2012.06.22

攻撃サッカーの進化がカテナッチョの国から提示されるという巡り合わせ

ワールドサッカーキング 2012.07.05(No.221)掲載]
スペインvsイタリア

 当代最高と称されるバルセロナのポゼッションサッカーですが、すべてのファンの賛同を得ているわけでもありません。ボールを独占し、相手にひたすら“ハーフコートゲーム”を強いる展開は、「ワンパターンでつまらない」と見る人もいます。このスタイルの身上が、そもそも相手に“攻めさせない”ことである以上、一進一退の攻防を望むファンとは相容れないものだと思っていました。しかし、開催中のユーロで新たな可能性を見た気がします。

 グループCの初戦で、バルサスタイルを実践するスペインに対し、イタリアは互角の勝負を演じました。3バック+ウイングバックでサイドと2列目の飛び出しをケアしつつ、3ボランチで中盤の主導権争いも譲らず。デ・ロッシとピルロからのフィードをジャブのように織り交ぜ、相手DFの押し上げを牽制してはプレッシャーを緩和するなど、大胆かつ緻密な戦術を実行したのです。

 彼らの勇敢さは、相手の攻撃を削ぐためだけでなく、自ら“攻める”ためにこれを実践した点にあります。つまり、バルサスタイルと同じ目的を持ちながら、別の手段で“本家”に対抗してみせたのです。攻撃サッカーの進化がカテナッチョの国から提示されるという巡り合わせ。サッカーとは本当に奥深いものです。

「ワールドサッカーキング」編集長 前田 拓(@otsumamiking

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ワールドサッカーキング No.221
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