2015.07.20

ドルトムントのユース部門ディレクターが語る理念「勝ち負けよりも選手の成長を」

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 ドイツの名門ドルトムントの育成組織は、これまでに数多くのトップ選手たちを生み出してきた。現在のトップチームでも、マルコ・ロイスやマルセル・シュメルツァー、ヌリ・シャヒンはユースチームで鍛え上げられてきた面々だ。

 ヨーロッパのトップクラブという立場を保ち、育成でも成果を残す一端を担っているのが、ユース部門でディレクターを務める元ドイツ代表MFのラース・リッケン氏だ。1996-1997シーズンのチャンピオンズリーグ決勝で、欧州制覇を決定付けるゴールを挙げたクラブのレジェンドが、育成組織の理念を語った。

とにかく楽しむこと、それが何よりも大事

――育成年代の指導方針、フィロソフィーをお聞かせください。
リッケン  子どもたちの長期的な成長を、短期的なチームの勝ち負けよりも大切にしている。さらに、機敏さとスピード、テクニックの3つが大事。それと、何よりも楽しむことだね。チームカラーである黄色と黒を見てもらうだけで楽しいと思ってもらえること。それがチームにとっても大事なんだ。

――日本でもスクールを開いていますが、拡大は検討していますか?
リッケン  現時点で、決定事項はないんだ。日本においてドルトムントの知名度を向上させたのは香川真司の存在で、彼がいるからこそ日本でスクールを開校した経緯もある。デジタルな世の中になり、SNSなどを通じて日本のファンとも交流を持つことは可能になったが、伝統的な人と人との出会いが大切だと思う。スクールもその1つで、実際の関係性があれば、チームへの長期にわたる親密性が生まれると信じている。今回、日本で親善試合を行ったことも、同じ文脈上にあるんだ。

――3つの大切にしていることは、香川選手にピッタリ当てはまりますね。
リッケン  その通りだね。3つの面でシンジは長けている。それに加え、日本人選手のメンタリティーも重要で、ドイツ人選手と日本人選手の似ている部分でもある。ユースチームにも日本人選手が所属しているが、規律やチームプレーヤーであるという点が、チームにとって魅力的だね。もう一つ大事なこととして、日本人選手はけがが少ない。シーズン中、多くの試合を戦えるのも大事な点だよ。

――最後に、将来プロ選手を目指している子供たちにメッセージをお願いします。
リッケン  とにかく楽しむこと、それが何よりも大事。それと同時にチームプレーヤーであること。あと、とても大事なこととしてチームでも言っているが、学校でも一番になることだね。サッカーだけをやるのではなく、学校で良い成績を残した上でサッカーも頑張るんだ。サッカーでは、なるべく一回でも多く試合に出る。スキルを磨き、たくさん練習をして、なるべく多くピッチに立つ。そして、学校も頑張る。チームとしては、サッカーを頑張るだけでなく、しっかり学校と両立しているかを見ているんだ。