[ワールドサッカーキング 2012.02.02(No.205)掲載]
前評判の低さを覆すように、奮闘を続けるバレンシア。その中軸を担うのは、新主将のロベルト・ソルダードだ。常に全力でプレーし、ゴールを量産しているのは、「バレンシアの勝利のために他ならない」と本人は語る。だが、ファンは代表でもその力を発揮することを願っている。

2011年、ロベルト・ソルダードは公式戦通算で27のゴールを記録した。これはスペイン代表に名を連ねるフェルナンド・トーレスやダビド・ビージャ、アルバロ・ネグレドの年間得点数を上回る数字である。そして今、バレンシアのエースとしてゴールを量産するソルダードに対し、大きな注目が集まっている。昨年末に行われたクラブ・ワールドカップでビージャが大ケガを負い、今シーズン終了後に行われるユーロ2012への出場が難しくなったためだ。スペイン代表を率いるビセンテ・デル・ボスケ監督は、果たしてどのFWをウクライナ・ポーランドに連れていくのか──。ちなみにソルダードにとって、デル・ボスケは13歳の時にレアル・マドリー加入への道を開いてくれた恩師でもある。今回、指揮官の目は再びソルダードに注がれることになるのだろうか。
もちろん、ユーロへの出場を果たすためには、バレンシアで結果を残し続けなければならない。今シーズン、ソルダードはダビド・アルベルダからキャプテンマークを譲り受け、名実ともにバレンシアのリーダーになった。今、彼がすべきことは、自らの得点でバレンシアを勝利に導くこと。これが実現できれば、6月には真紅のユニホームを身にまとい、ポーランドのピッチに立っていることだろう。バレンシアのために戦うこと。それが、彼自身の未来を明るい方向へと導くことにもなるのだ。
勝利に結び付かないと素直に喜べない
まずは今シーズン前半戦を振り返ってもらおうかな。ここまでのバレンシアの戦いぶりをどう見ている?
ソルダード リーガで3位という今の順位が、そのままチーム状態を表していると思う。今シーズンは好スタートを切り、序盤戦で順調に勝ち点を積み重ねることができた。特にアウェーで勝ち点を稼げたことが大きかった。ポイントとなるゲームで失敗することもあったけど、上位に肉薄するチャンスはまだあると思っている。今の目標は2強との間にある距離を縮めることだ。簡単じゃないことは分かっているけど、そのための努力は惜しまないつもりさ。
ポイントとなるゲームで勝てなかったと言ったけど、それはホームで2-3と敗れたレアル・マドリー戦と、クラシコが行われた日にベティスに敗れた試合を指すんだよね。
ソルダード マドリー戦に関しては言い訳はできない。あの試合の前半はマドリーがペースをつかみ、僕らのミスを突いて得点した。僕らは1-3で迎えた後半に反撃に転じ、マドリーを追い詰めるシーンが何度もあったけど、プレーしながら「逆転するのは難しいだろう」と感じていたことも事実なんだ。勝つ見込みの少ない、負けるべくして負けたゲームだったと言えるだろう。
序盤は好スタートだったけど、クリスマス前は急に結果を残せなくなった。チャンピオンズリーグ(以下CL)ではチェルシーに敗れてグループリーグ敗退となり、その後ベティスに敗れ、コパ・デル・レイでは2部Bのカディスに引き分けに持ち込まれている。
ソルダード チェルシー戦での敗北はある意味、想定内のことだった。もちろん最初から負けるつもりで試合に臨んだわけじゃなかったけどね。あの試合ではキックオフ直後にチェルシーに先制点を許してしまった。そして点を取ろうと攻めかかった時にカウンターを食らい、追加点を許した。その後は僕らが試合をコントロールしたんだけど、得点機を作るには至らなかった。何の言い訳もできない、まさに完敗だったよ。ベティス戦は内容的には良かったけど、試合終了間際の4分間で2点を取られ、逆転を許してしまった。確かに手痛い敗戦だった。何事もなく勝利し3ポイントを積み重ねていたら、リーガの首位争いに加われたはずだからね。カディス戦は難しい試合だった。ピッチが狭くてやりづらかったし、最後の詰めも甘かった。
バレンシアニスモ(バレンシアのファン)の誰もが君のプレーに満足しているようだね。
ソルダード コンディションも良好だし、快適にプレーさせてもらっているよ。システムにもうまく順応できている。去年の4月からコンスタントに得点を記録しているんだけど、ゴールを挙げ続けることで自信も付いたし、チームにも余裕が生まれている。僕のゴールでチームが勝利を手にすることができれば、こんなにうれしいことはない。さっき話に出たマドリー戦で、僕は2ゴールを決めた。でも、チームが負けたから喜びは半減さ。FWはチーム内で一番“おいしい”役割を与えられている。サッカーの面白さはやっぱりゴールだからね。ただ、僕の考えではゴールはすべてチーム全員の協力の下で生まれるものだ。だからチームの勝利に結び付かないと、素直に喜ぶことはできないよ。
昨年から急にゴールを量産し始めたけど、何か特別な理由があるの?
ソルダード 秘けつがあるとしたら、練習と自信だろうね。FWは試合の流れをつかむことが必要とされている。バレンシアは攻撃的なチームで、2列目から精度の高いラストパスが次々に送られてくるから、自然とチャンスは増える。それをうまく得点に結び付けるのが僕の役割だ。パスのタイミングは日頃の練習で培われるものだし、実戦で成功すれば自信につながり、もっといいプレーができるようになる。今はその好循環の中にいるということさ。今シーズンの君ベストパフォーマンスは、CLのゲンク戦だと思う。
この試合で君はハットトリックを決めてバレンシアに勝利をもたらした。
ソルダード 僕にとって記念すべき試合だった。同時に、バレンシアにとっても誇るべき試合になったと思う。あの試合でバレンシアは7ゴールを奪った。CLで1試合7ゴールを記録したのはスペインのクラブでは僕らが初めてだったんだ。ハットトリックを達成した自分のプレー、そしてチーム全体のパフォーマンスを誇りに感じているよ。
<続きは ワールドサッカーキング 2012.02.02(No.205)でお楽しみください>

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