2012.05.22

C・ロナウドとメッシ、実力伯仲の今シーズンはどちらが“ベスト”だったのか?

ワールドサッカーキング 2012.06.07(No.216)掲載]
 現代サッカーの2大スターであるリオネル・メッシとクリスティアーノ・ロナウド。彼らは今シーズン、リーガの舞台で極めてハイレベルな領域でしのぎを削り合った。レアル・マドリーをタイトルに導いたC・ロナウドに対し、メッシはリーグ戦50ゴールという前人未到の記録を樹立。実力伯仲の今シーズン、どちらが“ベスト”だったかを、現地記者ホセ・ルイス・カルデロン氏が語る。

Text by Jose Luis Calderon, Translation by OFFICE ADON, Cooperation by EIS

■サッカー界に多大な貢献を果たしたバルサ

 リーガ・エスパニョーラはレアル・マドリーが優勝し、チャンピオンズリーグではバルセロナとマドリーがともに準決勝で敗退。一方、ヨーロッパリーグではアスレティック・ビルバオを下したアトレティコ・マドリーが2度目の優勝を飾り、コパ・デル・レイの決勝はジョゼップ・グアルディオラ最後の試合を飾るためにバルサがビルバオと戦う。

 クラブの戦いはもうすぐ終わるが、その次にはユーロ2012が待っている。我々は休むことなく、サッカーを堪能し続けることができる。

 今シーズン開幕前、私はリーガ、チャンピオンズリーグの優勝候補にバルサを挙げていた。だが、その予想は外れた。バルサがいかにしてタイトルを逃したのか、その戦いを見てきた皆さんならば分かると思う。彼らはタイトルを獲得できなかったものの、サッカー界に革命を起こしたスタイルを全く失うことなく戦い抜いた。グアルディオラは4シーズンを戦い、心身ともに疲れ切ったことを理由にチームを去ることを決めたが、彼と彼のチームがサッカー界に残した功績と影響は永遠に失われることはないだろう。

 では、彼らからタイトルを奪ったチームはどうだろうか? リーガではマドリーが、そしてチャンピオンズリーグではチェルシーがその役目を果たした。彼らのフットボールは革新的なものであっただろうか? 私はそうは思わないが、それでも彼らが勝利したのは真実である。フットボールは勝敗があるからこそ、その芸術性や機能性、独創性に価値が生まれる。つまり、今シーズンのチェルシーやマドリーのような存在なくしては、バルサの存在もあり得ないのだ。私はチェルシーやマドリーを称賛するし、彼らもまたハイレベルな仕事をしたプロフェッショナルとして尊敬する。

■超絶技巧でマドリーを牽引したC・ロナウド

 さて、今回『ワールドサッカーキング』編集部から依頼されたテーマは、最も活躍した選手を選ぶというものだ。

 リーガでこの項目に該当する選手は、「世界最高の選手」と称されるにふさわしい選手。そしてここ数年、その称号を争い続けているのが、リオネル・メッシとクリスティアーノ・ロナウドだ。彼らは現代サッカーの2大スターであり、人気だけでなくピッチで示している結果も申し分ない。つまり、この二人のどちらかが最も活躍した選手になる。結論から言うと、C・ロナウドを私は選ぶ。メッシはシーズン50ゴールを達成し、欧州記録を塗り替える活躍を見せた。バルサは彼なくしてはあの領域に到達しなかったことも事実だ。だが、今シーズンはC・ロナウドを最も活躍した選手に選びたい。ジョゼ・モウリーニョ率いるマドリーがリーガのタイトルを獲得できたのは、彼の活躍なくしてはあり得なかったからだ。

 C・ロナウドが圧巻のパフォーマンスを発揮したアトレティコとのマドリッド・ダービーは、リーガの優勝を決めた試合と言ってもいいだろう。あの試合で彼が決めたゴールは彼にしか決めることができないし、チームワークといったものを超越したプレーだった。彼は右足を二振りして2ゴールを決め、劣勢のマドリッド・ダービーでチームを勝利に導いた。あの試合でC・ロナウドの2本のドライブシュートが決まっていなければ、マドリーは無冠に終わっていたかもしれない。あの試合に敗れていれば、マドリーはその後に控えていたバルサとの直接対決を勝ち点差1で迎えねばならず、負ければ逆転されるという恐怖感とともにカンプ・ノウに乗り込まなければならなかった。だが、それを回避したことで彼らは守備を徹底し、「こうすれば負けない」という戦い方に徹することができた。守備に徹するということは、精神的に守勢に回っていては成功しないというサッカーの重要な要素をも示している。

 つまり、C・ロナウドは彼の右足のクオリティーのみで、リーガの大局を動かしたのだ。

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【浅野祐介@asasukeno】1976年生まれ。『STREET JACK』、『Men's JOKER』でファッション誌の編集を5年。その後、『WORLD SOCCER KING』の副編集長を経て、『SOCCER KING @SoccerKingJP』の編集長に就任。

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