[ワールドサッカーキング 2012.05.17(No.214)掲載]

ゴール裏だけで2万人以上を飲み込むメガスタジアムが優勝の歓喜に染まる中、8万人からの「カガワコール」を受けて晴れやかに行進する背番号23。その姿を見ていると、選手にとって大事なものは何かと考えさせられました。
今夏、香川真司へ届くであろうオファーには現状の3、4倍の年俸が提示されるといいます。“格上”のリーグで最高峰の戦いを経験し、夢の欧州制覇やバロン・ドールを視野に入れるためにも当然のステップアップ。ただし、欧州一熱狂的かつ忠誠心溢れるジグナル・イドゥーナの喝采は新天地に望むべくもないでしょう。
周知の通り、そのスペクタクルで歴史的な称賛を集めるバルセロナのタレントたちは、メッシを除くと、いわゆる年俸ランキングでベスト10に入ることはありません。もちろん、水準以上の厚遇を得ている前提があるとはいえ、唯一無二のクラブでプレーできる誇りに金銭以上の価値を見いだしているとも言えます。
カネか名誉か、とは我ながら陳腐な命題ですが、ヤング・ドルトムントにはこのまま欧州レベルの強豪となる可能性ものぞくだけに、残留宣言への複雑な期待も捨て切れません。日本が誇る才能には、欧州の勢力図を塗り替えるぐらいの大仕事を見せてほしいと思うのですが、さて若きサムライの胸中やいかに。
「ワールドサッカーキング」編集長 前田 拓(@otsumamiking)

ワールドサッカーキング No.214移籍市場「15の論点」
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