドでプレーして、君が得たものは何だった?

エムレ 金では買えない経験をさせてもらったと思っている。俺は21歳でトルコを出てインテルに移籍した。当時は厳しい練習に戸惑いを感じたけど懸命に努力したよ。そのかいあって、インテルでは、セリエAの特徴である強いフィジカルと高度な戦術を習得したんだ。その後はニューカッスルへ移ったけど、プレミアリーグではイングランドサッカーのスピードと激しさを体感することができた。2つのトップリーグでプレーしたことは俺にとって貴重な財産になったと言えるね。

フェネルバフチェで4年間プレーした君が、トルコを離れることはもうないと誰もが思っていた。どんな心境の変化があったの?

エムレ 俺は自分の力を信じているからスペインに来ることを決断した。それに、アトレティコは誰もが憧れるビッグクラブだ。この年でそんなビッグクラブからオファーをもらえることは光栄なことだよ。それに、俺にとって弟のような存在であるアルダ(トゥラン)がいることもアトレティコを選択した大きな理由だね。

君はA・マドリーのファンだと聞いているけど本当なの?

エムレ 本当さ。実はフェネルバフチェの監督だった(ルイス)アラゴネスからアトレティコについていろいろ聞かされていたんだ。彼の話を聞くうちにいつの間にか俺はアトレティコのファンになっていたんだ(笑)。

A・マドリーに合流した当初の印象はどうだった?

エムレ すごく良い印象だったよ。チームの古株から新参者まで、全員が互いに敬意を払っている。チームの団結力を強く感じるね。あとは、早くファンの情熱を間近で感じたいと思っている。俺は全力を出し切るタイプのプレーヤーだ。ファンもきっと俺のプレーを気に入ってくれると信じているよ。