
2月第2週に開催されたDFBポカール、そして第3週からはヨーロッパリーグ決勝トーナメントも始まり、1週間に2試合を行う過密日程のドルトムント。2016年に入り、早くも7試合を消化している。
第19節、昇格組インゴルシュタットに2-0で勝利したものの、ガボン代表FWピエール・エメリック・オーバメヤンの先制ゴールには疑惑が残り、その翌節は敵地でのヘルタ戦でスコアレスドローとなるなど、一部では「ドルトムントが不振に陥っている」との声も聞こえた。しかし、リーグ後半戦開幕後のブンデスリーガ5試合、DFBポカール1試合、EL1試合を6勝1分0敗で乗り切り、そのうち5試合を無失点、2試合を1失点で終えたチームに「不調」という言葉を当てはめるのは、いささか乱暴だ。
トーマス・トゥヘル監督が新たに就任し破竹の公式戦11連勝を記録した昨夏と、それから半年が経過した現在では、状況が大いに異なる。今のドルトムントは、いわば「幹を作る時期」から「枝を作る時期」への移行期にあるのだ。
例えば2月9日のシュツットガルト戦で用いられたフォーメーション。あくまで数字上はそれまでと同じ4-3-3だったが、以前までの前線3枚がオーバメヤンの1トップ+2シャドー気味だったのに対し、この試合ではドイツ代表MFマルコ・ロイスの1トップ+2ウイングという形を採用している。右のオーバメヤンと左のDFエリック・ドゥルムをタッチラインぎりぎりまで開かせ、シュツットガルト両SBのカウンター攻撃参加を封じるというこの作戦は見事にはまり、周知のようにドルトムントはDFBポカール準決勝の切符を手にした。
By サッカーキング編集部
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