<<enter caption here>> at Vicente Calderon Stadium on January 28, 2015 in Madrid, Spain.
アジアの富豪がリーガの風潮を変えつつある。
中国の富豪、王健林が会長を務める不動産大手「ワンダ・グループ」がアトレティコ・マドリードの株式20パーセントを取得した。王健林会長は4000万ユーロ(約53億円)以上を支払い、同クラブの株を買った。彼の資本参加によって、クラブは多額の負債の軽減を期待していると報じられた。またアトレティコ・マドリードは中国にサッカースクールを開校し、トップチームは中国遠征を計画しているという。
レアル・マドリード、バルセロナの次ぐスペインの名門であり、強豪のクラブ経営にアジアの富豪が参加する。このニュースはスペイン国内で大きなインパクトを持って、伝えられた。
深刻な経済危機にあるスペイン。失業率24パーセント、25歳以下の失業率が53パーセントと仕事がなく、若者は次々と外国に飛び出している。とにかく国内にお金はなく、職もない。国内経済はここ数年すっかり冷えきっている。
記録的な移籍金などで話題を集めるサッカーではあるが、そんな移籍金を払えるのはレアル・マドリードやバルセロナといった本当にごく一部だけ。国内経済の影響を各クラブはもろに受けている。かつてはどのクラブにも胸にスポンサー名が入っていたが、今は胸に広告がないことも珍しくなくなった。
国内にお金がない。では、外からお金を集めればいい。スペインサッカーには今、外からのお金を積極的に呼び込んでいる。特にアジアだ。
前記したアトレティコ・マドリード然り、バレンシアの新オーナーとなったピーター・リムもシンガポール人資産家だ。ピーター・リムは9400万ユーロ(約124億円)を支払い、負債をなくし、クラブの株70パーセントを取得した。バレンシアは新オーナーのバックアップを得て、チャンピオンズリーグ出場権獲得を目標に積極的な補強を続けている。
今シーズン、レアル・ソシエダとラージョ・バジェカーノのユニフォームにはスポンサーとして中国企業の名前が入っている。またエイバルのユニフォームには注目を集めるレアル・マドリード戦でアジア企業の広告が入り、エスパニョールのホームスタジアムは今シーズンからネーミングライツを中国企業に売り、「Power8」と呼ばれるようになった。
このようにアジア、特に中国企業の参入が今シーズンのリーガ・エスパニョーラでは目立っている。
イングランドにはロシア人富豪がやって来たチェルシー、UAEのロイヤルファミリーがやって来たマンチェスター・Cが、欧州のビッククラブのひとつとなった。フランスではパリ・サンジェルマンにカタールの富豪がやって来て、同じくチャンピオンズリーグの常連となった。
今後、スペインから中国、シンガポールといったオーナーの資金をバックに欧州のビッククラブとなるチームが出現するだろうか。