2015.06.11

【独占インタビュー】進藤潤耶アナ×竹内由恵アナ(テレビ朝日)『日本代表戦は仕事の中でも特別』

1984年東京都生まれ。2012年よりWeb『サッカーキング』で編集者として勤務。2019年7月よりWeb『サッカーキング』編集長に就任。

『サッカーキング』では今回、テレビ朝日のサッカー番組を支える進藤潤耶アナウンサー、竹内由恵アナウンサーに、二人がレギュラー出演している人気番組『やべっちF.C.~日本サッカー応援宣言~』、さらには同局で中継する11日と16日に控える日本代表戦について、話を聞いた。

●インタビュー/小松春生、写真/瀬藤尚美

やべっちF.C.ファミリーは部活みたいに熱い!

――やべっちF.C.は今年で14年目を迎えました。長寿番組の秘訣や理由は何でしょうか?

進藤潤耶アナ(以下、進藤) やべっちF.C.の放映が開始した時、僕はもう入社していたので、サッカー中継担当をしながら、スタジオへ収録を見に行くこともありました。そこで感じたのは、スタッフ含めてサッカーが好きな人間が多いということでした。当時はスタッフの平均年齢がとても若く、30歳に満たないくらいだったと思います。チーフディレクターが30歳になるかならないかくらいで。空いている時間があったら、フットサルやサッカーをやったりバーベキューに行ったりと、仲が良かったですね。あとは、面白いことや分かりやすいことが好きだということも要因の一つだと思います。

竹内由恵アナ(以下、竹内) 私もそう思います。スタッフの方は1日中、1年間、パソコンの画面がサッカー関連のニュースが映し出されていますし、みんながサッカー好きなので、番組がない時でもプライベートでフットサルをして、常にサッカーへのアンテナを張っています。サッカーが好きな人が集まっているからこそ、サッカーへの想いが強いからこそ、例えばテレビ朝日のサッカー班から生まれた言葉だと思いますが、“絶対に負けられない戦い”といった、多くの方に浸透していく、心に響く言葉が生まれたんじゃないかなと思います。

――やべっちF.C.ファミリーの情熱が、視聴者の方にも伝わっていると思います。

進藤 気持ちがすごく伝わるんだと思います。飲みに行くとサッカーの話が熱いですからね。

竹内 確かに! 一人ひとりが立ち上がって、部活みたいな感じですね。日本代表戦が近づいてきたらそこに向けて、みんなが「何分話しているんだ?」というくらい熱いスピーチをするので。本当、部活みたいです。

進藤 僕は2008年からやべっちF.C.ファミリー加わったので、どちらかと言うと、その時点で脈々と出来上がっていたものを、引き継ぐというか、少しでもそのままできるようにと思ってやってきました。あとは、みんな新しいもの好きですね。新コーナーをよく考えたりしています。ディレクターがJリーグや日本代表戦の試合後の取材で「ありきたりだなぁ」と感じたところから『解説するっち』が生まれました。それを実現するパワー、情熱があるから、みんなが無理だと思うことでも、それを無理だと思わず、まずお願いをしてみる。情熱がすごいです。

竹内 サッカーを伝えるという軸が全くブレずにやってきたことも、大きな理由だと思います。

進藤 矢部さんがサッカーを好きだということも大きいですね。みんなも矢部さんが好きで。まとまりがあります。

Announcer (10)

矢部さんがいるから放送中に何でもできる

――矢部浩之さんのお名前が出ましたが、お二人から見て印象はいかがですか?

進藤 僕が言うのもおこがましいですが、サッカーが本当に好きな方です。年齢は40代中盤になろうかとしていますが、気持ちも若いですし、『宿題発表会』(やべっちF.C.の人気企画。有名選手のテクニックを矢部さんが実際にチャレンジする)を見ていても、年々うまくなっていると、目の前で見ていて思いますね。スタッフも相当サッカーが好きですけど、矢部さんの方が好きなのかなと。矢部さんから『みんな最近ボール蹴ってないの? ボール蹴ろうよ』と呼びかけることもあります。

竹内 矢部さんは「サッカーを自分がするっていうことが一番の強み」だとおっしゃっていて。

――メインMCの方が実際にいろいろ挑戦する番組は少ないですよね。

竹内 かつ、いろいろな現役選手の方が、やべっちF.C.の取材だと聞くと、面白おかしくというか、サービス精神を発揮してくれます。それを矢部さんがうまく受け止めてくれることが浸透しているので、選手の皆さんが普段受けているインタビューとは違う、個性が出た言葉が聞けたりします。

――そういったところも番組の歴史の一つですね。

進藤 矢部さんがいるから放送中に何でもできる、どうなっても最後はうまくまとめてくれるという安心感が僕もありますし、竹内はたぶんそれがないと何にもできないと思うんですけど(笑)。

竹内 矢部さんがいていただいているので……。

進藤 ボロが出ない(笑)。

竹内 世間にボロが出ない……で、出ない?!(笑)。出ていますよね、結局やべっちF.C.では(笑)。

――日々、勉強もとてもされていらっしゃいますよね?

竹内 勉強もしていますし、やべっちF.C.だとすごくリラックスできて。それはたぶん矢部さんがいないと絶対無理なことなので。一家の大黒柱みたいな感じです。

進藤 「みんな、やるぞ!」というような熱血キャプテンではないですけど、安心感があります。

Announcer (5)

中山さんは常に全力、中田さんはクレバー

――中山雅史さんはいかがですか?

竹内 本当に“何でも頑張る方”なんだなと。プレイヤーとしての中山さんは皆さんご存知だと思いますが、やべっちF.C.でも本番前にみんなが集まって打ち合わせする時、もう前のめりで。自分で何を言うか、考えているかを紙に書いて、それを何回も練習されています。本番に向けて、準備万端にする、全力をかける方だと感じています。

――現役時代のプレースタイルが今も出ているんですね。

進藤 現役時代のトレーニングや一人で行う努力を見ることはできませんが、その姿を垣間見えるというか想像できて。それでも僕らが見ているのは、ほんの一部だと思いますが、日本のサッカーを背負ってトップで引っ張ってきた人なんだな、と改めて感じます。毎回全力で、プレースタイルと似て、やべっちF.C.での雰囲気やサッカー解説が、すごく熱いということも出ていますね。

竹内 あとはトークがとっても面白いです! スタジオ全体が引き込まれて、一つにまとまっていきます。

――今年からは新たに中田浩二さんもファミリーに加わりました。

進藤 中田さんの場合、まだ現役時代の印象が大きいので、クレバーで冷静な雰囲気なのかなとは思います。ただ、まだ共演回数は多くないので、これから番組でいろいろな面を引き出していきたいですね。

竹内 現役時代にディフェンダーだったことがわかるような、中山さんとはタイプの全く違う方です。「自分がゴールを決める!」というより、少し後ろに構えて全体を見ている印象です。

――現役時代も広い視野が持ち味の一つでした。

進藤 もちろん中山さんも視野が広いですが、中山さんが270度なら、中田さんが360度見えているという感じですね。

Announcer (7)

後輩は私の背中はあんまり見ない方が……(笑)

――今年からは山本雪乃アナウンサーも加わり、女性アナウンサーが竹内さん、久冨慶子アナウンサーと総勢3人になりました。先輩として教えていきたいことはありますか?

竹内 私は前田有紀さんという先輩がいた時には、「とにかく現場に行って取材にする」という姿勢を見て、たくさんのことを学びました。2人もすごく頑張っていますし、最近ファミリーに加わった山本雪乃は、連日J1、J2を見に行っていたりするので、「いいね!」ってどんどん褒めています(笑)。私ができることはそんなにありません。とにかく取材にどんどん行ってほしいです。

――「私の背中を見てほしい」ということはありますか?

竹内 たぶん、やべっちF.C.に出ている私の背中はあんまり見ない方が……(笑)。

――進藤さんはアナウンス部の先輩としていかがですか?

進藤 竹内が言ったように、前田から女性のアナウンサーが出演して、彼女の姿勢がやべっちF.C.の良い部分としてずっと受け継がれてきました。彼女が築き上げてきたものが、今のやべっちF.C.の礎になっているというところで、果たした役割、力が大きいと思っています。今は竹内がそれを受け継いでいるので、新しく入ってきた久冨や山本が、竹内“さん”の大きな背中を見てやってくれれば。

竹内 本当に思っていますか?(笑)

進藤 心から、心から(笑)。でも、本当にそうだと思っています。竹内も現場によく行っていますし。新しく加わった後輩たちは、これまでなかなかサッカーとの接点もなかったでしょうし、どういう風にしていいか分からない部分も多いと思います。やべっちF.C.をやっている女性アナウンサーは「すごいな」と思います。

Announcer (11)

ハリルホジッチ監督はすごく真面目で誠実な方

――ここからは6月11日のイラク戦、16日のシンガポール戦を控えた日本代表についておうかがいします。ヴァイッド・ハリルホジッチ新監督になってからの代表の印象はいかがですか?

進藤 これからだと思います。どういうチームになって、どんなメンバーが中心選手になっていくのか。3月に2試合を戦い、国内合宿ではいろいろな選手を招集していました。ハビエル・アギーレ前監督が就任した時も個人的には期待して見ていましたが、今はものすごく期待感があります。選手のモチベーションを上げるのが上手な監督、という印象ですね。誰にでもチャンスがある。我々が感じているくらいなので、選手はもっと感じ取っているのではないでしょうか。

 ハリルホジッチ監督が就任してから初めての公式戦となるので、雰囲気も違うと思います。3月は初顔合わせだったので、どうしても和やかだったり、取材に来た我々のために監督もちょっとサービスしたりしたこともあったでしょうし。どんな雰囲気でやっていくのかという楽しみがあります。

竹内 ハリルホジッチ監督は、一言質問するだけで、こちらが聞きたいことを全部答えてくれる、すごく真面目で誠実な方、という印象を受けました。例えば、具体的に変えていきたいことがポンポンと出てくるんです。わかりやすく提示してくれると言いますか。協会内に自分の事務所を作るといったこともそうですし、自ら日本のサッカーに飛び込んでいくという決意を感じました。視察した試合で活躍した選手を実際に呼んでいますし、厳しく選手の体調を管理されているようなので、日本人に合っているのかもしれませんね。私は、「こういう目標がある、それを達成してくれ」という、ある程度の形を決めてくれた方がやり易いので、もしかしたら日本人はそういうのが向いているのかなって。もちろん期待しています。

Announcer (4)

日本代表戦は仕事の中でも特別な一つ

――日本代表戦を実況するということはいかがですか?

進藤 初めて日本代表の試合を実況したのが2008年なんですけど、今でもいろいろ思い出しただけで、胃がキュッとなるような緊張感を覚えます。仕事の中でも特別なものの一つです。自分がサッカーをやっていたということもありますが、日本代表の試合を中継するということが、喜びと同時に日本代表に近づいたような感情があります。初めての実況は喜びと緊張だけでしたが、責任の大きさも経験を重ねるにつれて増えています。生半可な準備ではもちろんダメですし、何を伝えるのかも大切です。もしかしたらその中継の印象で日本代表への想いが変わってしまうかもしれない、少しは影響があるかもしれないと考えると、自分で言うのも偉そうなことかもしれませんが、責任感をとても感じます。

――竹内さんはスタジオなどから代表戦を伝える際の気持ちはいかがですか?

竹内 2年前くらい、一番初めに代表戦を担当した時、本当に緊張しました。セルジオ越後さんと川平慈英さんと一緒だったんですが、声が震えてしまって。言わなければいけないことはそこまで多くはなかったかもしれないですけど、それだけで必死でした。大勢の方がサポーターとして日本代表を応援している中で、すごいところのスタジオを担当していると思って。久しぶりにすごく緊張しました(笑)。

進藤 普段は緊張しない、みたいなね(笑)。

竹内 本当に緊張して、「あわわわわ」ってなってしまいましたね。重いものなんだと。代表戦は今も特別です。

Announcer (9)

2連戦はモヤモヤを吹き飛ばす試合を期待したいです!

――6月の2連戦はテレビ朝日で中継となります。こんな日本代表のプレーが見たい、注目したい点をお聞かせください。

進藤 昨年のブラジルW杯は、敗退の決まったコロンビア戦をテレビ朝日が放送していました。あの時の試合後インタビューでは、今も適切な言葉は思い浮かびませんが、選手に声をかけられないような状況でした。その後、アジアカップでもUAE戦で悔しい負け方をして。W杯からはちょうど1年が経ちます。選手やサポーターはもちろんですし、個人的にはやるせない気持ちが続いているので、監督が変わったということではなく、ブラジルから1年経って、次のW杯へシンガポール戦は第一歩になります。その前のイラク戦はその一歩に向けた大切な試合です。この1年間、もっと言えば2010年の南アフリカW杯でベスト16に入り、2011年のアジアカップで優勝して以降、代表選手、サポーター、やべっちF.C.のスタッフの表情もそうですが、みんなで大きく喜んだことはしばらくありません。これまでのモヤモヤを吹き飛ばすような、日本中の人たちがスカッとするような試合を期待したいです。

 イラクはアジアでも強豪国の一つで、シンガポールより苦しめられるかもしれません。そのイラク戦がスタートになることは非常にいいことだと思います。今後大きく成長する可能性を秘めたイラクにまず、しっかりと勝って。W杯予選はとにかく結果なので、まずはホームできっちり勝利して、放送席で松木さんや中山さんと何回もハイタッチするような中継をしたいですね。放送席の映像が流れると、みんなでガッツポーズをしているようなことがしばらくないので、ぜひやりたいです。

竹内 南アフリカW杯ではフィールドリポーターをやっていて、日本が勝った試合の後の帰り道で、「やりましたね! やべっちF.C.見ますよ!」と、代表のユニフォームを着ていた方に声をかけていただき、日本中が喜んでいると肌で感じられました。その後のブラジルW杯では自分がスタジオを担当することができたんですが、すごく悔しくて、みんなで喜びたかった気持ちがかなりあったので。もう一度、日本中が喜ぶ瞬間に立ち会えたら嬉しいなと思います。

【番組情報】

やべっちF.C.~日本サッカー応援宣言~
毎週日曜 深夜0時10分からテレビ朝日にて放送中

キリンチャレンジカップ2015
日本代表 vs イラク代表

6月11日(木)よる6:50~
テレビ朝日系列で生中継
※一部地域を除く

ロシア・ワールドカップ アジア2次予選
日本代表 vs シンガポール代表

6月16日(火)よる7:00~
テレビ朝日系列で生中継
※一部地域を除く

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